ME AND MY GIRL 評


宝塚歌劇支局090705」より引用。 

 真飛聖(まとぶ・せい)さん、桜乃彩音(さくらの・あやね)さんら花組メンバーによるミュージカル「ME AND MY GIRL」(三木章雄氏脚本、演出)が、2009年7月4日(土)に大阪・梅田芸術劇場で開幕した。

 昨年、瀬奈じゅん(せな・じゅん)さん、彩乃かなみ(あやの・かなみ)さんを中心にした月組で13年ぶりに再演され、その後、すぐに霧矢大夢(きりや・ひろむ)さんを中心とした役替わり公演が博多座で上演されるなどまだ記憶に新しいヒット作の花組バージョン。これまでずっと月組で上演されてきた演目の初めての月組以外の公演だ。

 とはいえマリア公爵夫人が博多座と同じ京三紗(きょう・みさ)さん弁護士パーチェスターが初演以来当たり役としている未沙のえる(みさ・のえる)さんと専科のベテランの助けを借りての上演とあってそれほど違和感はない。花組メンバーが38人で計40人での公演は、このミュージカルとしてはベストの人数だ。配役的に年齢的にややちぐはぐ感があったのは否めないが、作品的にはよくまとまっていて、宝塚の財産のひとつとしてこれからも大事にしていって欲しい作品であることを改めて思い知らされた公演だった。

 もともと、ひとくせもふたくせもある個性的な役どころに本領を発揮する真飛さんにとって粗野な青年から徐々に変化していくしどころのあるビル役はうってつけ。出だしから思い切り作り込んでの登場となった。ただ、この役はせりふや動きなどすでに宝塚的に完成されており、それをなかなか自分流に崩すのが難しい役であることが真飛さんの芝居を見ていて再認識させられた。歌も芝居もうまいのだがまだちょっと余裕がないというのか、まだいっぱいいっぱいのような感じがした。でずっぱりの体力勝負だけに、緩急の計算が出来るようになるとずいぶん変わってくるだろう。

 サリー役の桜乃彩音さんは、予想をはるかに上回るできばえ。かなりの特訓をしたであろうと思われる歌のソロは情感がこもって聞かせたし、前半のお茶目なサリーの弾けた演技もなかなかだった。ラストの変身ぶりの申し分のなさはいうまでもない。

 ジョン卿は壮一帆(そう・かずほ)さん。プルキル、オグリとこのことろ個性的な大役が続き絶好調。ジョン卿もこの線で演じた。貫録をつけるためかややオーバーアクトで攻めたのだが、かえって若さが出たように思う。

 ジェラルドの愛音羽麗(あいね・はれい)さんは、天真爛漫なお坊ちゃまという雰囲気がぴったりで、変に作らずナチュラル風の演技もよくてまさに適役好演。女役が続いたこともあって久々の男役で生き生きとした感じ。

 ジャッキーは朝夏まなと(あさか・まなと)さん。ずいぶんと背の高さが強調されたジャッキーだったが、思いがけず女役が似合い、キュートな感じがよくでていてなかなか魅力的だった。

 7月4日 「ME AND MY GIRL」(花組公演)はじまる