原発事故に関するひとこと


東京新聞3月21日社説より

 「危機管理で重要なのは信頼できる情報の素早い発信である。隠したりぼかしたりすると疑心暗鬼を生み、かえって混乱を招く。メンツにとらわれない率直な情報伝達こそが国民を冷静にする」

 「国民に冷静な行動を呼びかけるだけでなく、冷静に行動できるよう的確な情報を素早く率直に開示することが欠かせない。」「それを伝える報道のあり方も重要であることは言うまでもない。報道を一歩間違えれば不安を煽ったり、逆に油断を招くことになりかねない」

確かに「社説」の通りである。真相を隠そうとすればするほど、対応が遅れるし、誤る。かと思えば枝野官房長官が発言する「安心です。安全です」にどれほどの信頼がおけるのか多くの人が疑問符を打つところである。福島原発の初期は範囲3キロで、それが10キロ、続いて20キロ、最後には30キロ。安心・安全の範囲が拡大している。

 反原発運動に関わり、核燃料輸送車の追跡などもしてきた経験から、電力会社は真相を隠し、数値を改ざんし、徹頭徹尾「うそつき」です。夜中から朝方に行われる輸送とはいえ、沿線に何万〜何十万人が住んでいる。事故が起きれば「被爆」することになるのに、その人たちに一切知らせることなく行われている。また、微量とはいえ輸送車からは放射線が出ている。一部では「放射能アレルギー」と揶揄する人もいるが、放射能放射線は目に見えないだけに、原発に賛成している人にも反対している人にも「公平」に被害を及ぼすのだ。


 この電力を湯水のように使う「日本」も自分自身も反省しなければならない。しかし、電気を生み出す手段を一時的(安全が完全に担保されるのが条件)に原子力に頼らざるをえないことも現実である。新エネルギーに期待もしたいが、問題点・課題点が多々あり、短期の実施は難しい。


 故に、個人的には、太陽光発電(全戸の屋根にソーラー発電を設置)、風力・水力・地熱発電を強化し、これ以上の新規原子力発電所は建設しない。特に、廃炉の処理には莫大な費用がかかることをしらしていない現状からも、いわゆる究極の「箱モノ」である。また、原発核融合という危険な装置で、たんにヤカンで水を沸騰させて、その蒸気でタービンを回すことで発電機を回して発電する。ものすごく簡単に言えば、蒸気機関車の燃料をが石炭か「ウラン」かの違いです。違うのは、石炭を窯に放り込まなければSLは動かないだけが、原発は停止させるのが大変難しいということである。

 食物や空気中に含まれる放射性物質を体内に取り込み、それから発せられる放射線を体内で受けることを内部被曝または体内被曝という。一方、体外に存在する放射性物質X線発生装置などから放射線を受けることを外部被曝または体外被曝という。外部(体外)被曝は放射線を受けているときに限られるが、内部(体内)被曝は放射性物質が体内にある限り続く。

 ウィキペディアによると『放射線源を体の内部に取り込んだ場合の被曝を外部被曝に対して内部被曝という。放射線源を体内に取り込む経路には以下のようなものがある。(1)放射性物質を口から取り込む(汚染された飲食物を摂取するなど)、(2)放射性物質が皮膚の傷口から血管に入る、(3)放射性物質エアロゾルまたは気体を肺で吸い込む、

 したがって、閉じていない傷のある者は放射性物質の取り扱いを避けるべきである。また、放射性のエアロゾルまたは気体のある雰囲気中ではそれを除去できるフィルターを有した呼吸保護具等を装備しなければならない。放射性物質が皮膚表面に付着しただけでは内部被曝とはならないが、手を汚染した場合は、その後の飲食、喫煙または化粧などによって汚染を体内に取り込む可能性が高い。したがって、放射性物質を取り扱う区域内では飲食、喫煙または化粧を行ってはならず、また取り扱いを中断・終了するときは必ず手に汚染がないことを放射線測定器で確認しなければならない。

 内部汚染を起こした場合、汚染の除去は外部汚染よりはるかに困難となるので、より長期間被曝することになる。体内に取り込まれた放射性物質がどのように振舞うかは、その元素の種類と化学形により様々である。例えば、ヨウ素甲状腺に集まる性質があり、ストロンチウムは骨中のカルシウムと置き換わって体内に蓄積することが知られている』

 いま政府やメディアに出てくる学者や専門家は、外部被爆のことだけを指して盛んに安全・安心を喧伝(けんでん:盛んに言いはやして世間に広く知らせること)しているが、内部被爆の話はほとんどしない。関西的に言うなら「そんなに安全ならスタジオでお前がホウレン草を食べてみたらいいやん」である。ホンマ安全でレントゲン何回分しかないというなら、福島原発の正門前で8時間だけでいいから自身がモニタリングしてみたらと言いたい。そんな学者は一人もいない自分は安全なところにいて、家の人には汚染された食物は食べるなと注意しているに違いないのだ。


 今日のブログを書くための資料探しで、「原発がどんなものか知ってほしい
http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html をみつけた。
 資料的には1996年頃と古いが、今の福島原発事故が偶然的ではないことも語られている。筆者の平井憲一さんが1997年にご逝去されたので改編されていないのが残念です。