今輝く 野々すみ花さん


 宙組宝塚大劇場公演グラン・ステージ『TRAFALGAR(トラファルガー)』−ネルソン、その愛と奇跡− グランド・ショー『ファンキー・サンシャイン』プログラムより。

         

 毎回観劇して思うのですが、素顔が断然美しい娘役が舞台映えする?からと変な化粧顔にするのはどうかと。上記写真の野々すみ花(のの・すみか)さんを見ていただければわかるように抜群の美人。それに加えて演技もダンスもすぐれている(芝居根性wもある)。最近、娘役トップスターが輝かない気がするので、彼女には頑張ってほしい。 

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 野々すみ花(のの・すみか)さん京都府出身。2005年『エンター・ザレビュー』で初舞台。同年、花組に配属。『落陽のパレルモ』(2005年11月04日(金)〜12月13日(火)宝塚大劇場 2006年1月2日(月)〜2月12日(日)東京宝塚劇場 併演は「ASIAN WINDS!」)で主人公の幼年時代役(ヴィットリオ:注)に抜擢され、注目を集める。

 2006年(6月23日(金)〜8月7日(月)宝塚大劇場 8月25日(金)〜10月1日(日)東京宝塚劇場)『ファントム』でも主人公の幼年期(幼いエリック)を好演。

 2007年(2月9日(金)〜3月19日(月)宝塚大劇場 4月6日(金)〜5月13日(日)東京宝塚劇場)『明智小五郎の事件簿一黒蜥蜴』(併演は「TUXEDO JAZZ(タキシード ジャズ)」)では物語の鍵を握る早苗を演じ、新人らしからぬ演技力と舞台度胸を客席に印象付けた。同新人公演(2月27日(火)宝塚大劇場 4月17日(火)東京宝塚劇場)ではヒロインの黒トカゲ(本役は桜乃彩音(さくらの・あやね)さん)を妖艶に演じた。
 宝塚歌劇支局=黒トカゲの野々さんは、研2(4月から研3)とは思えぬしっかりした演技で、実力を出し切った。幕開きのクラブの場面の貫禄は見事だし、上野公園で変装した明智(朝夏(あさか)まなと)を相手に、自身の過去を語る場面の初々しさ、さらに後半の明智との対決と、見せ場をいずれもそつなくこなしたのは特筆に価しよう。 

 2007年(06月16日(土)〜06月25日(月)宝塚バウホール 2008年3月14日(金)〜3月20日(木)東京特別公演(日本青年館大ホール))『舞姫一MAlHIME一』で初ヒロイン。薄幸の踊り子エリス・ワイゲルト(主人豊太郎の恋人)を可憐に演じて高い評価を得る。
 2007年(10月16日(火)宝塚大劇場 11月27日(火)東京宝塚劇場)『アデュー・マルセイユ』新人公演では婦人参政権運動を指揮するヒロインのマリアンヌを繊細に演じた。
 宝塚歌劇支局=相手役のマリアンヌ(本役・桜乃彩音さん)に扮したのは野々すみ花さん。朝夏さんとのコンビは前回以来2度目。途中に「舞姫」のヒロインというヒットもあり、すっかり落ち着いた演技で、芯のある歌唱も含めて著しい成長ぶりだった。 

 2008年(10月3日(金)〜10月15日(水)シアター・ドラマシティ 10月20日(月)〜10月27日(月)日本青年館大ホール)『銀ちゃんの恋』ではヒロイン小夏を演じる。揺れ動く女心を情感豊かに表現し、好評を得た。

 2009年(1月20日(火)宝塚大劇場 2月26日(木)東京宝塚劇場)『大王四神記』新人公演ではキハ役(本役は桜乃彩音さん)でヒロインを務め、神秘的で凛とした舞台姿を披露した。
 宝塚歌劇支局=キハを演じた野々すみ花さんは、本公演やバウ公演、さらに最近では「銀ちゃんの恋」などヒロイン経験も豊富で、舞台の空気を読む落ち着いた演技で2人を引っ張った。特にヤン王(扇めぐむさん)自害の見せ場は、表情、演技にも工夫がみられ、なかなか見事だった。
 
 2009年(5月8日(金)〜5月19日(火)宝塚バウホール 05月26日(火)〜06月01日(月)日本青年館大ホール) 『オグリ!〜小栗判官物語より〜』では夫小栗判官に献身的な愛を注ぐ清廉な照手姫を熱演する。

 観劇した日記 5月10日 と 11日 の記事

 2009年6月、宙組に組替え。2009年(8月3日(月)〜8月25日(火)博多座)『大江山花伝』−燃えつきてこそ−、『Apasionado(アパショナード)!! II』より、大空祐飛(おおぞら・ゆうひ)さんの相手役となる。『大江山花伝』では茨木童子を一途に想い続ける藤子(藤の葉)を、清らかな中にも強い芯を持った女性として創り上げ、観客の涙を誘った。

 

ヅカ★ナビより=中本千晶氏 博多座で公演中の宙組新トップお披露目公演「大江山花伝」を観て、思わず「タカラヅカの新トップコンビとは?」について書きたくなった。それほど、新トップコンビの二人が「お似合い」だったということである。
 各組の頂点にトップスターが君臨し、固定の相手役として、娘役トップが寄り添う。このトップコンビが、さまざまな恋愛模様を見せていくのがタカラヅカのお芝居の基本だ。
 したがって、新トップスターが誕生するとき、相手役たる娘役トップに誰が選ばれるのかは、ファンにとっても大きな関心の的だ。
 お披露目公演を見守る観客は、いわば、新郎新婦の入場を待つ招待客のようなもの。「どんなカップル?」「花嫁はどんな人?」…この夏の博多座でもまた、多くのファンが「大空祐飛野々すみ花」の新トップコンビを固唾を飲んで見守ったのである。

  

 宙組の新トップ、大空祐飛さんはそのクールさが持ち味といわれる男役だ。いや、単に「クール」という一言では言い尽くせない独特のニヒルさ、厭世観…その「影」が観客を魅了する。それがまた、演出家の立場からすればさまざまなドラマ妄想をかきたてるのではないだろうか。
 「大江山花伝」の茨木童子は、そんな大空のハマリ役だ。「歌劇」誌によると、演出の柴田侑宏氏も「再演するなら大空祐飛とタイミングが合えば」とずっと思っていたのだという。都を脅かす鬼、酒呑童子(十輝いりす)を父に、人間の女性を母に持つ茨木童子は、人間にも鬼にもなれない。自らに内在する「鬼」の部分を憎み続けなければならないという哀しい宿命を背負っている。
 その茨木童子と幼い頃に愛を誓い合った姫、藤子を演じるのが、新トップ娘役となった野々すみ花だ。小柄で可憐な娘役だが、芝居がクライマックスに達したときに爆発的なパワーを発揮する、それが彼女の持ち味ではないかと思う。
 ヒロインの藤子という女性もまた、その内にはかなりの異常さを秘めている。だいたい、お互いの腕に焼き印を押して愛を誓い合うというところからして普通じゃない。しかも、もとは深窓のお姫様であったのが、火事によって両親も身分もすべてを失い、顔に醜い火傷の痕まで負ってしまう。そして、生き別れとなった茨木を訪ねてさまよい、今では渡辺綱の屋敷の下女となっている。
 お芝居の結末、茨木童子を追い詰める都の武将、渡辺綱(北翔海莉)らに向かって、藤子はただ一人、短刀を手にして叫ぶ。「私の茨木に近づかないで!」と。
 深いコンプレックスを負った二人の、互いが互いを求める心。藤子の叫びから、観客は、二人の絆が純愛という甘い言葉ではとても表現しきれないものであることを悟り、おののく。それは、常人には決して近寄ることができないほどに激しく、暗く、強い絆である。

 こうして、野々すみ花さんの「秘めたるパワー」が大空祐飛さんの「影」を受け止めたとき、このコンビは他に類をみない強烈な魅力を発揮するのではないか。それが、「大江山花伝」を観ての発見だ。
 このコンビ、ホームグラウンドである宝塚大劇場でのお披露目作品は、映画でも有名な「カサブランカ」と決まっている(2009年11月)。つぎはどんなスパークをみせてくれるのか、楽しみだ。

 2009年(11月11月13日(金)〜12月11日(金)宝塚大劇場 2010年01月03日(日)〜02月07日(日)東京宝塚劇場) 『カサブランカ』では、反ナチス運動指導者(蘭寿(らんじゅ)とむさん)の妻でありながらも、かっての恋人リック(大空祐飛さん)に再び想いを寄せるイルザを演じる。二人の男性の間で揺れ動く女性の心を的確な役創りで見事に描いた。 動画は こちら
    


 2010年(3月9日(火)〜3月21日(日)シアター・ドラマシティ 3月26日(金)〜4月2日(金)日本青年館大ホール 『シャングリラ−水之城−』では、主人公と共にシャングリラを目指す旅芸人一座の踊り子美雨(みう)を、キレの良いダンスと細やかな演技で表現し、新たな一面を見せた。 動画は こちら

 

□サンスポ=宙組でのトップデビューは昨年8月の福岡・博多座公演(「大江山花伝」ほか)で、宝塚大劇場のお披露目公演は11月の1本立て大作「カサブランカ」。どちらも野々さんの演技力が光り好評だった。
 「何よりも大空さんとご一緒だったことが心強くて。博多のときは勢いだけで全力疾走した感じで楽しかった。でも『カサブランカ』では大作と役の重さに、自分で自分にプレッシャーをかけて堅くしていたように思います。東京公演も含めて2カ月余りをベストな状態に保つのは大変なこと。初心を忘れず、心を解放して役や作品に取り組むよう心がけたい」と本人は謙虚に受け止めている。

 「シャングリラ」は核戦争後の荒廃したアジアのある国を舞台に、愛と友情を描く近未来ファンタジー野々すみ花さんの役は旅芸人一座の踊り子、美雨で、記憶を失った男、空(大空)とともに、幻の都シャングリラを探す…。
 「水がテーマになっていて、ラブロマンスもアクションもありますが、小柳先生の想像される未来はかなりシビアです。飾りっ気がなく、ありのままに生きて、人のためにすべてをかけられる美雨の魅力を作りあげたい」と抱負を述べた。

 

2010年(5月21日(金)〜6月21日(月)宝塚大劇場 7月9日(金)〜8月08日(日)東京宝塚劇場) 宙組グラン・ステージ『TRAFALGAR(トラファルガー)』−ネルソン、その愛と奇跡−作・演出/齋藤吉正氏 併演はグランド・ショー『ファンキー・サンシャイン』作・演出/石田昌也氏  動画は こちら 

 イギリスの国民的英雄ホレイショ・ネルソン海軍提督の半生を描いたミュージカル。18世紀半ば、「海を制するものは世界を制す」の言葉通り、フランス、スペインといった大国が制海権を掌握していた頃。ホレイショ・ネルソンは軍人である伯父の影響を受けイギリス海軍に入隊し、頭角を現していく。愛国心と野望に溢れ、数々の武勲をあげ艦長にまで昇格したネルソンは、彼の支援者の娘フランシス・ニズベッドと結婚する。そんな時、ネルソンは、在ナポリ英国大使ウィリアム・ハミルトン卿のパーティで、彼の妻エミリィ・ハミルトン(通称エマ)と出会う。妻子との関係に亀裂が生じ始めていたネルソンと、金で買われた結婚に嫌気がさしていた美貌のエマ。二人は逢瀬を重ね、共に惹かれあうようになる。そのスキャンダルが周知のものとなっていくのに時間はかからなかった。ウィリアムのネルソンへの信頼と友情は、怒りと嫉妬心へと変わり、ネルソンは次々と危険な戦地への派遣を命じられることになる。やがて、小国イギリスの命運を担い出撃するネルソンの行く手には、宿敵フランスの軍神、ナポレオン・ボナパルトが立ち塞がる……。

 エマを演じた野々すみ花さんは

 エマは、生きることイコール愛という程、ただシンプルに愛を求めた情熱的な人だと感じます。愛した人には常に全てを棒げて生きてきた彼女は、複雑な経緯で結婚したウィリアムにも、初めは愛を注いでいたのではないでしょうか。けれども上手くいかずにすれ違い、今は情だけが残っている…。そういった生活の中でも、元来、行動力があり、天真爛漫で勝ち気なエマは、自分にも嘘を付き、周りに対して明るく、道化師のように振舞つていきます。そんな時に出会つたホレイショに、エマは求め続けていたぬくもりを感じます。彼女にとって、ホレイショと共に過ごす時間は、開放感に溢れ、道化師から離れて本来の自分に戻れる時だったのだと。二人が同じものを求め、デュエットの歌詞にもあるように、忘れかけていたぬくもりを感じ合ったという部分を大切に、ホレイショヘの真実の愛を深く描いていきたいです。ミュージカルナンバーも沢山ありますので、全ての曲にエマの想いをきちんと込めて、スケールを大きく表現していけるように頑張ります。

 太陽にまつわる場面で綴られるショー『ファンキー・サンシャイン』は、
        

お客様にも一体感を持つて楽しんで頂けるのではないかと思つています。「太陽の戦士」は、踊りだけで一つの流れをお見せする難しさを痛感していて…。ダンスもダイナミックですし、展開も速いので、的確にストーリーをお伝え出来るように、尚且つ、自分自身も楽しんで踊りたいですね。頂いた様々な役を丁事に創り、その中に野々すみ花としての色を少しでも加える事を目標に頑張ります。大空さんを中心に、宙組全員の勢い、力を一つに集めて、お客様に夢をお届け出来ればと思っています。観終わった後、皆様が幸せな気持ちで劇場を後にして下されば嬉しいです。

注=この役は「鬼門」かも、野々すみ花さん(11月4日〜11月24日)の休演に伴う、代役(新人公演で同役)のあうら真輝さん(11月25日〜12月6日)も休演し、瞳ゆゆさんが再代役(東京宝塚の新人公演で同役)(12月8日〜12月13日)した。

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