意味不明の読売社説


このままではイスラエルがイランを空爆する可能性も高まる』と書いているが、何故イスラエルが他国を空爆する「権利」があるのだろう?
 そんな権利があるのなら北朝鮮も日本を空爆してもいいってことか?

 なんでもかんでもイスラエルを支持する米国のお先棒を担ぐ提灯記事はやめたらどうだろうか。
 もちろん核兵器の縮小・廃絶は断固として推進しなければならない。イランが核を持つことを絶対に許してはならないのと同じように核兵器(ミサイル)を保持しているイスラエルをなぜ読売新聞は非難しないのか?そのことが意味不明だ。 イランの現代史をみれば、フィリッピンのマルコス政権を援助したように米国は長らく腐敗した独裁政権を支えた。(これは日本でも自民党長期政権をささえた経過をみればわかる)反米になるイランの気持ちも少しわかる。


 また、イラン・イラク戦争ではイランのイスラム革命に介入しようと、米国や欧州、ソ連などはイラクを積極的に支援した。一方、アラブ諸国スンニ派や世俗的な王政・独裁制が多い為、イランのシーア派の革命の輸出を恐れてイラクを支援した。特にクウェートペルシア湾の対岸にイランを臨むことから、積極的にイラクを支援し、資金援助のほか、軍港を提供するなどした。(都合のいい時は米国はフセイン政権を支援していたのだ

 イランとアメリカの関係は単に、イラン=悪でアメリカ=善 というような単純な図式・構図ではないことはわかるだろう。

 それにしても、一応キリスト教の米国(米国コネティカット州ハートフォードのトリニティーカレッジが2008年2月から11月にかけて、米国約5万4000人を対象に宗教に関するアンケート(調査)を英語とスペイン語で行った。この調査の結果、自分はクリスチャンだと答えた人は75%で、1990年の86%に比べて減少する一方で、無宗教と答えた人は90年の8.2%から今回調査ではほぼ倍の15%に増加。自分の葬儀は無宗教で行うだろうとの回答も27%に上った。キリスト教以外の宗教ではモルモン教が1.4%に増加したほか、イスラム教も90年の0.3%から微増し0.6%となった。また民族としてのユダヤ人の米国人口における割合は過去20年間変わっていないものの、ユダヤ教徒の割合は1.2%に減少している。)で圧倒的少数派のユダヤ教徒の国のイスラエルを絶対的に支持するのか日本人のわたしにはわかりません。
 キリスト(もちろん当時はユダヤ教改革派)を殺したユダヤ教指導者の末裔であるイスラエルをなぜ?不思議です。

 パレスチナ・ガザへ救援物資を届けようとした船を襲いトルコ人などを殺戮しても平気な米国。もし、米国の船がイランに襲われたら平気なのでしょうか? ここに米国のダブルスタンダード二重基準)が見え隠れする。 読売新聞も社説では「ガザ」を取り上げていない。

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ウィキペディア=1950年代はじめ首相モサッデグは国民の圧倒的支持を集めて、石油の国有化を断行する(石油国有化運動)が、1953年米英の情報部による周到な計画(アイアス作戦)によって失脚させられ、国有化は失敗に終わった。この事件によってパフラヴィー朝のシャー、モハンマド・レザー・パフラヴィーは権力を集め、特に1970年代後期に、シャーの支配は独裁の色合いを強めた。シャーは米英の強い支持を受けてイラン産業の近代化を推し進める(白色革命)一方で、市民の自由を抑圧した。シャーの独裁的統治は1979年のイラン・イスラーム革命につながり、新たにアーヤトッラー・ホメイニーのもとイスラーム共和国が樹立された。(中略)また打倒したシャーへの支持に対する反感により対外的には反欧米的姿勢を持ち、特に対アメリカ関係では、1979年のアメリカ大使館人質事件、革命の輸出政策、ヒズボッラー(ヒズボラ)、ハマースなどのイスラエルの打倒を目ざす武装組織への支援によって、非常に緊張したものとなった。1980年には隣国イラクの侵攻によってイラン・イラク戦争が勃発、この破壊的な戦争は1988年まで続いた。国政上の改革派と保守派の争いは、選挙を通じて今日まで続くものである。保守派候補マフムード・アフマディーネジャードが勝利した2005年の大統領選挙でもこの点が欧米メディアに注目された。


安保理制裁決議 イランはウラン濃縮をやめよ(6月11日付・読売社説) 

 国連の安全保障理事会が、イランに対する追加制裁決議を、日本などの賛成多数で採択した。

 2年ぶり、通算4度目の制裁決議である。

 イランは、過去の決議を無視したまま、ウラン濃縮活動をやめないどころか、規模を拡大している。「核エネルギーの平和利用」であって軍事目的ではないと強く主張しても、不信感は増幅するばかりだ。

 平和利用を隠れみのに核開発をした北朝鮮のあとをたどるかのようなイランに対して、安保理は、制裁強化でこたえる以外になかった。当然の決定だ。
 新たな決議は、核や弾道ミサイルの開発にかかわる人、モノ、カネへの締め付けを強めている。

 イランとの深いつながりから、これまで制裁強化に消極的だった中国やロシアも支持に回った。その政治的な意味は大きい。イランは真剣に受け止めるべきだ。

 資産凍結の対象に指定された団体は一挙に倍増して75となった。その多くは、イラン国防の中核をなす精鋭部隊「革命防衛隊」傘下の企業や研究所だ。

 イランへのガソリンの輸出禁止など、エネルギー分野の制裁は盛り込まなかった。イラン国民の暮らしを直撃すれば、対外強硬論を招きかねず、逆効果になる、と判断したものとみられる。

 今回、初めてトルコとブラジルが決議案に反対票を投じ、全会一致の採択とはならなかった。

 両国は先月、イランとの協議でイランが保有する低濃縮ウランの大半をトルコに搬出し、見返りに研究炉用の核燃料棒を第三国から受け取る案をまとめていた。決議への反対は外交努力が水泡に帰したことへの不満の表明だろう。

 同様の提案は昨年秋、米欧がもちかけ、イランもいったん同意しながら、その後一転、拒絶して実現しなかった経緯がある。

 イランが核疑惑を払拭(ふっしょく)したいなら、まずウラン濃縮活動を停止する必要がある。

 イランは、濃縮度3〜5%の低濃縮ウランの保有量を増やし続けている。核兵器2発分の高濃縮ウラン生産に十分な量とされる。

 しかもイランは、濃縮度を20%に高めることに成功したという。濃縮度90%以上の核兵器用の高濃縮ウラン生産は時間の問題だ。

 このままではイスラエルがイランを空爆する可能性も高まる。
 日本政府も、かねてイランに濃縮活動の停止を求めてきた。岡田外相が言うとおり、イランは「賢明な決断」をすべき時だ。

(2010年6月11日02時07分 読売新聞)