金本選手連続フルイニング出場がストップ
プロ野球の連続全イニング出場記録を更新し続けていた阪神の金本知憲外野手(42)が18日、今季19試合目となる横浜戦(横浜)で先発を外れ、記録は1492試合で途切れた。
金本選手は8回2死2塁の場で代打で登場し、2塁ゴロに終わるが1638試合連続出場を達成。
4月18日スポーツナビ
阪神・金本知憲選手は4月18日、横浜戦のスターティングメンバーから外れ、連続フルイニング出場記録が途切れた。金本選手は試合後に「勝つための手段で、『僕は外れます』と伝えた」と、記録をストップさせることを直訴したと明かした。「これ以上出てもチームに迷惑がかかる。特にピッチャーに。あのスローイングじゃあ……」と語った金本。右肩を痛めているため、前日の横浜戦で満足な送球ができなかったことを、スターティングメンバーから外れた理由として挙げた。
8回に代打で出場し、連続試合出場記録は伸ばしたが、「悪あがきで、テーピングしてみてとは思ったけど、(テーピングで固めても)ダメだったから」と守備につくのは難しい様子。それでも、「監督やヘッドからは『出よう』と言われた。その気持ちがうれしかった」と首脳陣に感謝し、時折笑顔も見せながら帰りのバスに乗り込んだ。
スポニチより
「鉄人」が築き上げてきた記録が途切れた。18日に横浜市の横浜スタジアムで行われたプロ野球の横浜―阪神5回戦で、阪神の金本知憲外野手(42)が先発メンバーから外れ、1999年7月から続けていたプロ野球記録の連続試合フルイニング出場が1492試合でストップした。
午後1時すぎに阪神の先発メンバーが球場内に発表された。だが、定位置となっていた打順の「4番」、守備位置の「左翼」にも、金本選手の名前がなく、阪神ファンが陣取る三塁、左翼側観客席からどよめきが起きた。
金本選手のレプリカユニホームを着た歯科医師の酒井健之さん(39)は「まさか、という感じ。がっかりだが、勝負の世界だから仕方ない」と記録ストップに驚きを隠せなかった。2日連続で観戦に訪れた会社員の横山治美さん(32)は「チームに迷惑を掛けたくない、という金本選手の意思で決めたと思う。1500試合まではと思っていたが」と残念がった。
金本選手は2点リードの八回2死二塁で、黄色が目立つ左翼席から「金本コール」の大合唱の中、代打で出場。結果は二ゴロだったが、ベンチに引き揚げる際にはファンがこれまでの記録をねぎらうように大きな拍手を送った。
産経
大記録にピリオドが打たれることが決まったのは、メンバー交換のわずか5分前だった。トレーナー室で金本選手が真弓監督に訴えた。「これ以上、チームに迷惑はかけられない。自分の記録は途切れてもいい」。驚きの指揮官は「もう少し頑張ったら」と説得したが、金本選手は翻意しなかった。
本人はもちろん、ベンチにとっても苦渋の決断だった。真弓監督は書き換えたオーダー表を眺めて「これでいいのか」と自問自答したという。指揮官でさえ、これほど心が揺れた。ナインが衝撃を受けないわけはない。
代役で4番を任されたのは新井選手。「ボクもメンバー交換のときに知りました。金本さんが帰ってくるまで、しっかり頑張りたい」。九回無死満塁で、貴重な追加点となる右前適時打を放った。1点を追う八回、逆転3ランを放ったブラゼルは「金本さんは人間として選手としてもすごい人」としんみり話した。
最後は藤川投手が締めて、借金生活突入を回避した。真弓監督は「きょうは選手も勝ちたい、という気持ちがでていたと思う」と振り返った。
試合後、金本選手は経緯を説明した。「悪あがきしてテーピングしても(右肩が痛くて)ダメだった。勝つための手段として、ボクから(先発を)外れると言いました」。ぎりぎりの選択だったはずだが、表情は重圧から開放されてすっきりしているようにもみえた。
連続試合フルイニング出場は途切れたが、八回2死二塁から代打で出場し、歴代2位の連続試合出場は1638試合となった。二ゴロに終わったが、球場は「金本コール」と拍手に包まれた。
ライフワークは途切れた。しかしファンの声援がある限り、できる限りのパフォーマンスは続ける。「鉄人」の看板は決して降ろさない。(三木建次)