鳥取市長選挙分析


 鳥取市議会の定数は36名です。内訳は清和会(保守系)は12名、「こう風」(保守系)は6名、公明党が5名、「市民会議」(保守系)が4名 これで27名 対して「民主・民世会」(民主・社民系)はたったの4名、共産党が3名。市長選の構図でいえば 4対1の比率。地方選挙は特に首庁選挙では利害が複雑に絡むので、政党に対する人気投票的要素は断然低い。これも議員を多く抱えた「地上戦」であり、その意味では保守・公明党の旧政権側が圧倒的に有利である。前回(2006年)は竹内功氏は市谷尚三(共産推薦)に4万1千対1万5千という差で勝っている。今回は4万7千対2万7千と本当は票差は縮小している。

 昨年の衆議院議員選挙では鳥取市では、自民の石破茂さん6万8千対民主の奥田保明さん3万9千と1.74倍もの差があるが、今回の市長選も1.74倍なので、別に地殻変動があったわけでもなく。民主党組織力が足りないだけなのです。

 だから問題は、小沢幹事長が言うとおり、たたかう組織力をどう構築するかである。過半数を制する政党が この日本の進路を 歩めるのであるが、いま国政は掌握しているが、地方は全く自民と保守系の牙城であり、これを破壊しない限り、本当の政権交代にはならないと思う。

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参考記事=日本海新聞2009年09月04日  対抗馬擁立の動き 竹内市長に反発する市議ら

 半年後に迫った鳥取市長選に、現職の竹内功市長(57)が3日、3期目を目指して出馬表明した。対立候補はまだ表面化していないが、地元県議らの名前が取りざたされているほか、竹内市長の市政運営や政治手法に反発する市議らが候補擁立に向けて動いている。合併後2回目の市長選は、周辺部(旧町村)から聞こえてくる不満も背景に波乱含みだ。

 竹内市長の3選出馬表明に、市議会内にもさまざまな思いが交錯する。最大会派「清和会」(12人)の会長でこの日出馬の意思をただした上紙光春議員は「会派内では市長を支持する議員が多い。会派として推薦したい思いはある」と前向きに受け止める。

 自民党系市議らが所属する会派「こう風」(6人)は前回市長選で竹内市長を支援したが、松本信光会長は「市長の考えを聞き、他会派の動きを見ながら支持するかどうか検討したい」と慎重な構えだ。

 前回市長選で竹内市長を推薦した公明党県本部は、今回はまだ態度を明確にしていない。

 一方、民主、社民党系の議員らが所属する会派「民主・民世会」(4人)は対立候補の擁立を検討している。同会派の寺垣健二議員は「現場主義ではない。あれこれと手を付けるけど、文書だけで終わってしまうケースが多い」と竹内市長の政治手法を厳しく批判。共産党県委員会も候補を擁立する方針。

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朝日新聞100413より

 現職の竹内功氏が3選された2010年4月11日の鳥取市長選。新顔で元朝日新聞記者の砂場隆浩氏は及ばなかった。二大政党の自民と民主がそれぞれ推す候補の一騎打ちに、夏の参院選の前哨戦としても注目された。朝日新聞が実施した投票日の出口調査などを踏まえた選挙分析をお伝えする。(中田和宏、下地毅、宋潤敏)

◆「広く市民支持 自公支援勝因」竹内氏

 3選が決まった11日夜、鳥取市本町1丁目にある竹内氏の事務所には、投票終了前から支持者が続々と詰めかけた。中には自民党石破茂政調会長や市議らの姿も。
 午後9時過ぎ、竹内氏が事務所へ。喜びに沸く人々から握手を求められ、笑顔で「バンザイ」を繰り返した。
 花束を受け取った竹内氏は「広く市民各層の支持をいただき、自民、公明の力強い支援をいただいたのが大きな勝因」とお礼を述べた。さらに「これからの鳥取市の新たな飛躍をこの4年間で手がけたい。内を固めて外に打って出る。現状を打破して地域経済を上向かせ、若い人が定住できる町にしていく。地域のまちづくりが花開いていく鳥取市を実現したい」と語った。


◆「マニフェスト周知されず」砂場氏

 敗れた砂場氏は11日午後9時21分、鳥取市東町3丁目の事務所へ。支持者に「立候補を決断して半年間、みなさんのご協力に感謝したい。私の力不足です」と頭を下げた。
 敗因として、「マニフェストを作るのに一生懸命で、それを市民に知ってもらえなかった」ことをあげた。報道陣から知名度不足について問われると、「名前が売れている、売れていないで市民は判断していない」と語気を強めた。竹内氏には、2千人の雇用創出といった政策を実現して欲しいと注文した。
 参院選の前哨戦とも報じられた。民主党湯原俊二衆院議員は砂場氏の事務所で「国政と市長選は線を引いて考えるべきだ」と、参院選への影響はないとの考えを示した。


◆民主、参院選前に重い宿題

 竹内氏は前回の市長選同様に、自民、公明両党から推薦を受けて立候補した。砂場氏は民主、社民両党の推薦に加え、独自候補の擁立を見送った共産党の支持も取り付け、「反現職」の候補一本化に成功した。夏の参院選を前に、二大政党が直接角を合わせる構図となった。

 出口調査によると、竹内氏は自民、公明支持層の約9割を固めたほか、民主支持層の約3割も取り込んだ。これに対し、砂場氏は推薦を受けた民主支持層の約7割にとどまり、頼みの無党派層も竹内氏と分け合った。「反現職」の受け皿になりきれなかったことがうかがえる。

 鳥取は昨年の衆院小選挙区でも自民が議席を独占。竹内氏は、地元選出の石破茂自民党政調会長の後援会組織から全面支援を受けたほか、農業や商工業団体などの支持基盤を固める組織選挙を展開し、着実に票を伸ばした。


 一方、悲願の政権交代を果たした民主は、県東部では組織が脆弱(ぜい・じゃく)。鳥取市を中心とする衆院の県第1区総支部の党員・サポーターは86人(昨年5月末現在)で、市内で計65の地域・職域支部を持つ自民に比べ見劣りする。

 鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長の政治資金を巡る「政治とカネ」、沖縄・普天間基地移転などの難題が山積するなかの市長選だったが、退潮傾向に歯止めがかからなかった。風頼りの選挙が改めて浮き彫りになった形で、民主は参院選を前に重い宿題を背負ったといえそうだ。

 出口調査では、何を一番重視して投票したかも聞いた。結果は「経済・雇用政策」(40%)、「候補者の人柄や実績」(24%)、「子育て支援少子化対策」(18%)、「支援する政党や団体」(9%)の順。公約の面でも、「4年間で2千人以上の雇用をつくる」と強調した竹内氏が、子育て政策を打ち出した砂場氏より、民意をうまくすくい取ったようだ。

 調査は11日、市内30カ所の投票所で実施し、有効回答をしたのは1447人だった。(宋潤敏)

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