宝塚 『虞美人』の歴史
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1951年(昭和26年)8月に初演された。宝塚歌劇団にとって、初の一本立て(二幕)作品。3ヶ月連続のロングランを続け、実に30万人もの観客を動員し、宝塚史上有数のヒット作となった。
1950年(昭和25年)から翌年にかけ、相次いでスターが退団したが、この「虞美人」を契機に宝塚ブームが起こり、危機を脱した。観客動員数はその後の再演と合わせて、345回公演で93万9100人を動員した。
1951年星組・初演
宝塚歌劇団史上初の一本立てミュージカルで、舞台上に本物の馬が登場、項羽・劉邦などのメインキャストが実際に乗馬し演技するという奇抜な演出も話題となった。初演は1951年8月1日〜30日に星組が宝塚大劇場で上演。
項羽=春日野八千代(かすがの・やちよ)さん(現 宝塚歌劇団名誉理事) 虞姫 南悠子(みなみ・ゆうこ)さん(第28期生 1941〜1971) 劉邦=神代錦(かみよ・にしき)さん(第18期生 1926〜1989 歌劇団在籍のまま逝去)
1951年月組・花組
あまりの好評に続演が決定。続く9月1日〜30日の月組公演、さらに10月2日〜30日の花組公演と3ヶ月のロングランを達成。
1955年星組
アメリカ軍に接収されていた東京宝塚劇場の記念すべき再開場第一作となった。星組が4月16日〜5月25日に上演。
1974年星組・花組合同
宝塚歌劇60周年の記念公演として、星組・花組合同で二公演連続して宝塚大劇場で上演。
第60期生(磯野千尋さん、大浦みずきさん、剣幸さん、遥くららさんなど)の初舞台公演
3月23日〜4月25日は星組メイン。この公演時のみ、祝舞『清く正しく美しく』が併演された。
項羽=鳳蘭(おおとり・らん)さん 虞姫=大原(おおはら)ますみさん 劉邦=麻月鞠緒(あさづき・まりお 第48期生 1962〜1994年、在団中に逝去)さん/但馬久美(たじま・くみ)さん
4月26日〜5月23日は花組メイン。
項羽=安奈淳(あんな・じゅん)さん 虞姫=松(まつ)あきらさん 劉邦=瀬戸内美八(せとうち・みや)さん
東京公演も、合同公演で連続して東京宝塚劇場で上演。
6月2日〜30日は星組メイン。祝舞『清く正しく美しく』が併演された。主な配役は大劇場と同じ。
7月5日〜28日は花組メイン。ショー『ゴールデン宝塚60』が併演された。主な配役は大劇場と同じ。