里谷多英さんを見なおしました よくやった!


 女子モーグルも予選が大事だと思った。スケートのフィギュアのように「席次点」がほぼ決まっているような競技とおなじように、ターン(50%)の点は予選上位者に行く方向にある中で、予選13位からのスタートとなった里谷多英選手が勝負をかけた。第2エアーまでは、鬼気迫るターンで抜群のスピードで、本当にメダルを獲りにいってました(この気迫が大事です)。五輪じゃないが 日本サッカーの「やる気の無さ」風に見えるのが悲しいです。

バンクーバー時事】13日、当地のサイプレスマウンテンで行われたバンクーバー五輪フリースタイルスキーの女子モーグルで、里谷多英選手(フジテレビ)が5度目の五輪に挑んだ。結果は20人中19位。「ちゃんとした滑りを見てもらいたかった」と涙を流した。


 冬季五輪の日本女子では最多タイの5大会連続出場。日本女子モーグル界に大きな足跡を残した競技生活の、すべてをぶつけたが、第2エア(空中技)でバランスを崩し、背中から落下した。33歳。進退は「考えていないです」と明言しなかったが、思い残すことは、と問われて「うん、はい…。ないです」。思いを断ち切るように話した。


 12年前の長野五輪で金、2002年ソルトレークシティー五輪も銅。だが、トリノ五輪前年の05年には酒に酔って暴れるトラブルを起こした。相次ぐけがや離婚で、心がささくれ立っていた。

 トリノで敗れ、08年に高校時代から指導を受けてきた北海道東海大学スキー部の相原博之監督を訪ね、引退の意思を伝えた。監督は「だまされたと思ってあと2年やれ」と説得。直後の全日本選手権で12年ぶりの復活優勝を遂げ、バンクーバーへの道が開けた。

 「ここまでいろいろな人に支えてもらった。申し訳ない」。声を詰まらせる里谷選手に、その努力を知る関係者や各国コーチ陣から、ねぎらいの言葉が次々と飛んだ。(2010/02/14-20:14)

参考
 男子モーグルで、得点を構成する3要素のうち、滑走時間を得点化するタイム点(7・5点満点)の全得点に占める割合が以前に比べて高かった。競技の高速化を如実に示す結果だ。

 歴代金メダリストの数字を比べると、1998年長野大会は26・93点でタイム点が5・31点。得点の20%を切っていた。2002年ソルトレークシティー大会は約23%で前回トリノ大会は約22%。今大会は26・75点だったビロドーのタイム点は満点に迫る7・21点。実に約27%にもなった。

 モーグルの得点配分はターンが50%で、エアとタイム点が25%ずつだが、今回はその割合を上回った。国際スキー連盟は得点化の基準となるペースセットタイムをたびたび見直してタイム点を抑制しようとしてきた。しかし、選手の進化は想定以上で、好成績には速く滑ることが不可欠な時代となった。(共同)