インタビュー「白羽ゆりさん」

朝日新聞(インタビュー・中本千晶氏、撮影・岩村美佳氏)

 宝塚時代、華やかで気品ある娘役トップスターとして、「ベルサイユのばら」のマリー・アントワネットや「エリザベート」の皇后エリザベートなどの大役を演じてきた白羽ゆりさん。その白羽が、卒業後の初舞台として、ミュージカル「シェルブールの雨傘」のヒロインに挑戦する(12月5日〜28日 日生劇場)。白羽さんにインタビューし、初舞台にかける思いなどを聞いた。

 映画でカトリーヌ・ドヌーヴが演じた主人公ジュヌヴィエーヴについては、「彼女の演技から感じる、有無をいわせないような強さ、ストレートさを大切にしたいです」。また、甘く美しい歌声に定評のある、ミュージカル界のプリンス、井上芳雄との共演については、「ずっと舞台を客席から拝見して、素敵だなと思っていた方と、お稽古場で間近に接することができるなんて、本当にありがたいこと。たくさん学ばせていただきたいし、うんと努力して、とにかくいい舞台にしたいという気持ちがとても強いです」と、意気込みを示した。

  


 また、インタビューでは、「宝塚は、組のチームワークで、ひとつの作品に向かっていくエネルギーの強さが一番の魅力。もちろん厳しい面はたくさんあったけれど、娘役が大好きで、常に自分が何をやりたいかを見失わないようにやってきたつもりです」と、宝塚時代のこと、トップ娘役として心がけてきたことなどを率直に話してくれた。

 宝塚のトップ娘役という存在についても、「女性としての理想を演じていきたいという思いがありました」。そして、「常にキレイな原石のようでありたいということでしょうか。自分で努力をして磨くだけではダメで、誰かが磨いて、ビーズをつけてくれて…つまり、そこには絶対に仲間が必要ですし、お客さまが必要ですし、スタッフさんも必要なんです」と語った。

 今は女性の生き方やライフスタイルにとても興味があるという白羽は、自身のブログでも自身が毎日感じたことを発信し続けている。そんな彼女が、宝塚時代の経験を生かして、どんなヒロイン像を創り上げていくのか、とても興味深い一作になりそうだ。