宝塚歌劇95周年記念、「歌劇」通巻1000号記念スペシャル「百年への道」

 どうしても観劇したかったけれど異常なネットの価格に全然手が出ませんでした。


宝塚歌劇支局090620」より引用。

 5組のトップスターはじめOGも多数勢揃いして宝塚歌劇95周年記念、「歌劇」通巻1000号記念スペシャル「百年への道」(三木章雄構成、演出)が、6月15日、宝塚大劇場で開かれた。

 東京でサヨナラ公演中の宙組トップスターコンビ、大和悠河(やまと・ゆうが)さん陽月華(ひづき・はな)さんも日帰りでかけつけ、久々に5組トップが勢揃いする1回きりのスペシャルイベントとあって、チケットは大変なプラチナになったようだが、とにかく場内は立ち見も含めて超満員、スペシャルにふさわしい熱気にあふれた。

 第一部は「歌劇百年の歩み」と題して「歌劇」創刊の1918年からの主題歌メドレー。まずは真飛聖(まとぶ・せい)さん、瀬奈じゅん(せな・じゅん)さん、水夏希(みず・なつき)さん、柚希礼音(ゆずき・れおん)さん、大和さんの5人が登場して「レインボー宝塚」を歌い継いでオープニング。

 続いて「花詩集メドレー」となりソロのトップバッターを雪組新娘役トップスターの愛原実花(あいはら・みか)さんが務めた。夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さん、桜乃彩音(さくらの・あやね)さん、陽月華さんと続いたあと「おお宝塚」を音月桂(おとづき・けい)さんと月組娘役陣が、壮一帆(そう・かずほ)さんが「パリゼット」を、彩吹真央(あやぶき・まお)さんと月組男役陣で「ローズ・パリ」、霧矢大夢(きりや・ひろむ)さんで「ブーケダムール」、大空祐飛(おおぞら・ゆうひ)さんで「すみれの花咲く頃」そして轟悠(とどろき・ゆう)さんを中心に全員で「モン・パリ」といった具合。

 一気に歌い継いだ後ここで轟さんを中心にトップ5人のトークコーナー。歌劇の表紙を飾った自分たちの写真をみながら当時の思い出を語るという趣向で、昔の写真をみてそれぞれ「はずかしい」の連発となった。

 戦後のコーナーのトップは壮さん、音月さんの「ブギウギ・パリ」から始まり、彩吹さんの「南の哀愁」霧矢さんの「夜霧のモンマルトル」大空さんの「赤いけしの花」と続いた。

 トップコンビはミュージカルコーナーに登場。柚希さん、夢咲さんは「オクラホマ!」水さん、愛原さんは「回転木馬」大和さん、陽月さんは「雨に唄えば」といった具合。最後に瀬奈さんが「ME AND MY GIRL」の「街灯によりかかって」を歌った後、7月に挑戦する真飛さんと桜乃さんが登場。瀬奈さんから帽子さばきを伝授してもらい「ミー&マイガール」をデュエットするというしゃれた趣向も。

 続いて「ベルサイユのばら」のコーナーに移り、ゲストの 初風諄(はつかぜ・じゅん 1961年入団 1967年〜1970年星組娘役トップスター 1970年〜1976年月組娘役トップスター 1974年=マリー・アントワネット役)さん
  榛名由梨(はるな・ゆり 1963年入団 1973年〜1975年月組トップスター 1975年〜1976年花組トップスター 1976年〜1982年月組トップスター 1982年〜1988年専科 1975年=アンドレ役)さん、  鳳蘭(おおとり・らん 1964年入団 1970年〜1979年星組トップスター 1976年=フェルゼン役)さん、 汀夏子(みぎわ・なつこ 1964年首席入団 1972年〜1980年雪組トップスター 1975年=オスカル役)さん、 がそれぞれ持ち歌を歌った。

 スペシャルゲストは宝塚の至宝、春日野八千代(かすがの・やちよ)さん。初風さんの司会で始まったトークは春日野さんの軽妙な受け答えで会場は一気になごんだ。「歌劇」の表紙を飾った春日野さんに初風さんが「白薔薇の君といわれてらっしゃんたんでしょう」と水を向けると「いまはバラバラだけど」と受けて会場を沸かせ「ダルレークの恋」のタバコを手に持ったかっこいい写真の解説で「何しろ17歳の時から飲んでいたんだもの」と爆弾宣言。初風さんをどぎまぎさせる一幕も。しかし「百年を前に今の生徒へのアドバイスを」の問いには「何より品格、お行儀の良さ、そして舞台での謙虚さ」と宝塚の生徒としての指針をきっちり述べて、会場から割れんばかりの拍手を浴びた。1929年(昭和4年)初舞台というから今年で宝塚生活80年、宝塚の歴史とともに歩んできた春日野さんだけに、この言葉の持つ意味は計り知れないぐらい重い。そして高齢とは思えない当意即妙のトークでこの日のすべてのパフォーマンスをさらってしまった。

 一部はこのあと大和さん、陽月さんのトークのあと轟さんはじめ現役出演者全員で「宝塚我が心の故郷」の(「ベルサイユのばら2001バージョン)」を再現して締め括った。

 休憩をはさんで始まった第2部は「95周年、そして百年へ」をテーマに、初風さんの司会でまずはゲストコーナーから。剣幸さんが「川霧の橋」真琴つばさ(まこと・つばさ)さんが「愛のソナタ姿月あさと(しづき・あさと)さんが「エクスカリバー湖月わたる(こづき・わたる)さんが「王家に捧ぐ歌」を歌い、姿月さん、湖月さん、朝海ひかる(あさみ・ひかる)さんが宙組誕生の秘話を話すコーナーも。姿月さんの「私たちにも組の名前が知らされておらず、発表された時は”宙”がよく分からず”虎”に聞こえた」と話して大爆笑に包まれた。

 その後、麻実れい(あさみ・れい)さんからのビデオレターが紹介され紫苑ゆう(しおん・ゆう)さんも久々に舞台に登場するなどスペシャルならではの顔合わせも。

 クライマックスは宝塚名曲集と題して轟さんが「雨の凱旋門」ほか、柚希さんが「ハロー!タカラヅカ」真飛さんが「望郷の琵琶歌」水さんが「愛の宝石」瀬奈さんが「タカラジェンヌに栄光あれ」を歌い、グランドフィナーレは出演者全員でパレード「すみれの花咲く頃」を歌って華やかに幕を閉じた。