ファンのためチームのため選手自身のため 大改革を


 南球団社長が虎を叱咤「情けない」 6月16日デイリースポーツ 

 5連敗で借金9に低迷する阪神球団のトップに立つ2人が6月15日、チームへの熱い思いを口にした。南信男球団社長(54)は「情けない。プロとしてファンに応える責任を認識して戦ってほしい」と厳しい言葉で叱咤(しった)。坂井信也オーナー(61)は低迷の原因をチーム編成の甘さと指摘し、編成部の体制見直しにまで言及した。
  
 チームの惨状に、球団トップとして南球団社長「情けないよね。“ホームランを打て”とかじゃなく、凡ミスや気力、集中力に欠けるプレーが目立つ。当たり前のことができるよう徹底しないといけない。ホームもビジターも、これだけのお客さんが入って応援してもらってる。プロとしてそれに応える責務、義務がある。それを認識して戦ってほしい」 球団事務所で取材に対応すると、早口でまくし立てた。 5連敗中、繰り返されたミス。守備でエラー、攻撃でバントミス、そして走塁ミス。特に失策は昨年は144試合でチーム失策数が62だったのに対して今季は56試合時点で早くも38個と急増している。  チーム状態が上向かない中、1点もやれない、なんとか得点しなければいけない、という思いが焦りとなってミスを誘発してきた。だが、プロとして、まして多くの阪神ファンに支えられているタイガースとしては、どんなにプレッシャーの掛かる場面、状況であってもプロらしいプレーを見せることは最低限の責任であると指摘した。 
 
 もちろんこの低迷が現場だけの責任ではないという認識も持っている。 「もっと緊張感を持ってやらないと。なんとかなるという意識ではいけない。現場に言うからには私を筆頭にフロントも襟を正してやらなければならない」と自身も含めて、編成部などのチームスタッフに対しても警鐘を鳴らした。 
 2001年以来の借金10は絶対に避けなければならない。今季初の6連敗阻止のためにいま一度、原点に戻り『1球に集中せよ』の言葉を投げかけた。真弓監督も「重たい中で勝っていくしかない」と話す。試練の時を迎えた真弓阪神。球団トップのゲキに、そしてファンの声援にどう応えられるか。

交流戦阪神4−3日本ハム、3回戦、1勝1敗1分、6月16日、京セラD大阪)
 23勝31敗3分 借金8



 祝連敗脱出!! ブラゼルの特大弾に、新井の勝ち越し弾。JAFがピタリと決まった快勝に、駆けつけたファン2万1310人は大満足だった。
 堺市の津田光弘さん(57)=会社員=は「ブラゼルに尽きる!! いいもん見せてもらった〜」と救世主の推定140メートル驚弾に舌をまいた。

 「藤川がよかった。安定感が戻ってきたね。またジェフ? 大丈夫か?と思ったけど、JAF復活で万歳です」とは、河内長野市の林田省吾さん(38)=会社員。「抑えがいいとやっぱりしまるね」と久々に虎がみせた完ぺき継投リレーに満足げな表情を浮かべて、球場を去った。

 観衆は2万1310人と、今季京セラドームで主催した試合で最も少なかったが、鮮やかな逆転勝ちにファンは満足げ。近畿地方は梅雨の真っ直中だが、京セラドームは晴れ模様。虎党は一足早い梅雨明けを実感していた。


交流戦 2009/06/16(火)

▼阪 神−日本ハム 3回戦 (1勝1敗1分、京セラD大阪、18:00、21310人)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
日本ハム 2 0 0 0 1 0 0 0 0       3
阪  神  0 1 3 0 0 0 0 0 X       4

【投手】
(日)武田勝、宮本、林−大野
(神)久保、渡辺、ウィリアムス、アッチソン、藤川−狩野

【責任投手】
(勝)久保11試合2勝4敗
(S)藤川16試合1勝3敗6S

(敗)武田勝9試合3勝4敗

本塁打
(日)稲葉9号2ラン(1回、久保)
(神)ブラゼル5号ソロ(2回、武田勝)、新井9号2ラン(3回、武田勝【戦評】
 阪神が連敗を5で止めた。1−2の三回に関本の二塁打で追い付き、新井の9号2ランで勝ち越した。久保は5回3失点。六回からは継投で逃げ切った。藤川が6セーブ目。日本ハム武田勝が2本塁打を浴び、三回で降板した。