最近、退団する生徒さんが多いと感じる


宝塚ファン」ガイド 桜木星子さんの記事は元生徒さんでなければ語れない「秘話」がいっぱいです。この『退団者の紋付袴』なんて知らないことだらけでした。一部補足。

2009年5月18日、大和悠河(やまと・ゆうが)さん、陽月華(ひづき・はな)さんらが、宝塚大劇場を去りました。 退団者の挨拶の際、タニちゃん(大和悠河さんの愛称)が着たのは、黒紋付に緑の袴ではなく黒燕尾。過去にも、白燕尾や黒燕尾で階段を降りたトップスターさんはいるので、そんなに驚くほどのことではありませんが、黒燕尾に真紅の薔薇を抱えたタニちゃんの姿はとても美しく、退団のセレモニーではなく、芝居のワンシーンを見ているように華やかでした。

退団者が着る黒紋付と緑の袴。これは、宝塚音楽学校に入学した際に購入し、すみれ売り(写真と文)で初めて着たもの。その後、卒業式や拝賀式、色々な行事で着たもの。つまり自前。襦袢、腰紐、足袋、草履……全部、自前。この日ばかりは衣装部さんが着せて下さいます。本公演が、またサヨナラショーのある場合はそれが終わってから着るわけですが、とても違和感を感じたのを覚えています。舞台化粧をばっちり、体も塗って、思いっきり汗をかいた後にコレを着ることってないから。 「ドーランで汚したらどーしよう…」「特に首の辺り…」なんて気を使ってしまいます。 でもそんな心配は「草履を脱がずに階段を降りれるか?」にすぐ移行するので、 どーでもよくなってしまうのですけどね。  挨拶が終わり幕が降り、楽屋に戻って全部脱ぎます。 「楽屋出は? 黒紋付に緑の袴着ているでしょ?」  いえいえ。一旦全部脱ぐ。  しっかりと化粧を落とし、お風呂にもささっと入る。(最後の楽屋風呂!) 体も落とし、髪を洗う人もいる。  で、普通の化粧をし、衣装部さんにまた着せてもらい、組子や同期が「ばんざ〜い!」と送ってくれる中、楽屋出。  そんなわけで、一日に二度着ます。 そして、着るのはこれが最後……。