2007F1の観客109人が富士スピードウェイを提訴

 朝日新聞より引用。

 トヨタ自動車グループの富士スピードウェイFSW静岡県小山町)で昨秋開かれたF1日本グランプリ(GP)を巡り、運営上のトラブルで苦痛を受けたなどとして、観客109人が16日午後、FSWを相手取り、チケット代の全額返還や慰謝料など総額約3200万円の損害賠償を求める集団訴訟東京地裁に起こした。

 有名なスポーツイベントを巡り、運営上の不備があったとして訴訟に発展するのは極めて異例だ。

 原告団は昨年9月28〜30日、FSWで開催されたF1日本GPの観戦に訪れた109人。神奈川県在住の40代の男性会社員が発起人となって被害者の会を設立した。

 訴状によると、レース期間中のFSWへの交通手段は、指定の駅や駐車場と会場の間でFSWが運行するシャトルバスに限定されていたが、レース決勝があった30日を中心に会場の周辺で大渋滞が発生した。

 原告らは「雨の降る寒いなか、野外で長時間バスを待たされた」「十分な数のトイレや売店、救護室などの設備の用意もなく、観客の誘導すら十分に行わなかった」などと主張。「劣悪な環境で精神的苦痛を受けた」として、1人あたり20万円の慰謝料など総額約3200万円の損害賠償をFSWに請求した。

 FSWは、F1に参戦したトヨタが00年に買収した。ホンダ系の鈴鹿サーキット三重県)で開かれてきたF1日本GPを奪還し、30年ぶりにFSWで開催された経緯がある。FSWは「訴状を確認したうえで弁護士と相談し適切な対応をしたい」(広報担当者)としている。