オランダ撃破まで、まもなく アズーリ発進せよ

 イタリアは本領を発揮するまで時間を要することで有名だが、UEFA EURO 2008(TM)予選も例外ではなかった。最初の2試合で獲得できたのは、わずか勝ち点1。しかし、ロベルト・ドナドーニ監督の考えは徐々に浸透し、結局は難しいグループで首位通過を果たした。ドイツで戴冠した世界王者は、欧州一の称号も手に入れるべく自信をみなぎらせて本大会に臨む。

新フォーメーション
 FIFAワールドカップ決勝でフランスを破ってからわずか2カ月、アズーリはパリでの予選初戦を1-3で落とし、リトアニアとも1-1で引き分けるにとどまった。マルチェロ・リッピ前監督を引き継いだドナドーニ監督にとっては、苦難のスタートとなった。しかし、チームはこのとき生まれ変わりつつあった。4-3-3のフォーメーションに適応し始め、それが予選の終わりまでに実を結んだ。代表を引退したアレッサンドロ・ネスタフランチェスコ・トッティを除き、ワールドカップ優勝メンバーの多くが残っているが、その役割は微妙に変わっている。

守護神ブッフォン
 不動の守護神はジャンルイジ・ブッフォン。最終ラインは、ファビオ・カンナバーロが負傷したため、アンドレア・バルザリがマルコ・マテラッツィとCBコンビのコンビを務める。しかし、ユベントスで好調なシーズンを送ったジョルジョ・キエリーニが起用される可能性も否定できない。クリスティアン・パヌッチは右SBだけでなく、CBの控えを務める。左SBにはジャンルカ・ザンブロッタがいるが、ファビオ・グロッソがワールドカップの時のような調子を取り戻せるとすれば右サイドへ移ることもできる。

ミラン色の強い中盤
 リッピ監督の下では万年控え選手だったマッシモ・アンブロジーニは株を上げ、アンドレア・ピルロジェンナーロ・ガットゥーゾとともにミラン一色の中盤を構成することも多い。しかし、ダニエレ・デ・ロッシシモーネ・ペッロッタASローマで活躍しており、マウロ・カモラネージというオプションもある。若手ではリカルド・モントリボとアルベルト・アクイラーニの台頭が著しい。

前線には新顔
 カモラネージが右に入ることもある3トップでは、ルカ・トニがセンターでけん引役を務める。左サイドで開花したのはアントニオ・ディ・ナターレ。攻撃陣では、予想外の招集になったアレッサンドロ・デル・ピエロとアントニオ・カッサーノも出場を狙う。