宝塚歌劇宙組の娘役トップスタ−に 陽月 華さん  

 宝塚歌劇団は2006年11月30日、宙(そら)組の次期娘役トップスターに陽月華(ひづき・はな)さんが内定したと発表した。陽月さんは2007年1月16日付で現在所属する星組から組替えする。娘役トップスターとしての初舞台は、2007年3月の大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演「A/L(アール)−怪盗ルパンの青春」。

毎日新聞 2006年11月30日より引用。

 
 2007年3月15日(木)〜3月27日(火) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ宙組公演 la comedie musicale 『A/L(アール)』−怪盗ルパンの青春− 作・演出/齋藤吉正氏。

 モーリス・ルブラン著「怪盗紳士」をもとに、文学界が生んだヒーローの一人、アルセーヌ・ルパンの生い立ちから怪盗へと至るまでを描いた冒険活劇。明るく躍動感に溢れ、クラシックな雰囲気が漂うミュージカル作品。
 19世紀末。パリ郊外の城館では、その日も、スーピーズ伯爵夫妻主催の夜会が華やかに催されていた。そこでは彼らの友人が賑やかに集っていた。伯爵夫人が登場すると、客たちの目はその胸元に釘付けとなった。ダイヤモンドが輝く「王妃のネックレス」。マリー・アントワネットの首を飾った伝説のネックレスである。伯爵家の親戚にあたる貴族ローアン枢機卿から譲り受けたという。
 夜会の翌朝、伯爵夫人はネックレスが盗まれたことに気付く。一人息子のラウルと共に城館に身を寄せていた女中のアンリエットが容疑者として浮上するが、結局、事件は迷宮入りする。容疑をかけられたアンリエットとラウルはパリを離れ、それ以来二人の消息を知る者はなかった。

 それから10年。ソルボンヌ大学創立以来の秀才と謳われる青年が、街の話題をさらっていた。その男の名はラウル・バラン(大和悠河さん)。アンリエットの息子ラウル、その人であった。事件後間もなく母親は他界。ラウルは乳母のヴィクトワール(美風舞良さん)と再会し、彼女の援助で教育を受けた。
 ヴィクトワールは作家で、彼女が書いた「怪盗紳士」はベストセラーとなり、その主人公であるアルセーヌ・ルパンは国民的人気を誇っていた。ラウルにはヴィクトワールにも言えない秘密があった。彼の引き出しにはあの首飾りがあった。10年前の窃盗犯はラウルだったのである。何故彼は盗みを働いたか……。彼の実の父はローアン枢機卿(十輝いりすさん)であった。正妻でないアンリエット(光あけみさん)のために、ローアンは首飾りを手渡し、スーピーズ伯爵(夏大海さん)に母子を託しこの世を去った。しかし二人を待っていたのは、宝石に目がくらんだ伯爵夫妻(夏大海さん・鈴奈沙也さん)の欲望であった。ラウルの心には、伯爵夫妻への拭いきれない遺恨があった。すべてを察していたアンリエットは「王妃の首飾りはスーピーズ奥様のもの……必ずお返しするのです」という言葉を残して息を引き取る。ラウルはその言葉がずっと気にかかっていた。
 
 そんなある日、事件は起こった。「怪盗紳士」の発売禁止。スーピーズ伯爵の仕業だった。ヴィクトワールとアンリエット、ラウル親子の関係を知った伯爵は、未だ首飾りの犯人をアンリエットと信じ込んでおり、盗みを犯す主人公が人々に賞賛されることが許せなかったのだ。この出来事が、ラウルに伯爵夫妻への復讐心を目覚めさせた。「怪盗紳士」を奪い返すため、ラウルはスーピーズ家に挑戦状を送る。「伯爵の宝物アニエス嬢(陽月華さん)を頂きに参上仕る。怪盗アルセーヌ・ルパン」。ラウルは「怪盗紳士」の主人公アルセーヌ・ルパンとなり、伯爵夫妻に立ち向かうのだった……。

 

陽月華さんはアニエス・ド・スーピーズ役。  A/L(アール) / ラウル・バラン=大和悠河さん。

 アンリエット= 光あけみさん。 ドクトル・ゴッズ=寿つかささん。  スーピーズ伯爵夫人=鈴奈沙也さん。  ガニマール刑事=初嶺麿代さん。  ヴィクトワール・ル・ブラン=美風舞良さん。  ルイ・アントワーヌ・レオン=悠未ひろさん。  スーピーズ伯爵=夏大海さん。  シャーロック・ホームズ=北翔海莉さん。  ローアン枢機卿=十輝いりすさん。  アンリエット(過去)=鮎瀬美都さん。  エヴァ・ローレン=和音美桜さん。  ドニス・カンデラ早霧せいなさん。  ミミ・ガーター=華凜もゆるさん。   ラウル(少年)=美牧冴京さん。  ジョー・ワトソン=春風弥里さん。   ミレディ・サンクレール=花露すみかさん。  バジル・モルガン=麻音颯斗さん。  ペリーヌ・フルー=妃宮さくらさん。  ジャコ刑事=七海ひろきさん。  ピエール・カルバン=雅桜歌さん。  ジニー・パパン=萌野りりあさん。  コレット・プティ=琴羽桜子さん。  アニエス(幼少)=千鈴まゆさん。  ジル・イスマエル=颯舞音桜さん。  ジゼル・ミクー=百千糸さん。