オスプレイ 着陸失敗 炎上死者

 乗組員の方にはお悔やみ申し上げます。

海兵隊新型輸送機オスプレイMV22が17日、米ハワイ州オアフ島で訓練中に着陸に失敗し、乗組員1人が死亡し、21人が病院に搬送された。米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)にも24機配備されたものと同機種で、安全性などをめぐって議論が再燃するのは必至だ。


 米海兵隊によると、MV22が現地時間17日午前11時40分(日本時間18日午前6時40分)ごろ、ハワイ・オアフ島にあるベローズ空軍基地でMV22オスプレイが着陸に失敗し、炎上した。MV22には計22人の海兵隊員が搭乗していたが、1人が死亡、残りが病院に運ばれ、手当てなどを受けているという。


 着陸に失敗したMV22は、海兵隊第15遠征部隊(司令部・カリフォルニア州)所属で、5月10日に同州サンディエゴを出発し、米太平洋軍や中央軍に7カ月派遣される予定で、ハワイで訓練を実施していたという。


 事故原因について、海兵隊では調査中としている。


 海兵隊仕様のMV22は、すでに米軍普天間飛行場に24機配備されており、陸上自衛隊も同機種のオスプレイを2018年までに米側から計17機購入することを決め、佐賀空港への配備を検討している。このほか、米国防総省は今月11日、米空軍仕様で特殊部隊などの輸送に使用するオスプレイCV22を計10機、横田基地(東京都福生市など)に配備すると発表している。


 オスプレイは垂直離着陸ができ、航続距離も長いことから、米軍では旧型の輸送機やヘリなどを順次オスプレイに交代させている。


 ただ、オスプレイは当初から安全性を疑問視する声もあり、沖縄などで配備に根強い反対があった。今回の事故を受け、その安全性をめぐって改めて議論と検証が求められるのは避けられず、配備計画にも影響する可能性がある。(ワシントン=佐藤武嗣)

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 〈オスプレイ〉 米軍の新型輸送機。海兵隊仕様のMV22と空軍仕様のCV22がある。プロペラの向きを変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸や、飛行機のような高速飛行ができる。離着陸のために長い滑走路が必要なく、高速飛行もできるというヘリと飛行機の利点を併せ持つ。航続距離は3900キロで、日本からフィリピンなど外国にも飛んでいける。


 海兵隊仕様のMV22は米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)に24機配備されているほか、陸上自衛隊も導入を決めている。横田基地にも米空軍がCV22の配備を予定している。オスプレイは開発段階などで事故が相次ぎ、沖縄など地元では配備に反対する声が強い。