韓国メディアが 謝罪相次ぐ 韓国旅客船沈没事故


朝日新聞

 韓国南西部・珍島(チンド)付近で起きた旅客船の沈没事故をめぐり、不適切な報道を謝罪する韓国メディアが相次いでいる。背景には安否不明者の家族らが募らせる怒りと、社会に広がったメディア不信がある。


 KBS(韓国放送公社)は20日、「記者が接触した家族の大部分はインタビューのお願いに応じず、一部は敵対感を隠さなかった」と伝えた。不信は深い。


 テレビ局JTBCは事故当日の16日、救助された女子高校生にインタビューし、友人の死について知っているかと質問した。突然知らされた形の高校生が泣き出す場面が放映され、不適切だと非難が集中。局の看板アンカーが番組で「どんな弁明もない。深く謝罪する」と頭を下げた。

 17日付の1面に謝罪記事を掲載したのは夕刊紙・文化日報。「高校生全員救助」といった報道内容について、当局側の発表などを土台にしたが「結果的に事実と違う報道になり、読者と事故の関係者に混乱と心配をもたらした」とした。(たしか朝日新聞も“高校生全員救助”と伝えていた。)


 「海洋警察が民間潜水士の救助作業を阻んでいる」「民間潜水士が生存者を確認したと聞いた」。テレビ局MBNは18日の生放送で、民間潜水士だという女性がこう話す様子を放映。混乱をもたらしたなどとして報道局長が謝罪に追い込まれた。聯合ニュースによると、この女性は逮捕された。

 政府の事故対策本部は18日、「確認されていない事実が報道され、被害者の家族の苦痛が増すケースが発生している」と、慎重な報道を求める要請を出した。


 沈没現場に近い珍島の彭木港では、悲しむ姿を報道関係者に追いかけられた安否不明者の家族らが、怒りを爆発させる姿が何度も見られた。家族が待機するテント周辺ではカメラが向けられるたびに「撮るな」という怒声が飛ぶ。それでも去らないカメラマンを手を振り上げて威嚇したり、突き飛ばしたりする人もいた。


 家族らをスマホで撮影していた記者は、家族の1人にスマホを取り上げられ、クレジットカードなどが入ったケースごと海に放り投げられた。(ソウル=金順姫、珍島=佐々木亮

 どこの国のマスコミも同じ種類の記者がいるもんだ。