有言実行の人

 国内最大規模の都市型市民マラソン第3回大阪マラソン」(大阪府大阪市、大阪陸上競技協会主催、読売新聞社共催)が27日開催され、3万人を超えるランナーが、秋の深まる大阪市内を走り抜けた。

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 体内の様々な細胞に変化できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発し、2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大教授山中伸弥さん(51)は第1回大会以来、2年ぶりに出場。4時間16分38秒と、前回の4時間29分53秒を上回るタイムで完走し、「自分なりのペースを守り、いいマラソンができた」と振り返った。


 マラソンの愛好家として知られ、昨年の第2回大会も出場する予定だったが、「ノーベル賞が決まった後、十分な練習時間が取れなくなった」と断念した。状況は今もあまり変わらないものの、「目標を持って走りたい」と今春、第3回大会への出場を決意。仕事の合間を縫って京都市の鴨川沿いなどを月間100キロ・メートル以上走り、この日に備えた。


 今夏、中学で所属していた柔道部の恩師が死去。沿道には、恩師の妻や当時の仲間が応援に駆けつけた。「後半はかなりばてたが、先生が背中を押してくれた」と話す。


 市民の応援も力になったという。「今回、ゼッケンに名前が入ったためか、たくさんの声援をいただいた。本当に素晴らしい大会でした」と笑顔を見せた。

(2013年10月28日09時50分 読売新聞)