Wシリーズ 初の出来事で 上原敗戦

サンスポ

 ガッツポーズをしかけた上原浩治投手(コントロール抜群の直球と数種類のフォークでレッドソックスン不動のクローザー)の表情が一転、マウンドと本塁の間で茫然(ぼうぜん)と立ち尽くした。レッドソックスは九回、ウィル・ミドルブルックス三塁手(25)の走塁妨害でサヨナラ負け。上原は納得できないという表情で三塁ベンチへ引き揚げた。走塁妨害での決着は、109回目を迎えたワールドシリーズで初めてだった。


 「何かすっきりしない。走者が当たりにいっているようにも見えるし、(三塁手が)邪魔しているようにも見える」

 
 4−4の九回一死一塁で登板。「完全に失投」という初球の甘い直球を代打のアレン・クレイグ内野手(29)に左翼線へ運ばれ、二、三塁のピンチを招いた。


 問題のプレーは直後に起きた。次打者の二ゴロで三走が本塁で憤死。捕手は三塁へ送球したが、二走のクレイグと、送球を倒れ込みながら捕ろうとして腹ばいになったミドルブルックスが交錯した。クレイグをつまずかせる形になったことが走塁妨害と判定され、ジョン・ハーシュベック責任審判員(59)は試合後の会見で「(つまずかせたのが)意図的か否かは問題ではない」と説明した。


 第1戦は一回に判定が覆り、レ軍に試合の流れが大きく傾いた。「審判に左右されるようなシリーズにはなってほしくない。どう言っても(判定が)覆ることはないから切り替えるしかない」と上原。すっきりするためにも、第4戦で初セーブを挙げたい。