あまちゃん いつまでも

 『潮騒のメモリーズ 〜第2章〜』


スポニチより

 NHK連続テレビ小説あまちゃん」のロケ地となった岩手県久慈市では28日、市民らがさまざまな思いで最終回を見守った。感極まって、涙を流す女性の姿もあった。


 東日本大震災で被災した同市。ドラマが復興に取り組む人たちを取り上げたことに「復興の後押しになった。ありがとう」の声も聞かれた。


 久慈市の「道の駅くじやませ土風館」で開かれたパブリックビューイング「最終回をみんなで見る会」には市民ら100人以上が詰めかけた。スクリーンの映像を見守って笑い合い、番組が終わると全員で拍手。番組開始前に山内隆文久慈市長が「寂しい。(番組は)みんなに勇気を与えてくれた」とあいさつした。


 同市の農業神田フジエさん(75)は「震災に負けない久慈の姿を描いてくれてうれしかった。寂しくて胸が痛い。続編が見たい」とハンカチで目頭を押さえた。茨城県ひたちなか市から来た会社員大内研二さん(41)は「最後も笑わせてもらった。家に帰って家族で語り合います」と話した。


 ロケ地の一つ、久慈市小袖海岸で50年以上、海女を続ける大下典さん(72)は今夏、あまちゃんを見てから海に出て、ウニの素潜り漁を実演する日々だった。「あっという間に終わっちゃった。素潜りをする元気になっていたのに」と残念がった。拠点の海女センターは津波で全壊し、現在は仮設で活動中だ。


 震災で被災し、ドラマの「北三陸鉄道」のモデルになった三陸鉄道赤沼喜典旅客サービス課長は自宅で最終回を見てから出社。「ドラマは三鉄職員の元気の源になった。(来春予定の)全線再開に向けて背中を押してもらった」と話した。


 久慈市以外でも感謝の声が。職場が被災した岩手県陸前高田市の会社員、菅野恵美子さん(64)は「夢や希望を与えてもらった。ありがとう」と喜んだ。