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ここに注目! 「小沢新党結成、どうなる消費増税法案」2012年07月11日 (水)

安達 宜正 解説委員

 国会ではきょうから、参議院で消費税率引き上げ法案の審議が始まります。一方、民主党に離党届けを提出した小沢元代表はきょう新党を結成、法案に反対していく方針です。安達宜正解説委員です。
(アナ)参議院での法案審議の見通しは

(安達)参議院でも民主・自民・公明の3会派で議席の8割を占めていますから、法案が成立するのは間違いない情勢です。ただ、波乱の要素もあります。
 
(アナ)それは何ですか

(安達)不信任決議案です。小沢さん周辺には参議院での審議の行方によっては、野田内閣に対する不信任決議案を提出すべきだという声があります。自民党なども野党である以上、簡単には信任できません。ただ、提出にはハードルもあります。決議案の提出には51以上の議員が必要です。小沢新党と統一会派を組む・新党きずなでは数が足りません。そこで、連携を模索しているのが社民党です。

(アナ)社民党はどうですか?

(安達)確かに、政治とカネの問題で、小沢さんとの連携に躊躇する意見はあるにはありますが、反増税脱原発など政策面で共通するものも多く、何より、野田政権の退陣を求めることでは一致しています。最終的には福島党首の判断になりますが、私は同調する可能性はあると思います。


(アナ)自民党から決議案が出てくる可能性はありませんか?

(安達)ありうると思いますが、その場合は、法案成立後です。谷垣さん、野田政権への協力は、消費増税法案の成立までとしています。法案成立後、赤字国債発行法案の審議もにらみながら、不信任決議案や参議院での問責決議案を提出して、今国会で解散に追い込む戦略を描いています。そこで、焦点となるのは鳩山元首相の動向です。鳩山さん民主党を離党していませんが、増税反対の姿勢を変えていません。鳩山さんに加え、民主党から15人が賛成すれば可決されることになります。
 
(アナ)また、政局が混乱するという心配が聞こえそうですが?

(安達)それはそうかもしれません。しかし、すべての法律は国会の議決で決められます。賛成派が法案を通そうとするのと同じように、反対派がルールに基づいた手段を駆使して、抵抗するのは、ある意味で当然のことです。消費増税法案成立、そして今国会の会期末・9月はじめまでには、政局はまだ一山も二山もあるように思います。