勝利も 微妙な感覚 阪神

 私は勝負事は、勝利してナンボ と思っている。その意味では昨日の西武戦は 勝てたのだから良いのだが、むろん関本選手の巧妙な立ち位置も勝因だが、こんなことをせずとも8回裏に新井選手が1死満塁で外野フライを打ち上げておけばすんなりと試合は決まっていたのだけれどね。


ディリースポーツより引用

交流戦阪神3-2西武」(27日、甲子園)

 これがホンマの必死のパッチや!阪神は同点の九回1死満塁で関本賢太郎内野手(33)が押し出し死球でガッツポーズ。25日・ソフトバンク戦で右膝に自打球を当てた金本が先発出場を回避。厳しい条件の中、チーム一丸でつかんだ3連勝で5割復帰。3位浮上。関本は「カバーに当たったからね。向こうの方が痛かったんちゃう?」。イキなコメントにもシビレた〜。

 こん身のガッツポーズだった。同点の九回1死満塁。ここで代打・関本が魅せた。代わったばかりのウィリアムスの2球目が左肘をかすった。判定は死球。思わず太い右腕を突き出した。

 「こういう形もあるんだなと身に染みました。打席では必死のパッチでやるだけなんで」

 ベースに近づいて立っていたとはいえ、過去5度のサヨナラ打経験を持つ仕事人でさえ驚きを隠せない、サヨナラ押し出し死球。ナインもベンチも必死のパッチでつかんだ3連勝と勝率5割だ。

 ここ数年では最大のどよめきでスタートした一戦だった。試合前のスタメン発表で「4番レフト、マートン」に続き「5番ライト、桧山」がアナウンスされると、マンモスが揺れた。25日のソフトバンク戦で、自打球を右膝に当てた金本がスタメンを外れたのだ。

 負傷翌日、26日の同戦では4番DHで出場し2二塁打を放ったが、守備に就かねばならないこの日の試合前は、歩くのでさえ苦痛の表情。守備練習を見た和田監督は「本人も真っすぐは走れるけど横の動きはちょっとしんどい、と。多少のことなら行く選手だけど、それを上回るような状態だった」と、金本ベンチを決断した。

 その代役は、代打の神様だった。「やっぱり『4番・金本』というものの代わりをできるのは桧山しかいない」と指揮官。守備に就く形でのスタメンは4年ぶりというベテランに託したのだ。

 4番不在に、チーム全体が燃えた。その先頭に和田監督が立った。1‐2の五回無死一塁、送りバントを決めた藤井彰が捕手への守備妨害と判定されるとベンチを飛び出し、4分間、激しい口調で球審に詰め寄った。

 2‐2の八回無死一塁では鳥谷にバントを命じ、1死満塁の好機では新井に直接、声を掛けた。まさに必死のパッチ。それが最後の最後、押し出し死球で結実した。

 関本は「汗もかいてません」とバットも振らない殊勲を謙そんしたが、和田監督は「選球眼もいい打者で四球もあるかもしれないという中で。うまい当たり方でした」とたたえた。同時に「チームに粘りが出てきた。すんなり勝たせてはもらえないが、勢いや粘りが徐々に出つつある」。上昇への確かな手応えを得た勝利だ。(2012年5月28日)

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