採録 「ロミオとジュリエット」製作発表記者会見


 文・さかせがわ猫丸さん宝塚星組公演ミュージカル「ロミオとジュリエット」の製作発表記者会見が、6月8日、(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて行われました。2001年、フランスでミュージカル化され、全世界で500万人を動員したあの名作が、日本へやってきます(梅田芸術劇場7月10日〜26日、博多座8月2日〜24日)。トップスターになって丸1年、いよいよ輝きを増す柚希礼音(ゆずき・れおん)さん率いる星組が、宝塚版として生まれ変わるこの名作に挑戦します。製作発表で語られた、彼女たちの熱い意気込みをご紹介しましょう。

ロミオとジュリエット」といえば誰もが知る、ウィリアム・シェイクスピアが描いた永遠の純愛物語です。これまでテレビや映画、バレエにオペラとさまざまな形で演じられ、長きに渡って世界中の人々に愛されてきました。なんとあの「ウエスト・サイド物語」も、この作品を現代アメリカ版にアレンジしたものだそうです。 そして2001年、作詞家であり作曲家、そして演出家でもあるジェラール・プレスギュルヴィック氏によりフランスでミュージカル化され、詩的な音楽とスペクタクルかつ現代的な演出で絶賛を博しました。以来、スイス、ベルギー、カナダ、イギリス、ロシア、ハンガリーオーストリア、韓国など世界各地で上演され、全世界で500万人以上の動員を誇っています。初演から10年、世界を魅了したミュージカル版「ロミオとジュリエット」が、ついに日本へ初上陸します。

 物語は、イタリアのヴェローナ。キャピュレット家とモンタギュー家の争いが続く中、両家の若きロミオとジュリエットは恋に落ちた。ジュリエットの従兄弟ティボルトによって、互いが対立する両家の相手だと知るが、2人の愛は深く、ロレンス修道僧のもと、結婚を誓う。そんな矢先、友人の争いに巻き込まれたロミオは、親友マーキューシオを殺害した敵であるティボルトを殺してしまった。このことでロミオは追放され、ジュリエットとも別れを余儀なくされてしまう――。

 今回の製作発表はシアター・ドラマシティの舞台上で行われ、客席には報道陣の他に梅田芸術劇場の会員の中から抽選で選ばれた200名のファンが見守ります。
 星組組長・英真なおき(えま・なおき)さんの司会で、まずはプロモーション映像が上映されました。フランス版ミュージカルの迫力あるダイジェストに加え、現地で観劇後、出演者たちと対面する柚希さん、夢咲(ゆめさき)ねねさん、凰稀(おうき)かなめさんの様子も映し出されます。長身で華やかな3人は、本場の役者と並んでも全く見劣りがしません。さらに、宝塚で過去に上演された「ロミオとジュリエット」(1979年4月21日(土)〜5月6日(日)月組宝塚バウホール公演・大地真央(だいち・まお)さん主演、1990年4月21日(土)〜5月6日(日)月組宝塚バウホール公演・天海祐希(あまみ・ゆうき)さん主演、1999年6月19日(土)〜7月4日(日)花組宝塚バウホール公演「ロミオとジュリエット'99」・水夏希(みず・なつき)さん主演(ジュリエットは彩乃(あやの)かなみさん)の映像も紹介され、これでウォーミングアップもバッチリです。

 そして、3人が歌を披露。幻想的な照明の中、ポスターでお目にかかった実際の衣装を身につけた柚希さんが登場します。石っぽい質感に見えるブルーの上下はロックテイストをにおわせつつ、胸元フリルのブラウスがロマンチックという、なんとも斬新なデザイン。長めのブロンドも、硬派なイメージの柚希さんにはなんだか新鮮です。そんな柚希さんがしっとりと歌い上げる中、ゆっくりと夢咲さんが登場。シンプルな全身赤いドレスに、首元をいくつもの細い紐がちょうちょ結びのようにほどこされているのがとてもキュートです。柚希さんの衣装にもところどころ紐がデザインされていて、これが小池先生いわく「2人をつなぐイメージ」なんだそう。2人がデュエットする曲は「いつか」。その後、柚希さんのソロで「僕は怖い」。伸びやかな歌声で聴かせてくれます。続いてジュリエットの従兄弟・ティボルト役の凰稀さんが「ティボルト」を歌いますが、黒のきついウェーブロングにさらにロックテイストの濃い全身赤のスリム衣装がよく似合う。凰稀さん、本当にビジュアル系です。そして再び柚希さんと夢咲さんが2人で「エメ(Aimer)愛」を歌い締めますが、初めて聴いても明らかに「いい歌」尽くしで、ドラマチックなムードに引き込まれてしまい、これだけで1つの作品を堪能したような気分にさせてもらえました。

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 参考は フリー百科事典「ウィキペディア」より。