イングランドは決勝トーナメントをめざそう

 第1次リーグ突破がかかる23日のスロベニア戦を前に、イングランド主将スティーブン・ジェラードは自らのプライドをかけて決戦に臨むことを誓った。「私たちは最後まで戦うためにここにやってきた

 2戦2分け。勝ち点2で1次リーグC組3位に沈むイングランド。23日、勝ち点4でC組1位のスロベニアとの対戦に臨む。負ければ1次リーグ敗退。引き分けでも、もう一つのカード、米国−アルジェリア戦の結果次第となり、進出を確実にするためには勝利が絶対条件となる。。

 試合前日、報道陣の前に姿を現した「Skipper(キャプテン)」ジェラードは力強い言葉で、決意を語った。「誇りをかけて戦う。スロベニア戦の快勝は選手たちに自信をつけさせる。最初から首尾よく、そしてコンパクトに、ゴールを奪うために、体をはって前に出る

 チームは、前主将ジョン・テリーの監督批判で空中分解寸前、メディアは「フランス革命」と揶揄され、1次リーグで南アを去ったフランス代表と比較しながら、「イングランドも危機」と伝えてきた。

 しかし、テリーは英大衆紙デイリー・ミラーに対し、カペロ監督に対し、「謝罪する」と語った。「監督や選手たちを動揺させるつもりはなかったんだ。記者会見では正直でいようと思い、聞かれたことに対して行き過ぎた発言をしてしまったのかもしれない。この騒動とおさらばし、今は勝利にために試合に集中したいんだ

 フランス代表ではドメネク監督と衝突したアネルカが謝罪を拒否したまま南アを去り、選手全員の練習ボイコットにまで発展。力を出すことなく1次リーグで敗退した。イングランドはその轍を踏まないため、必死になっている。

 ジェラードは「すべての不安を振り払う時が来たと」と話し、続けて「アルジェリア戦(0−0)の後、俺たちは傷ついていた。振り返ると、あの試合で俺たちは力の限り走って相手にプレッシャーをかけられなかった。最前線で体を張らなかった。スロベニア戦で、そんなことがあってはいけない」と語った。

 サポーターの期待を受け、プレッシャーも恐怖感も感じている。勝利がないことがさらにその不安を駆り立てた。しかし、追い込まれたからこそ、勝利への欲求が高まっているという。

 ジェラードは自らに言い聞かせるようにこう言った。

 「最後までピッチに立ち続ける。果敢に挑み、ときにリラックスする必要もある。そして、用心深くプレーしなければならない。そのとき、最高のパフォーマンスがもたらされるんだ