今日のニュース 菅内閣発足 会期延長が焦点に

 NHK 6月9日

 菅総理大臣は6月8日、菅内閣を正式に発足させ、社会から不幸の原因をなくす政治を実現したいと表明しました。これに対して野党側は、国会論戦で、政治とカネの問題や、沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題で政府側を追及したいとしており、会期末が来週に迫るなか、菅政権にとっては、郵政改革法案の取り扱いを含む会期延長問題が当面の焦点となります。

 菅総理大臣は8日、閣僚人事を行い、官房長官に仙谷前国家戦略担当大臣、公務員制度改革担当大臣に民主党の玄葉政策調査会長、行政刷新担当大臣に蓮舫参議院議員を充てたほか、鳩山内閣の11人の閣僚を再任し、8日夜、皇居での親任式と認証式を経て、菅内閣が正式に発足しました。菅総理大臣は8日夕方の記者会見で、「政治の役割は、人々が不幸になる要素を少なくしていく最小不幸の社会を作ることだ。貧困や戦争をなくすことこそ、政治が力を尽くすべきだと考えている」と述べました。そのうえで、菅総理大臣は「財政再建のためにどこまでやらなければならないのか、党派を超えて議論する必要が今ある。そういうことを踏まえながら、最終的な政権としての公約も考えていきたい」と述べ、消費税率の引き上げを含む税制の抜本改革をめぐって、党派を超えた議論を呼びかけたいという考えを明らかにしました。
 また、菅総理大臣は、夏の参議院選挙の勝敗ラインについて、6年前の参議院選挙で民主党が獲得した50議席が1つの目安になるという認識を示しました。これに先立って、菅総理大臣は連立政権を組む国民新党代表の亀井郵政改革・金融担当大臣と会談し、郵政改革法案の速やかな成立を期すことなどをあらためて確認しました。
 
 一方、野党側は、衆参両院の予算委員会など、国会論戦を通じて、政治とカネの問題や、沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題で政府側を追及し、「表紙を変えただけで、本質は変わっていない」などとして、民主党の小沢前幹事長の証人喚問の実現を迫ることにしています。

 国会は、会期末が今月16日に迫るなか、11日に菅総理大臣の所信表明演説が行われ、衆参両院で、これに対する各党の代表質問が行われる見通しです。こうしたなか、民主党内では、国民新党との間で合意した郵政改革法案の成立を図るため、2週間程度の会期の延長が必要だという意見がでる一方、参議院側を中心に会期を延長せず、速やかに参議院選挙を実施すべきだという意見が出ており、菅政権にとっては、郵政改革法案の取り扱いを含む会期延長問題が当面の焦点となります。