ミュージカル『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』


STAR☆FILE 100317より(3)

続いて、報道陣からの質問と回答。演出の小池修一郎氏を中心に、月組版ならではの見どころや、出演者らへの期待などが率直に語られた。

――(小池氏へ)新トップコンビ演じる月組版のみどころは?

小池:まず霧矢の持ち味である豪快な開放感。今日ご覧になった皆さんも感じられたのではないでしょうか。 「実力派エンターテイナー」+「宝塚の男役ならではの気取ったカッコ良さ」というのが霧矢ブレンドで、今まではそのバランスをずっと模索してきたようなところがあったけれど、今回はストーンと出していいんじゃないかと思っています。
 いっぽう相手役の蒼乃は、入団7年目でも十分に人妻を演じられるアダルトな色気を持っている娘役なので、大人の粋なコンビになると思います。タカラヅカらしからぬ「夫婦のすれ違い」のドラマも、すんなりみせてくれるはずです。逆に、ショーヴラン役の2人はまだまだ「青い果実」ですが、そんな2人が成熟した男性役にあえて挑戦するのもタカラヅカの面白さで、若さを押さえた熱演がみどころです。

――主演のお2人はいかがですか?

 霧矢:水を得た魚のように楽しく取り組めています。自分の持ち味を存分に発揮したいし、「微妙な夫婦関係」も蒼乃といっしょに練り上げていきたいです。

     
左から2人目 蒼乃夕妃(あおの・ゆき)さん


 蒼乃:マルグリットは、大人っぽくて情熱的でまっすぐな女性ですが、それをただ内に秘めるのではなく、外に大きく出している人だと思うので、私も大きな舞台で大きく表現していきたいと思っています。

――(ワイルドホーン氏へ)新しいパーシーとマルグリットの印象はいかがですか?

 ワイルドホーン:Beautiful!!(笑) 2人にとって、多くを学び成長する作品になることは間違いありません。音楽と同じだけのオープンさ、素直さ、勇気を持って立ち向かっていけば、それだけのものが返ってくるはずなので、とても楽しみにしています。

――(ショーヴランを演じる2人へ)ショーヴラン役についてどうとらえているか、また、ダブルキャストへの意欲を聞かせてください。

 龍:彼が持っている複雑な信念や執念と、それをつかさどってきた彼の周りの環境について、最近とてもよく考えます。彼自身としっかり向き合って、屈折した美徳を追求したいなと思っています。
       龍真咲(りゅう・まさき)さん


 明日海:以前から黒っぽい役に憧れていたので、とてもうれしかったんですけど、いざ台本を読むと、「悪役」というだけでは片付けられない、マルグリットへの愛や革命への執念など、隠された思いをたくさん感じます。それを繊細に表現していけたら素敵な男性になるのではないかと思います。物理的なお稽古時間は減る分、どちらの役にも愛情を持って丁寧に取り組みたいです。
 明日海(あすみ)りおさん
――(小池氏へ)ダブルキャストの2人への期待は?

 小池:ご覧のとおりの「いずれあやめかかきつばたか」の2人ですが、持っている個性はまったく違います。龍は、本人は「私って繊細」って思ってるかもしれないけど(笑)、じつはしっちゃかめっちゃかで、思ってることがストレートに出るタイプ。「エリザベート」のときから、ファナティック、いわば「ぷっつん」な個性がルキーニ役に合っていると思っていました。
 
 逆に明日海のほうは、クールで引いたようにみえるけども、内に秘めているものは恐ろしいかも(笑)。僕が下級生なら、わかりやすい龍より明日海のほうに気を遣いますね(笑)。こうした違う個性を持つ2人だからこそ、ダブルキャストの意味もあるわけです。今はお互い「目の上のたんこぶ」「目の下のものもらい」などと思ってるかもしれないけど、どんなダメ出しよりも、違うタイプの人と競い合うことが人を伸ばしますから、何年後かには必ず「あの役のおかげで成長できた」と思えるはず。それが明日のタカラヅカをつくるわけですから、このチャンスを生かして、「世界新」とはいかないまでも「自己最高」ぐらいは出して欲しいです。

STAR☆FILE 100317より(2)
STAR☆FILE 100317より(1)

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宝塚歌劇支局091031 明日海りお、見応え十分!月組「ラスト プレイ」新人公演