長谷川等伯展がまもなく開催


 石川県七尾美術館 長谷川等伯とは 


会期平成22(2010)年4月10日(土)〜5月9日(日)会場京都国立博物館 特別展示館

 水墨画の最高傑作とうたわれる国宝「松林図屏風」(東京国立博物館蔵)→http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=B07&processId=02&colid=A10471 や金碧画の至宝と称えられる国宝「楓図壁貼付」(智積院蔵)→http://www.salvastyle.com/menu_japanese/tohaku_maple.html などを制作し、あの狩野永徳さえおびやかした桃山画壇の巨匠、長谷川等伯(1539〜1610)。2010年は、等伯が没してからちょうど400年めにあたることから、それを記念する大回顧展を当館で開催することになりました。
 
 能登の七尾(現・石川県七尾市)に生を受けた等伯は、はじめ「信春(のぶはる)」と名乗り、主に仏画を描いて活躍しました。やがて30代で京都に移住すると、仏画はもとよりのこと、肖像画水墨画、金碧画などにも手を染めることで、多くの支持者を獲得してゆきます。彼が深く信仰した法華宗の僧侶たちやその檀那衆、千利休らの茶人たちや大徳寺をはじめとする有力禅僧たちがそれであり、彼らを通して、その評判は天下人・豊臣秀吉の耳にも届けられました。先に触れた「楓図」は秀吉の命を受けた等伯が、一門の総力を結集して東山の祥雲寺(現・智積院)に描いたことが知られています。それまで狩野派を頂点としていた桃山画壇の勢力地図は、等伯という新たなスターの登場によって塗り替えられたといえましょう。

  等伯は72歳で生涯を終えますが、その間に彼が描いた作品を、年代を追いつつ、出来る限り数多くご覧いただこうというのが本展のねらいです。細緻を極めた七尾時代の仏画や上洛後まもないころに手掛けた瀟洒水墨画、そして等伯改名後に制作した華やかな金碧画や力強い水墨障屏画の大作など、国宝3件・重要文化財約30件を含む総計約75件が出品される予定です。「松林図屏風」や「楓図」、重文「枯木猿猴」(龍泉庵蔵)→http://www.kyohaku.go.jp/jp/syuzou/meihin/kaiga/kinsei/item13.html など一度はテレビや画集で目にしたことのある名品や新発見・初公開の注目作がズラリと居並ぶさまは圧巻です。

 史上最大、かつ史上最高の質を備えた長谷川等伯展になることをここに確約いたします。