不明な建物の正体がわかった
昨年の11月に大阪市のリーガロイヤルホテル付近から撮った謎の建物が実は大阪府の商業施設だったとは驚きです。
建物は無人っぽかった。
奥の黒い2階建てが中之島バンクス(堂島大橋南詰の方から撮影)
現代の「武家の商法」=行政がやたらと作りたがる「箱物」商売。とくに大阪府と大阪市は、『東京』のようになりたくて、バブル期にあわてて計画し、バブル崩壊にもかかわらず、建設をやめなかった。
大阪市では、WTC(大阪ワールドトレードセンター=大阪市住之江区)やATC(アジア太平洋トレードセンター=大阪市住之江区)、フェスティバルゲート(大阪市浪速区)の無残な失敗(しかし、行政・議会で責任を取った人はだれ一人いない)。大阪府では りんくうゲートタワービル(大阪府泉佐野市)や 関西国際空港などがそれである。
「箱物」は一時的には公共工事的な支出で潤うが、杜撰な利用者予測(建設ありきの見込み予測)で破たん(特に大阪の大型施設)するケースが多い。
「箱物」には必ず維持費がいることを忘れている!(夕張市の夕張ロボット大科学館が悪い例)
商業施設 「中之島バンクス」4月オープン延期へ 大阪
3月15日11時58分配信 毎日新聞=大阪府が大阪市北区の堂島川左岸に誘致した商業施設「中之島バンクス」のテナント入居が進まず、当初予定していた4月オープンが大幅にずれ込むことが分かった。開会中の市議会でも取り上げられ、自民市議が「幽霊屋敷のようだ」などと批判。市環境局も「現時点では市の環境基本計画にはそぐわない施設」とだめ押しした。府側は「具体的に何がそぐわないのか確認したい」と16日、市と協議する構えだ。
事業は、河川敷が利用できるよう国が規制緩和したことを府が活用。コンペで選ばれた大阪市内の不動産業者などが、北区中之島のリーガロイヤルホテル北側の河川敷上に、1〜2階建て3棟(延べ約1055平方メートル)の商業施設を昨年8月に建設した。レストランや画廊などを核にした「水辺空間のにぎわい」を目指しているが、不況でテナントがほとんど集まらず、4月のオープンは困難という。
9日の市議会常任委員会で、自民市議が「水辺空間の利用という社会実験としての設置であっても、河川敷に鉄筋の建物を建てるのは行きすぎではないか」などと追及した。平松邦夫市長は「魅力あるエリアだが、(府の)狙い通りにはなっていない。府には必要なことは申し上げたい」などと応じた。
批判を知った府河川室の担当者は「計画通りに進んでいないとの指摘は甘んじて受ける。しかし、大阪市も事業を検討した中之島水辺協議会のメンバーで、当事者なのに」と困惑している。16日の協議は、市環境局の担当者にそぐわない理由を尋ねるという。
府と市は橋下徹知事の府市再編構想を契機に溝を深めており、「中之島バンクス」が新たな火種になる可能性もありそうだ。【石川隆宣】