絹の靴下制作発表1

 ミュージカル「絹の靴下」は1955年ブロードウェイ初演、1957年にはMGMによって映画化されている。映画版で主演したのが、フレッド・アステアシド・チャリースだ。 


ソビエト共産党員の「鉄の女」ニノチカが、パリでアメリカ人映画プロデューサーのスティーヴらと出会い、新しい風に触れることで、忘れていた女らしさや恋の喜びを取り戻していくという、コメディタッチのストーリーだ。


 今回、演出を担当する荻田浩一氏(元宝塚歌劇団所属の演出家 2008年退団)は、「これまで、なぜ上演されなかったのが不思議なミュージカル。もちろん背景には米ソ対立の問題があったわけだが、世界情勢が変わった今だから、よりファンタジックに作り直せる作品」という。

 また、主演の二人についても、「豪快さと女らしさを併せ持ち、ニノチカ役にぴったりの湖月わたるさん、そして、『日本のアステア』といわれる今村ねずみ。この2人がそろったことで、決定版ができる」と、タイミングとキャストがそろった今だから上演できる作品であることを強調した。

   


 「映画版をみたとき、シド・チャリースの引き締まったスタイルとダンスに、思わず画面の前で姿勢を正してしまった」という湖月わたるさんは、ロングのタイトスカートに詰め襟の上着という、りりしいいでたちで、さっそうと登場。 さん

 午後1時からの会見の時間は、ちょうどバンクーバー・オリンピックの女子フィギュアスケートショートプログラムが終わったばかりのタイミング。控え室でワンセグを使ってみていたという湖月さんは、「皆さん、じつは浅田真央ちゃんのことが気になってるでしょう? ノーミスで立派に滑り終わりましたよ!」と報告して、会場の笑いを誘った。

 「この4年間での、真央ちゃんの女性としての成長にとても感動している」という湖月さんは、「私も(タカラヅカを卒業してから)女役4年め、真央ちゃんに負けずに、ますます女らしさに磨きをかけたい」と、オリンピックにうまくなぞらえて、意気込みを示した。


 「THE CONVOY」を主宰してきた今村ねずみは、意外にもミュージカルへの出演は10数年ぶりとのこと。「最近の歌い上げる感じのミュージカルは、正直、自分にはあまり向いていないんじゃないか?」と思っていたという。だが、映画版をみて「アステアの自由の風にあおられて」出演を決意。「手ごわい湖月さん」を相手に、初の女性を口説く役に挑戦する。

MUSICAL「SILK STOCKINGS 〜絹の靴下〜」
作詞・作曲:コール・ポーター
演出: 荻田浩一氏 
出演:湖月(こづき)わたるさん  今村ねずみ
樹里咲穂(じゅり・さきほ)さん 渡部豪太 戸井勝海 伊礼彼方 神田恭兵 他