さようなら 瀬奈じゅんさん そして再会へ

サンスポ
退団を発表していた宝塚歌劇団月組トップスター、瀬奈じゅんが27日夜、タカラヅカでの最後の舞台となる東京公演の千秋楽を東京宝塚劇場(東京都千代田区)で迎え、足かけ18年の男役生活に別れを告げた。

 この日は「ラスト プレイ〜祈りのように〜」「Heat on Beat!」公演に続き、退団者による特別な出し物であるサヨナラショーを披露。「ME AND MY GIRL」の「ランベス・ウォーク」、「グレート・ギャツビー」の「朝日の昇る前に」など出演作の歌など10曲をうたい踊った。

 その後、黒えん尾姿で大階段を降りてあいさつ。宝塚音楽学校時代の同期生で元宙組トップスターで女優の貴城けいから白いバラの花束を受け取り、「さまざまな役をいただきましたが、“タカラヅカの男役”こそが、私のやりたかった役。いまこの瞬間を、勇気に変えて新しい世界に踏みだします。愛を込めて、18年間ありがとうございました」と客席に向かって深々とおじぎをした。

 客席の歓声にこたえたどん帳あげ(カーテンコール)は実に7回。合間に、一本締めを披露したが、「大好きな男役生活に別れを告げるため」の心のふんぎりのためだという。

 劇場内での記者会見には、さっぱりとした表情で登場。「無事に卒業できて、いまは、とても幸せな気持ちです」と切り出し、「タカラヅカは、私の青春のすべて。私のすべてでした」と万感の思いを言葉にした。

 退団後については未定としながらも、「これまで培ってきたものを生かしたい」と、芸能活動に意欲を示した。タカラヅカから、もっていきたいものは?  という質問には「愛」と答えて大きくうなずいた。

 そして、退団者恒例である劇場前のパレード。タカラジェンヌの正装である緑のはかま姿で現れた瀬奈。白いバラは客席や組の仲間に配ったので、ほかの退団者と違って手に花束はなかった。

 駆けつけた約8000人のファンの「愛してます」というエールにこたえて、大きな声で「私も愛してます!」。男役・瀬奈じゅんの最後のキメゼリフが、日比谷の夜空に響き渡った。

 なお、瀬奈のほかに遼河はるひ音姫すなお、城咲あい、麻月れんか、羽桜しずく、夏鳳しおり、麗百愛も退団した。