新生宙組のトップスター 大空祐飛(おおぞら・ゆうひ)さん

スポーツ報知より引用

 宙組5代目トップスターに就任した大空祐飛さんの大劇場お披露目公演が近づいてきた。2009年11月13日に開幕するミュージカル「カサブランカ」(脚本、演出・小池修一郎氏=12月11日まで)で、新娘役トップスターの野々すみ花(のの・すみか)さんとともに新生宙組もスタート。花組から組替えして約5か月が過ぎ「みんなすごく前向き。作品を作るために、前へ前へ進もうという積極性を感じています」と宙組にすっかりなじみ、笑顔いっぱいだ。


 トップスター就任後、初めて立つ宝塚大劇場の舞台。映画史上に残る傑作の、世界初のミュージカル化に「想像していた以上の大作ミュージカルですよ」と、やりがいを感じているようだ。作品のファンが多いだけにプレッシャーもあるが「映画と舞台は違いますし、表現方法も違いますから」と宝塚の舞台でしか醸し出せないカサブランカの雰囲気づくりに集中している。


 大空さん演じるリックは、愛する女性の自由を守るために命を懸ける男。映画ではリックの過去について詳細に描かれていないが「なんともいえない冷めた感じとか、本当はロマンチストなんですがそれを表に出さない理由が、今回は分かりやすく描かれていると思いますね。リックの性質を私なりに作り上げたいです」と意欲的だ。


 花組から宙組に組替えになったのは6月。8月にはプレお披露目となる福岡・博多座公演で喝采(かっさい)を浴びた。組の中心に立つ大役を任され、身辺の変化も激しかっただろうが「立場も組も変わって新しい環境ですが、今はただ(演出の)小池先生についていくという感じで、いつもの自分で取り組めています」と普段通りを強調した。


 大空さんがつくり上げるこれからの宙組に期待も大きい。「私が自分の仕事を全うすることで、組のみんなが何かを感じて新しいものになるかもしれないですし、今は化学反応を待っているところです」とニッコリ。理想とするトップスター像も特には挙げず「あまり肩に力を入れ過ぎず、ありのままの自分で仕事をするのが理想」と自分のペースを守りながらも、舞台への情熱を語った。


 幕開けは、宙組が得意とする群衆の場面から。「カサブランカの現状を表現しているんですけど、迫力あるナンバーで押していくような感じですね。大人っぽいミュージカルになりそうな感じです」。新しく生まれ変わった宙組が、大人の味わいで魅了してくれそうだ