裁判記録 裁判員裁判ならどうだろうか 「酒飲みに甘い司法判断」

朝日新聞

 酒を飲んで運転したことを理由に懲戒免職処分にされたのは不当だとして、佐賀県の元県立高校教諭の男性(39)が県に処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が2009年8月5日、福岡高裁であった。 森野俊彦裁判長 
 は処分を取り消した一審・佐賀地裁判決を支持し、県側の控訴を棄却した。


 一審判決によると、男性は2006年7月13日夜、佐賀市内のホテルなどで酒を飲み、30分ほど仮眠をとった後の7月14日午前00時20分ごろ、車を運転。信号待ちで後続車とトラブルになって同日午前7時ごろ、佐賀署の要請で署に出向いたが、呼気1リットルあたり0・07ミリグラムのアルコールが検出された。県教委は「飲酒運転をした教職員は原則免職」との指針に沿い、7月20日付で懲戒免職処分にした。

 
 一審判決は、県教委の指針について「高いモラルを求められる教員に対しても余りに過酷で社会通念上著しく妥当性を欠く」と判断。男性の飲酒運転について「酒気帯び運転に至らない程度のアルコールを保有した状態で運転したに過ぎない」とし、「処分は裁量権を乱用しており、違法だ」と結論付けていた。

 事故から6時間余りのアルコール検査では数値は低くなるだろう。酒気帯び運転は(0.15以上0.25未満)だから事故当時にはこの数字になっていただろうと推測される。 

毎日新聞

 飲酒運転などを理由に懲戒免職処分となった佐賀県立高校の元教諭(39)が、「裁量権の逸脱・乱用があり違法」として、県の処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が2009年8月5日、福岡高裁であった。森野俊彦裁判長は、元教諭の請求を認めた1審・佐賀地裁判決(2008年12月)を支持し、県側控訴を棄却した。

 1審判決によると、元教諭は2006年7月13日夜、佐賀市のホテルやスナックでビールや日本酒を飲んだ後、自分の車で約30分仮眠し、7月14日未明に車で帰宅した。その際に運転を巡るトラブルがあったことなどから、14日早朝、佐賀署の交番に呼び出され呼気検査を受け、呼気1リットルあたり0.07ミリグラムのアルコールが検知された。道交法の酒気帯び運転(呼気1リットルあたり0.15ミリグラム以上)にあたらず、検挙はされなかったが、県教委は7月20日、「飲酒運転をした教職員は免職」との指針を基に、元教諭を懲戒免職とした。

 地裁は「懲戒免職は公務員にとって『死刑宣告』にも等しい究極の処分で、慎重に選択されるべき」と指摘のうえで、指針について「飲酒運転を『道交法の酒気帯び運転以上のアルコール量を体に保有した状態』と解釈しない以上、裁量権を逸脱・乱用している」と判断。鑑定を基にした 「運転時のアルコール濃度は基準を超えていた」 との県側の主張を、「裏付け証拠のない推定で、信用できない」と退け、「処分は違法」と結論づけていた。【和田武士】

 日本では科学的検証というものはないのでしょうか?