TAKARAZUKA SKY STAGE 090701

07/02 09:00 二都物語('03年花組

☆2003年10月11日(土)〜10月20日(月) 花組宝塚バウホール公演 バウ・ミュージカル『二都物語』 原作:チャールズ・ディケンズ。脚本・演出:太田哲則氏。 解説= イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの「二都物語」の舞台化。「自分の生命と、愛する人の幸せを引きかえる究極の愛」をテーマに、革命に揺れるパリとロンドンを股にかけて、革命と恋と友情が交差するドラマ。 ロンドンの二流弁護士シドニー・カートン(瀬奈じゅんさん)は、ある裁判で証人として登場したルーシー・マネット(桜乃彩音さん)に恋心を抱く。やがて彼女はフランスの貴族チャールズ・ダーネイ(彩吹真央さん)と結婚するが、パリに革命が起こり、ダーネイは革命政府に逮捕されてしまう。ダーネイとうり二つだったことから、カートンは思わぬ運命へと向かっていく・・・・・・。 1985年、大地真央さんと黒木瞳さんによる月組で大劇場作品として上演しているが、今回はバウホール・バージョンとして多種多様な個性溢れる人物の葛藤をより深く描き出す。


シドニー・カートン(弁護士)瀬奈じゅん(せな・じゅん 1992年入団)さん
ルーシー・マネット(マネットの娘): 桜乃彩音(さくらの・あやね 2002年入団)さん
チャールズ・ダーネイ(エブレモンド家の跡継ぎ): 彩吹真央さん
アレクサンドルマネット(無実の罪で投獄された医者): 未沙のえるさん
ジャービス・ロリー(銀行家): 立ともみさん
エブレモンド侯爵夫人(フランスの名門貴族): 梨花ますみさん
ドファージュ(酒場の主人。マネット家の元使用人): 矢吹翔さん
テレーズ(貴族に強い恨みを持つドファージュの妻): 水月舞さん
ストライバー(シドニーの同僚): 悠真倫さん
ミス・プロス(ルーシーの家政婦): 奈月みかさん
ジェリ(テルソン銀行の使い走り): 華形ひかるさん
シモーヌ(チャールズのいとこ): 彩風蘭さん
セルジュ(チャールズの執事): 橘梨矢さん
バーサッド(密偵): 真丘奈央さん
ジャンヌ(セルジュの妹): 珠まゆらさん
シャルロ(エブレモンド家の馬丁): 望月理世さん
ブリス(パリ市民): 花純 風香さん
パリゾ(ドファージュの店の店員): 隼颯希さん
メアリー(マネット家のメイド): 華桐わかなさん
モーリス: 紫万新さん
セザール(パリ市民): 桐生園加さん
ギャスパール: 紫峰七海さん
ポーリーヌ: 舞名里音さん
ジャベール(パリ市民): 千尋悠さん
ヴァラン(パリ市民): 扇めぐむさん
マチルド: 愛純もえりさん
ケイト: 雫花ちなさん


宝塚歌劇支局031019」引用。

 全国ツアー公演組とバウホール公演組に分かれた花組メンバーのそれぞれの公演がスタートした。全国ツアー公演(2003年10月11日(土)〜11月2日(日))は春野寿美礼(はるの・すみれ 1991年入団)さん、ふづき美世(ふづき・みよ 1995年入団)さんのトップスターコンビによる「琥珀色の雨にぬれて」「Cocktail」の2本立て。バウホール公演は2番手スター、瀬奈じゅんさんを中心とした「二都物語」の上演。瀬奈が主演した「二都物語」(太田哲則氏脚本、演出)は大地さんのサヨナラ公演だった作品の再演。バウバージョンということで約1時間も長くなり、より分かりやすい内容に生まれ変わり、昨今のバウ作品のなかでも最も見ごたえのある力作となった。

 愛する人の夫の身代わりとなって断頭台に向かう主人公シドニー・カートンの心の動きも、前回よりは書き込まれ、瀬奈さんの直情的な演技とうまくかみあって、納得させた。
 チャールズ役の彩吹真央さんも瀬奈さんをよくサポートする好演でこの公演を成功に導いた一人。ルーシー役の桜乃彩音さんは、研2の新人だが清楚な美貌とその確かな演技力でこれから楽しみな逸材だ。

 ほかにロリー役の立ともみさん、ルーシーの父親役マネットの未沙のえるさんチャールズの叔母役の梨花ますみさんドファージュ役の矢吹翔さんといったベテランが適役好演。加えて弁護士ストライパー役に起用された悠真倫さんの開幕早々からのテンションの高い演技が、他の若い出演者を引っ張り、なんとも気持ちのいい緊張感を舞台にもたらした。バーサッド役の真丘奈央さんテレーズ役の水月舞さんも役を生きていた。ジェリ役の華形ひかるさんの二枚目ぶりも際立った。