ベルばら小研究1

 昨年より「ベルサイユのばら」外伝が上演され、再び心の中に『ベルばら』マイブームが沸き起こりました。出演者の思いを起点に大袈裟なことではなく小さな研究をしてみます。

 まず、2006年版 『ベルサイユのばら』-オスカル編- です。 ☆  

 2006年2月10日(金)〜3月20日(月) 雪組宝塚大劇場公演 マリー・アントワネット生誕250周年記念 三井住友VISAシアター 宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-オスカル編- 〜池田理代子原作「ベルサイユのばら」より〜  脚本・演出/植田紳爾氏。演出/谷正純氏。 解説=マリー・アントワネット生誕250周年を記念しての、名作『ベルサイユのばら』5年振りの再演。これまでにも様々なバージョンで上演してきたが、初演より31年の時の経過の中で、現在のバランスを考えて再構築。新場面やマリー・アントワネットが作曲した楽曲が登場するなど、新たな見所も多く、またキャスティングにおいても、各組からの特別出演など、話題満載の公演。オスカルは朝海ひかるさん。ロザリーを舞風りら(まいかぜ・りら)さん。

 主演は 朝海ひかる(あさみ・ひかる)さんでした。

 女性であるオスカルを演じるにあたっては、まず周りとのバランスを考え、そして、この場画でオスカルはどのように感じたのか、一体どういう心情なのだろうかという所から役に入っていきました。男役であれば普通に言う台詞を、女だからこそムキになったり強く言ったりする所があると先生にアドバィス頂きましたので、今は様々なことを考えながら稽古を続けています。又、『ベルサイユのばら』には決まった型のようなものがあり、例えば“今宵一夜”の場面などは、常に同じような感覚で演じられてきました。その中に、いかに自分なりの気持ちを流していけるかを考え、表現していきたいと思っています。

 先日、オスカル役で星組公演に特別出演させて頂きました(2006年1月1日(日)〜2月6日(月)星組宝塚大劇場公演 マリー・アントワネット生誕250周年記念 三井住友VISAシアター 宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』−フェルゼンとマリー・アントワネット編− 〜池田理代子原作「ベルサイユのばら」より〜脚本・演出/植田紳爾氏。演出/谷正純氏。フェルゼンは湖月わたる(こづき・わたる)さん。マリー・アントワネット白羽ゆり(しらはね・ゆり)さん。朝海ひかるさんはオスカル=役替り2006年1月1日(日)〜1月3日(火))が、お客様の前で演じさせて頂いた1日は、1ヶ月分程の稽古に匹敵するものでした。稽古場では分からなかった様々なことに気付くことが出来ましたので、星組公演で得たことをこの公演に活かしていければと思っています。

 そして今回は、特別出演の方を含む5人のアンドレと組ませて頂きますが、皆さんがどんなアンドレを演じて下さるのか、御一緒させて頂くのをとても楽しみにしています。(2006年2月10日(金)〜2月12日(日)星組湖月わたるさん。2月13日(月)〜2月19日(日)雪組貴城けい(たかしろ・けい)さん。2月20日(月)〜2月23日(木)花組春野寿美礼(はるの・すみれ)さん。2月24日(金)〜3月5日(日)雪組水夏希(みず・なつき)さん。3月6日(月)〜3月12日(日)月組瀬奈じゅん(せな・じゅん)さん。3月13日(月)〜3月16日(木)水夏希さん。3月17日(金)〜3月20日(月)貴城けいさん。)
ベルサイユのばらは、本当に大きな作品だなと改めて感じています。フランス革命へ突入していく、様々な人の思いが雪組の『ベルサイユのばら』には詰まっており、衛兵隊や市民達がどのような思いでバスティーユの戦闘に身を投じていったか、オスカルはどういう思いを経て爵位を捨ててまで革命に参加したのかが色濃く描かれていますので、壮大な人間ドラマをお客様に感じ取って頂ければと思います。

 
当時の様子は「宝塚歌劇支局」2006年2月11日より引用。

 さて、舞台は沙央くらま(さおう・くらま 2001年入団)さん、大湖せしる(だいご・せしる 2002年入団)さん、蓮城まこと(れんじょう・まこと 2003年入団)さんの3人の小公子が登場するオープニングから星組公演にもまして豪華絢爛。中幕が開くと白バラが咲き乱れる中、湖月わたるさん扮するアンドレを中心に同じ軍服の貴城けいさん、水夏希さんらばらの青年たちのダンス、続いて大階段に朝海オスカルが登場、白いドレス姿の娘役陣とのダンスへと展開。そしてひときわ豪華な白いドレス姿の舞風りらさんも加わって、朝海さん、湖月さんの3人が中央にラインアップ、しゃんしゃんをもってのパレードとなる。いきなり度肝を抜く華やかさだ。

  

 朝海オスカルは、軍服を着ている時と脱いだ時で大きく変化する演技が絶妙で、星組公演にゲスト出演した時よりさらに魅力的。星組公演でフェルゼンを好演した湖月さんもその大きさ、包容力の豊かさでやはりアンドレがよく似合う。