090413さよなら白羽ゆりさん (大劇場)

2009年3月13日(金)〜4月13日(月) 雪組宝塚大劇場 舞踊パフォーマンス『風の錦絵』 石田昌也氏:作・演出 宝塚アドベンチャー・ロマン『ZORRO 仮面のメサイア』 谷正純氏:作・演出
この公演で白羽ゆりさん宝塚大劇場にお別れを告げます。

雪組娘役トップスター時代

2007年2月2日〜2月25日雪組中日劇場公演 ミュージカル・ロマン『+星影の人』−沖田総司まぼろしの青春− 作・演出/柴田侑宏氏。 演出・振付/尾上菊之丞氏。 白羽ゆりさんは玉勇(芸妓)役。主演は水夏希さん=沖田総司新撰組一番隊組長・副長助勤)役。併演はダンシング・レビュー『Joyful!!II』 作・演出/藤井大介氏。

宝塚プレシャスより。雪組中日劇場公演 初日(2007年2月2日)『星影の人』『Joyful!!II』 

毎年恒例の2月の中日劇場で、雪組公演の初日の幕が開いた。
 この公演は、新しく主演男役に就任した水夏希さんにとってはプレお披露目、相手役の白羽ゆりさんとのコンビ初披露ということで注目を集めている。
 『星影の人』は、やはり傑作である。副題に「沖田総司まぼろしの青春」とあるように、新撰組の青年剣士沖田総司と、祇園の名妓玉勇が、ある雨の日に出会い、惹かれ合い、やがて沖田の発病をきっかけに、切ないまでに互いにのめりこんでいく過程が、時代劇らしく抑制がきいたなかで描かれる。

 沖田と玉勇の恋は切ない。ともに孤独に育ち、人斬り集団と色街という苛酷な現実のなかで生きる2人が、互いの存在にときめきと安らぎを覚える。だが沖田の病気により、それも束の間の輝きでしかないことを思い知らされる。誰が悪いわけでもなく、取り巻く人々は優しい、それでも2人に未来はなく、その恋に幸せな成就はないのだ。そんな悲劇的な恋物語を柴田台本は美しく描き、互いに恋心を打ち明ける建仁寺の場や、限りある命と知ったあとの逢瀬の嵐山の場は、水さん・白羽さんの熱演もあって、その一言一言が観るものの心に沁み入るのだ。玉勇の白羽ゆりさんは、最初の出から華やかさと美しさで圧倒する。京都弁をはんなりとしゃべりながら、芸技暮らしのつらさをのぞかせ、沖田に安らぎと生き甲斐を見つけていく過程がよく見え、うなずける。落ち着きと初々しさの両方がある人だけに、水さんの役次第でどちらも出していけるだろう。

     

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 藤井大介氏作・演出のショー『Joyful!!II』は、「楽器」から受けるイメージを膨らませたダンシング・レビュー。オープニング、第一章は、白いミューズの白羽ゆりさん音神たち(早花まこさん・純矢ちとせさん・鳳華れのさん・詩風翠さん)が登場、ニュー・コンダクターの水夏希さんを迎える。全員でのアカペラ、また後半に水の客席降りもあって、一気に客席は盛り上がる。第二楽章が、亡き小原弘稔の『クレッシェンド』から再現した「クレッシェンド・オン・ピアノ」。羽山紀代美氏の振付でスイング調のジャズが主調。彩吹真央さんのソロが気持ちよく、彩那音さん・凰稀かなめさん・山科愛さん・晴華みどりさんがカップルで活躍。水さんと白羽さんはデュエットダンスでかなりの大技をこなして、観客の喝采を浴びる。そして未来優希さんが間奏曲。力量のある人の抑えめの歌声が胸にしみる。 第四楽章は「狂乱のサバテアート」、初演にもあった場面だがかなり趣が変わっている。白いスパニッシュのドレスの白羽さんが現れ、ギターの歌手は未来さん、スパニッシュ・メドレーが歌い継がれていく。彩吹さん・柊さん・天勢さん・彩那さん・凰稀さん・白羽さん、そして真っ赤なスーツの血の化身・水さんが登場、いちだんと情熱的にセクシーに場を狂わせていく。第五楽章は、新場面で「カルメン」がモチーフ。ブラックプリンスの彩吹さんはブラックガイの彩那さん・柊さん・谷さん・凰稀さん・真波さん・大凪さんとカーテン前で歌い、観客を楽しませる。そのクラブに現れた旅人の水さんを白羽さんが誘惑。官能的なデュエットダンスの果てに、夢破れて旅人は取り残される。その頭上に、光を放つミラーボールが現れる。第七楽章 力強いゴスペルから彩吹さんのしみじみとしたソロに変わると、主演コンビのデュエットダンス。青いドレスの白羽さんをリフトする水さん、2人に拍手が送られる。第八楽章はフィナーレ。黒の模様入り白の大きな羽根で水夏希さんが降りてくる。その隣には白羽ゆりさん彩吹真央さん、その他に35名の雪組のメンバーたち。半分ではあるけれど、これからの雪組を作る顔ぶれである。そのメンバーたちが笑顔で「ジョイフル ジョイフル」と盛り上げ、賑やかな雰囲気のなか幕が降りた。
新しい主演男役水夏希さんは、芝居では爽やかさを、ショーではアダルトさを、作品に合わせて両極の色を矛盾なく見せてくれた。また白羽ゆりさんは、美しさと歌唱の他にダンスの力をつけてきている。この2人のコンビの可能性は、この中日公演をスタートにさまざまに花開いていきそうだ。(文・榊原和子

2007年5月4日(金)〜6月18日(月)雪組宝塚大劇場公演 三井住友VISAミュージカル『エリザベート』−愛と死の輪舞(ロンド)− 脚本・歌詞/ミヒャエル・クンツェ氏。 音楽/シルヴェスター・リーヴァイ氏。 オリジナル・プロダクション/ウィーン劇場協会。 潤色・演出/小池修一郎氏。 エリザベート役は白羽ゆりさん。 トート役は水夏希さん。2007年 7月6日(金)〜8月12日(日) 雪組東京宝塚劇場公演(宝塚大劇場と同じ)。

宝塚プレシャス(2007年5月7日)より引用。

 雪組宝塚大劇場公演初日(5月4日)『エリザベート―愛と死の輪舞(ロンド)―』
 話題の『エリザベート』公演がいよいよ幕を開けた。 おりからオリジナルのウィーン版が来日公演中(2007年3月28日〜4月30日 大阪 梅田芸術劇場メインホール)とあって、否応なく比較され論評されるプレッシャーの中での初日である。また、主演の水夏希さん・白羽ゆりさんのコンビのお披露目という話題性も加わり、劇場には活気が溢れている。オープニング。暗くなり、静まりかえったなかに、一筋の不協和音とともにルキーニが登場して殺人者の狂気をふりまく。その彼を裁く煉獄での裁判所のシーンから幕は上がる。うごめくハプスブルクの黄昏を生きた亡霊たち、そしてルキーニの呼びかけにより黄泉の国から登場するトート閣下。何度見てもゾクゾクする始まりだ。
物語は、死=トートがヒロインのエリザベート(シシィ)に魅せられて、その命を助け「生きたお前に愛されたい」と望むことから始まる。この世とあの世、“愛”という不条理に絡めとられたトートと、“死”の誘惑と闘い続けていくシシィ。パラレルな2人が織りなすロンドは、ときには激しく、ときには冷ややかに踊られる。その2人が結ばれるまでの、ラブロマンスの切なさと苦しさ、そして甘さが宝塚版『エリザベート』の大きな魅力になっている。


   


 タイトルロールのエリザベート役の白羽ゆりさんは、おそらく“より演劇的な”という役作りをめざしている途上という気がする。 シシィ(エリザベート)役はウィーン版と宝塚版とのギャップが一番大きくて、リアルになっていけばいくほどエゴイストな面や頑なな面、シシィのイヤな部分が引き出されることになる。それを見せずに自立した女性として演じるには、これまでの宝塚版のシシィ役者より、また一段上の自我と強さ、そして孤独感が必要なのだが、白羽ゆりさんの持ち味は柔らかさと優しさ、温かさだから、自らのそれと闘いながらの役作りだろう。[寝室の間]や[病院訪問]で見せる白羽シシィの悲しみや痛みは心を打つ表現だし、鏡の間の美しさは圧倒的で、この役にふさわしい。 課題は「私だけに」の思い詰めと「夜のボート」の絶望を、さらに深く落としこむことか。歌はもともと下手ではないのだから、演技が安定すれば歌唱は自然に落ち着くはずだ。


おけぴ管理人の感激 観劇レポート」さんより引用。

 07/07/31 宝塚雪組エリザベート東京宝塚劇場 エリザベート白羽ゆりさん星組の愛するには短すぎる観劇の時とは全然違う印象で驚きました。星組公演の時は声いいなって思ってたんですが今日は前半は、あれ?って感じだったのですが、最後ルキーニに殺された後の歌はとっても素敵♪ そして、衣装ですっごく変わらはりますね。1幕最後のエリザベートの白い衣装は登場の瞬間目を奪われました。精神病院訪問の時のあの衣装も素敵!!また、1幕で自殺未遂シーンの後の、あのカーテン開けてからの、夜になってトートがふっとあらわれてっていうシーン、すっごく素敵!!これは素晴らしい演出だ。もう一度観たい。。あまりにも綺麗でトートがいつあらわれたかわかりませんでした。
 この自殺未遂シーンの直前の間ですが、音楽もないシーンとした時間が結構長く続いて、客席もシーンとして張り詰めてる空気が漂って。こういう静かなシーンで客席も静まり返ってると、あぁマナーいいって素晴らしいことだなーって思ったりします。(このシーンではなかったですが、飴の袋びりびりしてる方は 結構いらっしゃいました。かなり遠くの包み紙の音も聞こえました。気をつけよう!) あと、これは東宝版でもそうなんですが、結婚式のシーンで、エリザベートが「はいっ」って言うシーンで、「はいっはいっはいっ」ってコダマしますよね。あの時、つい、はいって一緒にいいそうになってしまいます(もちろん絶対声に出しませんが)。

2007年9月15日(土)〜10月13日(土) 雪組全国ツアーミュージカル・ロマン『星影の人』−沖田総司まぼろしの青春− 作・演出/柴田侑宏氏。 演出・振付/尾上菊之丞氏。白羽ゆりさんは(中日劇場公演と同じく)玉勇役。 併演はダンシング・レビュー『Joyful!!II』作・演出/藤井大介氏。

2008年1〜3月、「君を愛してる−Je t'aime−/ミロワール」マルキーズ

2008年5〜6月、全国ツアー「外伝 ベルサイユのばら -ジェローデル編-」ソフィア

2008年8〜11月、「ソロモンの指輪/マリポーサの花」セリア
2008年12月〜2009年1月、シアター・ドラマシティ・東京特別「カラマーゾフの兄弟」グルーシェニカ
2009年3月〜5月、「風の錦絵/ZORRO 仮面のメサイア」ロリータ/レディゾロ *退団公演
2009年4月、「白羽ゆりミュージック・サロン SWAN」
白羽ゆりミュージックサロン 『SWAN』2009年4月15日(水) 、16日(木) ディナー/18:30〜19:45 ショー/19:45〜20:45 [料金]
25,000円(ディナー、ドリンク、税金、サービス料込) [会場]宝塚ホテル琥珀の間(新館3階) [タイトル]『SWAN』 [構成・演出] 三木章雄氏。[出演] 白羽ゆりさん 音月桂さん  麻樹ゆめみさん。
2009年4月19日(日)ディナー 18:00〜19:20 ショー 19:30〜20:30 4月20日(月)お食事 12:00〜13:20 ショー 13:30〜14:30 
4月20日(月)ディナー 18:00〜19:20 ショー 19:30〜20:30 会場 東京會舘本舘 9階 ローズルーム 料金 25,000円 出演 白羽 ゆりさん 音月桂さん・麻樹ゆめみさん 構成・演出 三木章雄氏。