宝塚大劇場雪組公演『風の錦絵』と『ZORRO 仮面のメサイア』。

 雪組 舞踊パフォーマンス『風の錦絵』作・演出/石田昌也氏。 宝塚アドベンチャー・ロマン『ZORRO 仮面のメサイア』作・演出/谷正純氏。


公演期間】2009年3月13日(金)〜4月13日(月) 新人公演『ZORRO 仮面のメサイア』公演日程:2009年3月31日(火)18:00開演


主な出演】(雪組トップスター水夏希さん、娘役トップスター白羽ゆりさん(専科)松本悠里さん、轟悠さん、未沙のえるさん、一原けいさん。


全出演者】(雪組飛鳥裕さん、未来優希さん、彩吹真央さん、ゆり香紫保さん、天勢いづるさん、音月桂さん、麻樹ゆめみさん、舞咲りん、奏乃はるとさん、彩那音さん、森咲かぐやさん、花帆杏奈さん、神麗華さん、涼花リサさん、谷みずせさん、穂月はるなさん、凰稀かなめさん、真波そらさん、緒月遠麻さん、晴華みどりさん、沙央くらまさん、鞠輝とわさん、早花まこさん、大凪真生さん、大湖せしるさん、彩夏涼さん、紫友みれいさん、祐輝千寿さん、大月さゆさん、沙月愛奈さん、花夏ゆりんさん、愛輝ゆまさん、涼瀬みうとさん、蓮城まことさん、香音有希さん、香綾しずるさん、千風カレンさん、悠月れなさん、梓晴輝さん、朝風れいさん、愛原実花さん、美乃ほのかさん、凰華れのさん、此花いの莉さん、愛加あゆさん、冴輝ちはやさん、透真かずきさん、白渚すずさん、希世みらのさん、雛月乙葉さん、詩風翠さん、央雅光希さん、透水さらささん、凛城きらさん、彩凪翔さん、桃花ひなさん、真那春人さん、笙乃茅桜さん、大澄れいさん、花城舞さん、彩風咲奈さん、舞羽美海さん、舞園るりさん、帆風成海さん、華吹乃愛さん、亜聖樹さん、鈴蘭まあやさん、琉動真瑳さん、千瀬聖さん、煌羽レオさん、寿春花果さん、悠斗イリヤさん、久城あすさん、天舞音さらさん、大樹りょうさん、杏野このみさん、貴穂しゅうさん、芽華ららさん。


休演者】(雪組)寿々音綾さん (全日程)
退団者】(雪組)ゆり香紫保さん、白羽ゆりさん、谷みずせさん、穂月はるなさん。

 白羽ゆりさん



主な配役
 ・ドン・ディエゴ/ゾロ−水夏希さん(新人公演 香綾しずるさん)
 ・ロリータ/レディゾロ−白羽ゆりさん(新人公演 愛原実花さん=次期雪組娘役トップスター) 
 ・メンドーサ大佐−彩吹真央さん (新人公演 凛城きらさん)
 ・ベルナルド/ゾロの影−音月桂さん (新人公演 帆風成海さん) 
 ・オリバレス総督−凰稀かなめさん (新人公演 彩風咲奈さん)
 ・夜の稲妻−愛原実花さん (新人公演 舞羽美海さん)


サンスポより引用

『風の錦絵』(石田昌也氏作・演出)は、“風”の持つイメージをさまざまな角度からとらえた舞踊パフォーマンス。


 
「風の錦絵」 音月桂さん(左)、白羽ゆりさん


 冒頭で女目明かしの白羽ゆりさんと奉行、岡っ引きが御用提灯を手に舞台を走る。中央の壇上にはいなせな義賊の白波5人男の水さん、彩吹真央さん、音月桂さん、彩那音さん、凰稀かなめさんが番傘を手に立ち、次々に口上を述べる。女心に火をつけて盗んだ“恋泥棒”という設定だ。

 白羽さんに捕縛された水さんが、恋の駆け引きをしながら去ると、舞台は「おわら風の盆」をモチーフにした「風の盆・幻想」。風の女に扮した松本悠里さんが、かつて恋人だった風の男(彩吹さん)の幻を追い求めて、恋の情念を狂女風に舞う。

 第3場は「風林火山」。山本勘助に扮した未来優希さんが朗々と歌い、毘沙門天が業火の中に浮かび上がる映像を背景に、上杉謙信役の轟悠さんがせり上がってくる。一方で武田信玄役の水さんが従者を伴って登場し、両雄の「川中島の合戦」のダンス・バトルへ。引き分けに終わった戦い。轟さんが♪勝者も敗者もうつけもの…と国盗り武将の虚しさを歌い上げる。

 菊人形の静御前(白羽さん)と源義経(音月さん)が“人形ぶり”を見せたあと、一転してコミカルでかわいい「ネコと小僧さんのラインダンス」。フィナーレは祭りの男と女たちで、轟さんがジャズ風にアレンジした「ソーラン節」を歌ったあと、同じく「さくら、さくら」の歌にのせて、桜満開のセットでにぎやかな総踊りとなる。


サンスポより引用

「ZORRO 仮面のメサイア」(谷正純作氏・演出)は、世界的ベストセラー「怪傑ゾロ」をモチーフに描く愛と冒険のミュージカル。幕が開くと、大きく「Z」の文字が描かれた大階段の中央に、黒装束、黒マント、黒マスクに身を包んだ仮面のメサイアS(水さん)が登場。メサイアの影たちとかっこいい剣舞を披露する。

 舞台は19世紀初頭のスペイン領カリフォルニア。スペインの圧政に苦しむロス・アンヘルス(現在のロサンゼルス)に、大農園の御曹司ディエゴ(水さん)がスペイン留学から、7年ぶりに帰ってきた。ところが、市長の父(飛鳥裕さん)とインディアンの母(ゆり香紫保さん)はスペインへの反逆罪で処刑され、使用人は全員、牢獄へ。屋敷はスペイン総督(凰稀さん)の司令部になったと知らされる。

 悲嘆に暮れるディエゴを、幼なじみで愛するロリータ(白羽さん)は慰めるが、ふたりの愛を封印。総督の手から逃れていた召使いのベルナルド(音月さん)やインディアンの仲間たちと洞窟で再会したディエゴは、昔からこの地で、人々を苦しみから救うと言い伝えられている、仮面の“メサイア”ゾロとなって立ち上がる。ベルナルドも“ゾロの影”として従う。

 処刑が行われようとしていた修道僧を助けたゾロに、人々は歓喜の声をあげる。守備隊長のメンドーサ大佐(彩吹さん)はゾロの正体をディエゴとにらみ、夜会を開催しておびき寄せることを提案。ディエゴは派手な宮廷風の身なりで現れ、間抜けなお調子者のふりをして周囲を惑わせる。

 ディエゴに失望したロリータは、レディ・ゾロとなって司令部に忍び込むが、本物のゾロと遭遇。ふたりは総督らの話から、ディエゴの両親が生きていて、使用人たちは隠し銀山で働かされていることを知る。ディエゴは彼らの救出に向かうが…。

 水さんは哀しみの御曹司、さっそうとした正義の味方、こっけいな優男と、さまざまな顔を演じ分け、何度も早替わりを繰り返して大忙し。ゾロが愛馬トルネードに乗って荒野を駈ける映像が、背景に大写しされる趣向も見どころだ。

 白羽さんは総督に抵抗し続けている気の強いお嬢様で、レディ・ゾロとして剣を振るうなど活発に動き回る。音月は幼い頃の母を殺された記憶から、言葉を無くしているという設定で、笛と表情だけで感情を表現する難しい役。その妻の夜の稲妻役は、次期娘役トップに決まった愛原実花さん。彩吹さんと凰稀さんは珍しく敵役に徹し、未沙さんはインディアンの長老とロリータの父の農園主の2役を演じている。

 フィナーレは、彩吹さんの歌で始まり、さまざまな男女が現れては消えるダンス・ナンバーのあと、白エンビ服姿の男役の群舞へ。音月さんと愛花さんが大自然の中に生きる男女に扮して、ドラマチックなダンスを披露する。ラインダンスはかわいいインディアンの娘たち。

 濃いピンク色のドレス姿の白羽さんが、彩吹さん、音月さん、凰稀さんらを相手に次々とダンスして、水とのデュエットへ。パレードの歌手は音月さんがつとめる。全員が並んで幕が降りようとしたとき、中央の水が剣を抜き、空中に「Z」を書いて締めくくる。