宝塚月組公演(シアター・ドラマシティー)「SAUDADE(サウダージ) Jにまつわる幾つかの所以」

 20日に観劇する予定。
日刊スポーツより引用

全て魅せます 宝塚月組瀬奈じゅんさん
日刊スポーツ記者・土谷美樹
 月組トップスター瀬奈じゅんさん主演のショーアクト「SAUDADE(サウダージ) Jにまつわる幾つかの所以」が大阪・梅田のシアター・ドラマシティーで開幕した(21日まで)。全場に瀬奈さんが登場し、出演者わずか13人ながら、ダンス中心に繰り広げるステージはエネルギッシュそのものだ。

 ダンスを中心に歌あり、ミニ芝居ありの話題の舞台が大阪で開幕した。

 舞台ではトップスター瀬奈さんが全場に登場。ほぼ出ずっぱりのハードな舞台で、キレのいいダンスが魅力の桐生園加(きりゅう・そのか)さん=98年入団第84期生花組 → 月組、若手スター青樹泉(あおき・いずみ)さん=99年入団第85期生月組=ら男役9人、娘役4人とわずか13人のカンパニーながら、エネルギッシュな舞台で見る者を飽きさせない。特にラスト、黒エンビ&ドレスでの群舞は圧巻だ。

 「SAUDADE」とはポルトガル語で郷愁、哀惜といった意味を持つ言葉。ミニ芝居では瀬奈さんが、どこか陰のある流れ者の男を演じ、元女優と偽り金持ち男をだまそうとする女(花瀬(はなせ)みずかさん=95年入団第81期生月組副組長)、俳優志望の青年(青樹さん)、若いイカサマ師(煌月爽矢(あきづき・さや)さん=06年入団第94期生)らが集まるカフェバーでの何げない会話の中に、それぞれの人生や抱えてきた悲しみが垣間見える仕組みだ。

 これが終われば瀬奈さん率いる月組はミュージカル大作「エリザベート」に入る。瀬奈さんにとっては3度目の「エリザベート」で、今回はいよいよ、瀬奈が念願の黄泉(よみ)の帝王トートを演じることでも話題。花組時代の02年には狂言回しのルキーニをエキセントリックに演じた。前回はタイトルロールの皇妃エリザベートを演じ女役で話題となった。「男役をやってる以上、一度はやってみたかった」というトートにも期待は高まる。

 ☆瀬奈(せな)じゅんさん 4月1日生まれ、東京都杉並区出身。東京文化高を経て92年「この恋は雲の涯まで」で初舞台。花組に配属となり98年「SPEAKEASY」で新人公演初主役。01年「マノン」でバウホール初役を果たした。04年12月、月組に組替え。翌年7月、月組トップスターとなり9月「JAZZYな妖精たち」で正式に宝塚大劇場でお披露目した。昨年7月、トップコンビを組んできた娘役の彩乃かなみ=97年入団第83期生花組 → 宙組 →月組 が退団した後は特定のヒロインとは組んでいない。
 高いダンス力を誇り02年「風と共に去りぬ」ではスカーレットを、05年「エリザベート」ではタイトルロールを演じるなど女役の大役もこなすマルチさも魅力。「エリザベート」には花組時代の02年10月ルキーニで、月組に異動直後の05年2月、ヒロイン・エリザベートで出演している。身長168センチ。愛称「あさこ」さん。