至極まともな記者会見

 小沢代表は「正直」だなと感じた。書類的には正しい見解かと思うが、さて道義的には(すごく日本的ですが)どうかなと思いました。記者は献金すべて悪という論で、小沢氏は入りと出が透明であれば誰からもらおうと構わない論で、すれ違いの記者会見であった。
 小沢氏はもともと自民党それも幹事長の要職についていたのだから「自民党体質」は残滓(のこりかす)のようにあるだろう。しかし、記者とくに政治記者はいつでも政治家の収支報告書を「チェック」できるのだから、いまごろ多額の献金などと騒ぐのも変な話である。さて、西松建設はどこまで検察と「司法取引」をしているのかということだ。この事件を契機に本体の部分がかすんでいくようにも思える。西松建設?の政治団体がどこの岩手県かな?設立した場所が分かれば(でも06年に解散しているので、京都選管の場合は3年間写しがみれるのでギリギリ閲覧できるが)この2つの団体の入りがどうなっているのかがカギだと思う。この入りが違法=東京地検は断定しているのだから、2つの政治団体の会計責任者も併せて逮捕してしかるべきだが。
朝日新聞より引用

小沢氏の記者会見でのやり取りは次の通り。

 ――党内外から代表辞任や議員辞職を求める声もある。進退は。

 「今申し上げたように、私自身として何らやましいこともありませんし、私の秘書の行った行為は、政治資金規正法にのっとって適法にきちんと処理し、届け出た。そして公にされていることであるので、私としては、それによってどうこうということを考えてはおりません」

――確認だが、献金を受けた時、出どころが西松建設と知っていたか。知っていたが、政治団体経由だから問題ないと思ったのか。

 「私が直接やったわけではない。すべての献金について秘書ないし担当者がやっているが、今回の大久保(秘書)の話によれば、さっきから説明している通り、政治団体からの献金であるという認識であったから、政治資金管理団体で受領したということに尽きると思います」

――第1秘書逮捕は、政権交代をめざすうえで大きな衝撃。衆院選への影響、政治とカネの事件は政治不信も高まると思うが、今後、どう訴えていくのか。

 「私は先ほどから繰り返し言っているが、政治献金については収入支出、入りも出もすべて公開をしています。今回問題になっている献金も、これも全部報告してきちんと処理を適法にいたしております。したがって、大久保が今逮捕されているが、遠からずその嫌疑は晴れるものと、そのように信じているので、私はそのことによって、少なくとも私自身と民主党に対する、そういった国民のみなさんの疑念は晴らすことができると、そのように思っている」

――与野党、多くの議員が二つの政治団体から献金を受けているが、なぜ今回検察のターゲットが小沢秘書になったと思うか。

 「全くわかりません、先ほど申し上げたように、私は今、民主党、野党第1党の党首、代表をいたしております。そして政治献金に関しては、何度も言うように、すべて法にのっとって報告し、オープンにいたしております。多分収支を全部オープンにしているのは私だけではないかと思っておりますけれども、それがどうのという意味じゃございませんが、私はそういうふうに明朗にきちんといたしております。それにもかかわらず、このような一方的な、いわゆるこじつけたような理由でもって、検察権力の発動は公正を欠く、非常に政治的にも法律的にも公正を欠く行為ではないかという風に感じております」

――検察権力の横暴だという発言があるが、謝罪がない。世間に動揺を与えたことへの謝罪はないか。

 「私は何度も何度も申し上げておりますように、何らやましい点もありませんし、また政治資金規正法にのっとって正確に処理し報告し、そして収支も全部オープンにいたしております。従って、今回秘書が逮捕される、強制捜査を受けるということについては全く合点がいかない、理解できないところでございます。従いまして、かならず、近いうちにその嫌疑が晴れ、私どもの正当性が証明されるものと思っておりますので、そういう意味において、いまおわびするという、その意味においては、理由は私は見当たらないと思っております」

――代表が言ったように近いうちに嫌疑は晴れるだろうということで謝罪も特にないが、送検、起訴なりされる場合も考えられるが、その時点でもそれは変わらないか。

 「私は起訴などということはないというふうに信じております。そして起訴に値するような法律違反、違法なことはやっていない、そういうふうに思って、そう認識しております」

――献金の出どころを代表は把握していなかったが、結果としてゼネコンから多額の資金が政治資金団体にきていた。自民党の政権を代えようとする中で、同じような体質があるのではという声が広がっているが、どう考えるか。

 「あなたはゼネコンだけの話をいたしますが、私は大変大勢の個人のみなさんからも献金いただいていますし、ゼネコンだけじゃなく、その他の企業からも身にあまるほどの献金をいただいている。心からみなさんに感謝している。旧来から政治資金に関して、あるいはその他の日本社会全体に関しての私の考え方ですけれども、献金を企業はいけないとか、誰はいけないとか、そういう意味で制約するやり方ではなくて、献金はどこから受けたって構わないけれども、それはすべてどこからいただいて何に使ったとすべて公開しろと。そしてそれを国民が見て、ああこういうところからもらっているのか、こういうところに使っているのかと判断できるディスクロージャー、一般の会社でも同じですが、行政もそうです、なかなか真実をオープンにしない、そういう社会の体質がいけないと思っている。従来からの私の主張は明朗あくまでも公開、オープン、何事も。そしてそれは妥当かどうかは国民、主権者が審判をくだすというのが、私は民主主義のありかただと思っておりますので、その今の自民党と同じ体質だというような類の意見はまったく心外であります。私はずっと以前から全部公開しろということをいってきた。自民党はひたすらそれを嫌がってきたわけであります。年金や医療の社会保険庁の行政をみてもそうじゃないですか。全部隠してきたじゃないですか。これがオープンになっていたらもっともっとはやく解決ができたろうと思っております。行政、各省庁、みなそうです。私はディスクロージャー、より日本社会をオープンな社会にして国民が判断する材料を、資料をきちんと限度内で、国民に提供する社会にすべきだというのが私の持論であります」

――小沢事務所で政治団体から4年で2100万円、その後、陸山会に入るが、その大きな献金のチェック機能はどうしていたのか。ノーチェックで入れていたのか。

 「チェックってどういう意味ですか?」

――その政治団体の背景はどういう背景かチェックしていたのか、事務所では調べたのか、システムはどうなっているのか。

 「一般的に言って、私の事務所だけじゃなくて、献金をしてくれるという方について、このお金は、どういうところから出ているのかは、普通の一般常識として、個人間でもみんな同じだと思いますが、どっから持ってきた金だとか、そういう類のせんさくはしないのが私は大多数だと思っている。従って、その意味で献金してくれる皆様の善意を信じてやってきているというのが現状だ。まあ個人もいえば、全く知らない人からもたくさん献金をいただいている。そういう意味において、私が先般申し上げたように、その献金そのものが、お金そのものが違法であるということが明らかになった時には、それは返却することにして、そのけじめをつけているつもりであります」

――今問題になっているのは、個人でなく実は企業献金だったと。そんな脱法的な献金のあり方が国民に不信を与えている。政治改革を進めてきて、この疑惑をどう思うか。

 「ですから、私どもの政治資金の処理の仕方としては、その政治団体の原資がどういう形でどういうところから入っているのかは、それは知る術もありません。ですから、そういう意味におきまして、政治団体からの寄付だったので、政治団体で受領したということであります。そしてもし今、西松建設の中でそのような脱法というべきか、違法な形で作られたお金であったということがはっきりした時点において、それは返却するつもりでおります」

――今日の説明まで時間かかった。これなら昨日話してもよかったのでは。遅れた理由と判断は。

 「別に意図的に遅らせたのでも何でもありません。全く予期しなかったことでありますから、大久保がどうなっているのか、それさえもまったくわからなかったし、そういったことを問いあわせたりしている間に時間が経過したということだけでございます。ですから今日は(民主党)役員会でお話しし、その後でみなさんにご報告を説明しているということでございます」

――秘書は政治団体からの献金であるという認識だったということだったが、便宜供与はなかったと。捜査でそれが覆った場合は。

 「私は覆ることがない、とさっきから言っているように必ず近いうちに嫌疑は晴れると。正当に適法に対応してきたということになるものと信じております」

――嫌疑ははれると言っているが、原資が脱法的であれば返却するということだが。

 「そうですそうです。そうです。過去にも、…水谷建設だったかな。それも嫌疑が確定した段階で、きちんと返却しました。今いまだ確定してないでしょ。確定したときには、そのつもりでおります」

――小沢代表は、陸山会の代表者。監督責任はある。その際に代表者としてどこまでチェックし、担当者から聞き取りし、関係情報まで目を通すか。どのようなチェックをしてきたか。

 「政治家は、一人で政治活動を全部やることは不可能です。ですから、スタッフ、秘書のサポートを借りながら活動を続けているわけであります。この政治資金につきましても、私も皆さんご承知のように、非力ながら民主党の代表として選ばれて務めさせていただいております。全国、一生懸命国民の皆さまに語りかけ、話しかけ、あるいは我々の政策を理解して頂く努力が、最大の、私は党首・代表としての任務だと思って、ずっと就任以来やってきました。まあ、民主党になってからだけではありませんけれども、私も40年やっておりますので、最初の当選した時より、だんだんそういう仕事が増えてきております。従いまして、細かな政治献金の一つ一つについて私が全部チェックするということは、いたしておりません。秘書を信頼してやる以外に現実問題として不可能なことでありまして、報告は受けて、全体の報告は受けて、それを了としておりますけれども、個別の一つ一つについてまで目を通す時間的、能力的余裕は現実にはないということであります」

――多額の献金を出す場合、自分たちが出しているとわかってほしいと企業は思うと思うが。

 「私が直接窓口としてやっていたわけではありません。従いまして、大久保の話を報告を聞けば、『自分としては政治団体の寄付行為、献金だという認識で法律にのっとって処理した』という報告を受けておりますので、私はその意味でさっきから申し上げておりますように、どういうふうにしてその原資がつくられたかということまでは知りうる術がありませんので、私は秘書が、担当者がそういうことをそのまま受け取ったということについて、至極自然のことだと思っております」

民主党役員室長「以上で会見を終わります」)