歌舞伎座がリニューアル

  老朽化のため、平成25年春の完成を目指し改築準備が進められている歌舞伎座(東京都中央区)のリニューアル後の施設の全容が27日、わかった。現在の場所に、地上約150メートルのオフィス棟(地上29階)と瓦屋根、唐破風の外観を残した劇場(4階)の複合施設を建設。内部には伝統文化継承のため歌舞伎ギャラリー、育成機能を持つ「アカデミー」なども開設し、国内外に歌舞伎の文化を伝える情報発信基地とする計画だ。

 新しい歌舞伎座は、客席数(現在2017席)は今とほぼ同じで、高齢者らに配慮しバリアフリー化。太陽光発電も採用する。オフィス棟を合わせた敷地面積は約6800平方メートルで、劇場部分の延べ床面積は1万8600平方メートル。地下は4階で約280台収容の大駐車場を造り、地下広場で地下鉄東銀座駅と連絡する。外観は欄干など現施設の一部を再利用しながら、「和」のイメージを残す。

唐破風(からはふ)
 唐破風は、日本特有の形式で、切妻のむくり屋根の先に曲線を連ねた形状の破風板が付けられる。古いものは勾配が緩やかで、新しいものは勾配が急になる。平安時代には既に同様のものがあったと考えられており、現存する最古のものと考えられているものでは、石上神宮奈良県)の摂社出雲建雄神社の拝殿(鎌倉時代)のものなどがある[1]。
城郭建築や、近世の寺院などで多く見られ、装飾性がある。邸宅や役所の玄関としてつけられることもあり、首里城正殿の通称「からふぁーふ」は正面玄関に唐破風が付けられていることから由来している。
唐破風には向唐破風と軒唐破風の2つの形式がある。

向唐破風(むこうからはふ)は、出窓のように独立して葺き下ろしの屋根の上に千鳥破風のようにして造られる。出窓として造られるものもあるが全くの飾りとして造られることもある。

軒唐破風(のきからはふ)は、軒の一部にむくりをつけるか、むくりをつけた切妻に付けて造られる。城郭建築、寺社建築などで見ることができる。