アズーリ PKに散る 

 オシムさんだけじゃないよね。PKは直視できないね。6月22日はスペインの「悪日」だったのに・・・。試合は、共に決定力に欠け、特に今大会はトニが・・・。
 この試合は、スペインがすべての面で勝っていた。ボール支配率56対44 支配分49分13秒対37分35秒 シュート数 枠内6対3 枠外15対5 コーナーキック8対3 それでも アズーリは120分余りでは ゴールを与えなかった。4試合で3得点 得点力不足としかいいようがない。 失点が4点(オランダに3点 ルーマニアに1点) 守備は良かった。
  

公式HPより。 マッチセンター → http://jp.euro2008.uefa.com/tournament/matches/match=301702/index.html

22日にオーストリアのウィーンで行われたUEFA EURO 2008(TM)準々決勝は、スペインがPK戦でイタリアを破り、24年ぶりの準決勝進出を決めた。

24年ぶりの準決勝進出
 スペインが終始有利に試合を進めたが、イタリアの堅守を崩せずに120分が終了した。迎えたPK戦では、GKイケル・カシージャスが2本のシュートをセーブ。準優勝した1984年以来、24年ぶりの準決勝進出を決めた。26日にウィーンで行われる試合では、グループリーグで4-1の勝利を収めたロシアと決勝進出を懸けて再戦する。イタリアは準優勝したUEFA EURO 2000(TM)以来のベスト4を目指したが、一歩及ばなかった。

イタリア、2選手が出場停止
 苦しんだ末に準々決勝進出を決めたイタリアは、累積警告のジェンナーロ・ガットゥーゾアンドレア・ピルロを欠いた。ロベルト・ドナドーニ監督は、この2選手の代わりにマッシモ・アンブロジーニアルベルト・アクイラーニを中盤に起用し、それ以外は2-0で勝利したグループリーグのフランス戦と同じ顔ぶれが並んだ。スペインのルイス・アラゴネス監督は、グループリーグで8強入りを決めた後のギリシャ戦で主力選手を温存し、この日の大一番には、今大会最多の4得点を挙げているダビド・ビジャなど主力を万全の状態でピッチに送り出した。



14年ぶりの公式戦
 両チームが公式戦で最後に顔を合わせたのは、1994年FIFAワールドカップまでさかのぼる。主要国際大会では14年ぶりとなる対戦は、静かな立ち上がりを見せた。ボール支配率では、序盤からスペインが圧倒的に優ったが、なかなかチャンスは生まれない。9分のビジャのシュートは、イタリアのGKジャンルイジ・ブッフォンが難なくキャッチ。続いてフェルナンド・トーレスもゴールを狙うが、枠内を外れた。対するイタリアの初めてのシュートは、19分。シモーネ・ペロッタがヘディングで合わせるが、カシージャスの正面を突いた。



スペイン優勢
 その後もスペインが主導権を握ったまま試合は進んでいくが、ブッフォンを中心にしたイタリアの固い守りを崩せない。25分にビジャ、31分にもダビド・シルバがシュートを放つが、ユベントスに所属する守護神は確実なセーブを見せる。一方のイタリアは36分にようやくチャンスをつかむ。アントニオ・カッサーノのクロスにルカ・トニが合わせるも、今大会まだ得点のないストライカは、フリーのヘディングをカルロス・マルチェナにブロックされた。それでもチャンスの数ではスペインが優り、前半の終盤には、トーレスとシルバのシュートが連続してイタリア・ゴールを襲った。



イタリアの好機
 後半に入っても、ポゼッションのスペイン、堅守のイタリアという構図に変化はない。イタリアはCBジョルジョ・キエリーニらが体を張ってゴールに鍵をかけ、スペインは自慢のテクニカルな中盤が小気味よくボールをまわす。だがスコアは動かない。そしてアラゴネス監督が、この状況を打開するために動いた。アンドレアス・イニエスタとシャビ・エルナンデスに代えて、サンティ・カルソラとセスク・ファブレガスを投入。中盤の2選手を一気に変更したスペインだったが、その直後に絶好機をつかんだのはイタリアだった。61分、ダニエレ・デロッシミドルシュートがブロックされた後、スペイン・ゴール前が混戦になる。最後はマウロ・カモラネージがゴール前からシュートを打ったが、GKカシージャスが懸命に伸ばした左足に阻まれた。



ブッフォンの幸運
 終盤に入ってもスペインの攻勢は変わらず、80分すぎには、マルコス・セナが連続してゴールを狙う。ブッフォンは最初のFKを簡単にセーブしたが、その後のミドルシュートを後逸。だがボールはポストに当たった後、ブッフォンの手中に収まり、なんとか難を逃れた。そして90分が終了し、UEFA EURO 2008(TM)準々決勝は、3夜連続で延長戦に突入。その後もスペインが攻める時間帯が多いが、ビジャのシュートは惜しくもゴール右に外れた。その直後には、イタリアにこの試合で最高の好機が訪れた。ファビオ・グロッソが右サイドから絶妙のクロスを入れると、途中出場したアントニオ・ディ・ナターレが頭で合わせる。ボールはスペイン・ゴールに向かったが、カシージャスが素晴らしい反応ではじき出した。そのレアル・マドリーCFの守護神は、PK戦でも本領を発揮する。


過去の不運を払拭
 スペインにとって6月22日は、不吉な日だった。過去の主要国際大会では、同日のPK戦で3度も敗退。しかしカシージャスは、イタリアのデロッシディ・ナターレのシュートをセーブ。イタリアのブッフォンもダニエル・グイサのPKを止めたが、スペインは5人目のファブレガスが勝利を決めるキックを沈め、準決勝へ進出することになった。

両監督コメント。

スペインのルイス・アラゴネス監督
 勝ったが、私たちは一つの小さな戦いを制したにすぎない。勝者にふさわしいサッカーをしたと思う。内容は良くなかったが、それはイタリアも同じだった。もっとスピードを生かすべきだった。テンポも非常に遅かった。速い球回しができれば、もっと多くの好機をつくれたと思う。それでも両チームにチャンスが生まれた。私たちの方が少し新鮮な状態だったが、ボールを持った時のスピードに欠けていた。イタリアの最終ラインに攻め込んでも、最後まで連携を続けることができなかった。体調面は良かった。イタリアはハイボールしか使うことができなかった。昨日の練習で、誰がPKをけるべきか様子を見た。今日の試合では、その中でもうまかった選手に任せた。

 監督の仕事は勝つこと。私は自分の仕事をしているにすぎない。勝つのはスペインにとって大切なことだ。私たちは過去に準々決勝で何度も負けてきたが、今回は突破することができた。決勝に進出できるかどうかを見極める時が来た。負けても気落ちはしないが、私は勝った時でも有頂天になることはない。しかし、勝てるのは、母国や選手、私自身にとって幸福なことだ。私たちは決勝に進出して優勝することを目指している。ロシア戦はグループリーグの対戦の時よりも難しくなる。シーズンのこの時期、ロシアの状態は頂点に達する。すでに勝っているので、楽な試合になると予想する人もいるが、今度は複雑な一戦になる。

イタリアのロベルト・ドナドーニ監督

 選手たちは全てを出し尽くした。全力のプレーをした。彼らの見せたサッカーと努力を誇りに思う。出場した者もそうでない者も、選手たちにはあと一滴のエネルギーも残っていなかった。勝ち上がることできず、彼らには本当に残念だった。だが結果はどうあれ、誇りに思う。いつ大会から去るかは関係ない。敗退する可能性は、グループリーグ、準々決勝、準決勝のどこでもあった。今大会の評価は、ほかの人たちに任せる。私はただ選手を誇りに思っている。