ポルトガルに勢い 準々決勝へ一番乗り 開催国スイスはトルコに逆転負けで脱落

 バーゼル(スイス)11日共同より引用。
 サッカーの欧州選手権第5日は6月11日、スイスの2都市で1次リーグA組の2試合を行い、ジュネーブではポルトガルがFWクリスティーアノ・ロナルドの活躍でチェコに3―1で快勝し、2勝の勝ち点6で同組2位以内が確定し準々決勝へ進出した。バーゼルでは地元スイスがトルコに1―2で逆転負けし、敗退が決まった。

 ロナルドは全得点に絡んだ。前半8分にシュートをGKに阻まれたが、こぼれ球をMFデコ(本名はアンデルソン・ルイス・デ・ソウザ)が押し込んだ。後半18分には自ら右足で決め、終了間際には横パスでFWリカルド・カレスマポルトガルでの発音はクァレズマかクァレジュマに近い。)の得点を引き出した。

 トルコは0―1の後半12分にFWセミフが頭で決め、ロスタイムにMFアルダが勝ち越した。

 A組では勝ち点3同士のトルコとチェコが準々決勝進出を懸けて15日に対戦する。

公式HPより。

  スイスのジュネーブで行われたUEFA EURO 2008(TM)グループAの一戦は、ポルトガルがクリスティーアノ・ロナルドの1得点2アシストの活躍でチェコを3-1で下した。

C.ロナルドが活躍
 グループ初戦でトルコを下したポルトガルは、8分にデコの先制点を奪う絶好のスタートを切った。しかしチェコもすぐに反撃に転じ、17分にはリボル・シオンコのヘディングシュートで同点に追いついた。その後も両チームにチャンスが生まれたが、チャンスの数で上回るポルトガルは63分にクリスティアーノ・ロナルドのゴールで勝ち越すと、ロスタイムにもリカルド・カレスマが加点。これで勝ち点を6に伸ばしたポルトガルは、バーゼルの第2試合でトルコがスイスを破ったため、準々決勝進出を確定した。

バロシュが先発
 開幕戦で共催国スイスを破ったチェコのカレル・ブリュックナー監督は、1トップにヤン・コレルではなく、ミランバロシュを起用する予想外の選択をした。一方のポルトガルは、2-0で完勝したトルコ戦と同じ先発メンバー。両国の対戦はEURO 96(TM)以来となったが、最高のスタートを切ったのは12年前に0-1で敗れたポルトガルだった。8分、クリスティーアノ・ロナルドがヌノ・ゴメスと絶妙のワンツーで抜け出てシュート。ボールはチェコのGKペトル・チェフにセーブされたが、こぼれた球に素早く追いついたデコが混戦の中から決めて先制する。

最高の雰囲気
 好天の中で行われた一戦は、両国サポーターの熱烈な応援もあり、素晴らしい雰囲気の中で進んだ。先制点を許したチェコだったが、その直後にはマレク・ヤンクロフスキのシュートで反撃。17分には、スタジアムの半分を埋めたチェコ・サポーターが大歓声を上げる瞬間が訪れた。起点になったのは、右サイドで何度も好プレーを見せたシオンコ。ゴールライン近くまで持ち込むと、CKを獲得する。ヤロスラフ・プラシルがゴール前にボールを入れると、シオンコは強烈なヘディングシュートをめた。

UCL決勝の再現
 追いつかれたポルトガルだったが、攻撃の手は緩めない。20分すぎには、デコとクリスティアーノ・ロナルドが続けてミドルシュートを放つ。チェコのGKチェフは、今季のUEFAチャンピオンズリーグ決勝にチェルシーFCの一員として出場。モスクワでの一戦では、マンチェスター・ユナイテッドFCのクリスティアーノ・ロナルドにゴールを許したが、この場面ではその再現を許さなかった。

両チームに好機
 後半に入っても、両チームの熱いプレーが続く。チェコのシオンコはポルトガルゴール前を横切るクロスを送った。さらにトマシュ・ウイファルシのヘディングシュートは、枠をわずかにとらえきれない。一方のポルトガルでは、ヌノ・ゴメスに連続してチャンスが訪れる。31歳のベテランストライカーのシュートは決まらなかったが、スピード豊かなサッカーを続けるポルトガルに勝ち越し点が生まれたのは当然の流れだった。

鮮やかな決勝点
 2点目は鮮やかな連係と個人技から生まれた。中盤でボールをつないだ後、右サイドのデコにボールが渡る。FCバルセロナのMFは、グラウンダーのパスを選択し、待ち構えていたクリスティアーノ・ロナルドが右足を振り抜くと、強烈なシュートはチェフの守るゴールを陥れた。

8強入り目前
 その後はチェコも猛攻に出る。終盤には、シオンコがフリーでヘディングを放ったが、GKリカルドのセーブに阻まれた。ロスタイムには、チェコが前がかりになったところをポルトガルが突き、クリスティアーノ・ロナルドが持ち上がり、最後はカレスマへパス。無人のゴールに3点目が決まり、勝利を確実にした

カレスマ(右)の3点目をアシストしたC・ロナルド (Copyright Getty Images)