Jリーグ存亡の危機!! 

ディリースポーツより引用します。

Jリーグは5月22日、都内で臨時の合同実行委員会を開いた。不祥事が相次いでいる現状を踏まえ、鬼武健二チェアマン(68)は「極端に言えば、Jリーグは今、存亡の危機にあると考える」と発言するとともに、全クラブに対して、法令順守などを求める文書を出した。再発防止へ、今後は史上初の無観客試合や勝ち点のはく奪など、厳しい制裁を科す考えもブチ上げた。

 酒気帯び運転、元柏の茂原被告の逮捕、浦和-G大阪戦における暴動…。相次ぐ不祥事に、鬼武チェアマンがほえた。「もちろん(再発が)ない前提での話だが、極端に言えば、無観客試合や勝ち点はく奪ということもあるかもしれない」。緊急事態を受けたリーグトップの重大発言だった。

 同チェアマンは、不祥事が後を絶たない状況を「Jリーグ存亡の危機」と表現した。今後、リーグ規約の制裁条項内に内規を作成する方針も固めた。さらに「Jリーグの信頼回復に向けて」と名付けられた文書を各クラブに送り、選手やスタッフへの指導を徹底させることにした。

 リーグ発足から15年。無観客試合や勝ち点のはく奪などに関しては、Jリーグ規約に明文化されてはいるものの「あくまで行わない方向でやってきた」(J関係者)。もっとも、不祥事が相次ぐ現状を打破するために、実行に移す可能性も明言。今後、設けられた内規に違反する不祥事を起こしたクラブには、厳罰が下される見込みだ。

追記

「安全なスタジアム」づくりの実現に向けて

 Jリーグは、これからも、世界に誇れる「安全で快適なスタジアム」、「地域に愛されるクラブ」づくりを実現し、常にフェアで魅力的な試合を行うことで、地域の皆様に夢と楽しみを提供していきます。

 Jリーグでは、5月17日(土)開催の浦和レッズvsガンバ大阪埼玉スタジアム)で発生したサポーター同士の衝突、また、鹿島アントラーズ所属の選手による酒気帯び運転、選手やスタッフの交通事故、法律や社会規範に反する事件など、皆様の信頼を損なうような重大な不祥事が続きました。
 この度の一連の不祥事について、Jリーグ・Jクラブの責任は非常に重く、全国のファン・サポーターの皆様、スポンサーや関係者の皆様に、多大なるご迷惑、ご心配をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
 Jリーグは、この事態を真摯に受け止め、昨日5月22日(木)、J1・J2全33クラブによる緊急の臨時合同実行委員会を開催いたしました。この中で、鬼武健二チェアマンは、全クラブに対し、Jリーグの置かれた社会的立場、その責任の重さについて言及し、信頼回復が急務の状況であることを訴えました。これを受け、リーグ・クラブは、今後、ただちに一丸となって皆様の信頼回復に努め、また、不祥事の際に科する罰則についても、より厳しい内規を設けて適用していくことを確認いたしました。特に重点項目として、1.法令順守、2.世界に誇れる安全で快適なスタジアムづくり、3.自らの言動に責任を持つ、の3点を、Jリーグ、Jクラブ、監督・選手・スタッフを含む全関係者に徹底することといたしました。
 Jリーグ・全33Jクラブは、社会の一員として、子供からお年寄りまで、日本中の多くの皆様に心から楽しんでいただけるような “安全で快適なスタジアムづくり”、“地域に愛されるクラブづくり”の実現に向けて、志新たに取り組んでまいります。さらに、ピッチの上の選手たちは、子供たちの模範となり、たくさんの人々に夢と希望を提供できるよう、常にフェアですがすがしいプレーをお見せすることを約束します。
 特に、“安全で快適なスタジアムづくり”には、スタジアムに応援にきてくださるファン・サポーターの皆様のご協力も不可欠です。レフェリー、両チーム、相手チームのサポーターに対して、互いに敬意を払い、スタジアムに集まる全ての人々がひとつになって、共にすばらしい試合を実現できるよう、ぜひご理解とご協力をお願い申し上げます。

今後とも、Jリーグの活動に、温かいご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。
スポーツでもっと幸せな国へ。〜Jリーグ百年構想〜
社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)・Jリーグ全33クラブ


5月17日の事件概要

J1・第13節、浦和2-3G大阪」(17日、埼玉)

 埼玉スタジアムで行われた浦和レッドダイヤモンズ −  ガンバ大阪の試合終了後、浦和サポーター約5000人が、G大阪側観客席の出口を3時間にわたって“封鎖”。G大阪サポーター約1000人が外に出られない異常事態が発生した。また、観客席にいた両チームのサポーターがもみ合いになり、G大阪サポーター(男性)が観客席から約4メートル下に転落し、ケガをした。
動画1 → 転落

試合は3-2でG大阪が勝ったが、国内2大クラブの今季初対決は、後味の悪さを残した。

 怒号とともに、移動式フェンスで区切られた緩衝帯が両軍サポーターによって破壊されていく。J史上最大級の乱闘騒ぎだ。判定などをめぐり、両サポーターがヒートアップ。試合後、浦和サポーター約5000人がG大阪側の観客席の出口を取り囲み、G大阪サポーター約1000人を閉じ込めた。

 試合前からゴール裏には、異様な雰囲気が漂った。フェンス越しに挑発し合い、水入り風船、紙コップ、フラッグの竿などが飛び交い続けた。そして、1-0の前半44分。ボールがサイドラインを割り、判定が出ないうちにバレーがスローイン。そのままG大阪が追加点を奪った。このプレーに浦和GK都築が猛抗議。浦和サポーターの不満は募っていった。

 試合終了直後、勝利にわくG大阪イレブンはピッチ上で円陣を組み、喜びを表現。これを見た浦和・闘莉王らが突進するなど両軍は一触即発となった。
 動画2 → 試合終了後(別角度)

呼応するようにサポーターの争いも激化。もみ合いによって観客席から転落した大阪府在住の35歳男性は、骨折の疑いで救急車で病院に運ばれた。

 浦和サポーターは、G大阪サポーターの謝罪を要求し続けた。緊急事態に埼玉県警は約200人が警戒に当たり、機動隊特殊車両3台、パトカー20台以上も出動。“封鎖”してから3時間、ようやくG大阪サポーターは別出口から急きょ用意されたバス約20台で搬送された。吹田市内に住む23歳の男性は「なんで勝ったのにこんな目に遭わないといけないんだ」と、涙目で訴えた。同日午後7時ごろ、双方のサポーターの代表者が話し合って騒ぎは収束した。

 大トラブルに滝マッチコミッショナーは、緊急報告書をチェアマンとJリーグの裁定委員会に提出。最悪の場合、主催者の浦和に1千万円の制裁金が科せられる可能性もある。リーグ戦中断前、最悪の遺恨が残った。

動画3 → サンデーモーニング

動画4 → 埼玉スタジアム(試合終了後 2とは別角度の撮影)

関連項目 → 5月18日のガンバ大阪サポーターだけの問題じゃない!

 18日のエントリーでは書かなかったけれど、これは双方の観客に対する「傷害事件」である。これについては、絶対に犯人を検挙してもらいたい。

関連ブログ → 晴れ時々公園東口さん(当日観戦されていたガンバサポーターさんの感想=正直わたしも同じ考え)

→ RED SPORTS さん(レッズサポーターさんの感想=試合冒頭から暴走したガンバサポーターは永久追放しなければいけません)(1) http://redsports.blog17.fc2.com/blog-entry-859.html
 コメントにある水爆弾で不愉快な目にあったレッズファンの子がこわくて試合が見にこれなくならないようにしなくては。 (2)http://redsports.blog17.fc2.com/blog-entry-857.html 運営の責任もありますね。


追記(時事通信 2008年5月17日 22:01)

 浦和−G大阪戦でサポーター乱闘=男性1人がけが・Jリーグ
 5月17日に埼玉スタジアムで行われたJリーグ1部(J1)第13節の浦和−G大阪戦で、試合終了後に両チームのサポーターによる乱闘騒ぎがあった。
 この試合の藤口光紀実行委員(浦和社長)によると、大阪府から観戦に来ていた35歳の男性が騒ぎの中で観客席から落下し、右足首関節に打撲を負った。男性は骨折の疑いもあったため病院に運ばれたが、診察後に帰宅した。スタジアムの医務室には11人が運ばれた。
 藤口実行委員によると、試合前にG大阪サポーターが投げた水風船が浦和サポーターの子供に当たったことが騒動の発端となった。試合後にはG大阪サポーター約1000人が、浦和のサポーター約5000人に囲まれる騒ぎもあったが、両サポーターの話し合いで約3時間後に収拾した。 

 埼玉スタジアムのピッチが戦場と化した。両軍あいさつが終わった直後、G大阪が全員で大きな輪を作り、勝利の儀式「ワニナレナニワ」で喜びを表現。本拠地での“屈辱行為”と見た浦和MF闘莉王とFWエジミウソンが、その輪に飛び込んで止めようとする。儀式は終わらず、両軍もみくちゃ、乱闘寸前。

 「喜ぶといっても限度がある。相手を傷つけたりナメるようなことはしてはいけない。あんなことをするのはプロじゃないし、場所を考えてやらないと、こっちも黙ってない」と闘莉王がまくし立てた。

 伏線は試合結果に直結した不可解な判定。0−1の前半ロスタイム、G大阪FWバレーのドリブルが大きくなり、浦和DF阿部が体を入れて、ボールは右サイドラインの外に出た。どう見ても浦和のスローイン。しかし、岡田正義主審と副審はどちらのボールか判定を下さず、ボールを取ったバレーがG大阪MF二川へスローイン。走り込んだFW山崎にパスが渡り、2点目を奪われた。

 主審に事情説明を求めた主将MF山田にイエローカードが出され、ハーフタイムにもGK都築が異議を唱えて警告。
 「最近、Jリーグでこういう試合が多すぎる。主役は俺らなのに、あの人(主審)が主役として試合を動かしていた。寂しいです」とMF相馬は吐き捨てた。

 中村修三・強化本部長は「2つのプレーについて意見書を出す」と、前半44分にFW高原がペナルティーエリア内で倒されたプレーと、同ロスタイムのスローインの場面について、週明けにJリーグへ意見書を出す。

 浦和は得失点差で首位の座はからくも守ったが、遺恨と後味の悪さが残された。 


追記 浦和レッドダイヤモンズ公式サイト 5月23日

5月17日、ガンバ大阪戦のトラブルについて http://www.urawa-reds.co.jp/tools/page_store/news_3969.html

 17日のガンバ大阪戦でのトラブルにおいては、多くのファン・サポーターの方々にさまざまなご迷惑をお掛けしました。各関係機関の皆様にもご心配、ご迷惑をお掛けしました。改めて深くお詫び申し上げます。
今回のトラブルを受けた今後の対応策の概要およびクラブ内処分についてお知らせ致します。
なお、具体的な対応策につきましては、今後、弊クラブ・オフィシャルサイト上などでお知らせして参ります。


1.安全なスタジアム運営への対応策概要
(1)危機管理体制の再構築
情報の集約や事態への対応方針等に不完全な部分があるため、クラブ内で再構築致します
(2)警備体制の見直し
ソフトな警備方針を堅持しつつ、不測事態に適時適切かつ柔軟に対応できるよう、警備体制を抜本的に見直します。危険度に応じて断固たる措置を取る等の手法も一部導入します。従来の警備体制の質的向上を図ります
(3)特別警備のためのセキュリティチームの新設
状況に応じて、多様な警備体制と措置を講じることができるよう、新たなセキュリティチームを新設します。通常時は出動しませんが、危険行為が発生した場合、ハードな措置を取ることも検討します。体制や発足時期等、今後詳細を決めて参ります
(4)スタジアム内広報体制の強化
(5)緩衝地帯、導線の見直し
(6)手荷物検査の徹底
(7)関係機関との連携強化
※その他、必要な対応につきましても検討のうえ、順次実施して参ります

2.クラブ内処分・ペナルティ
(1)常務取締役事業本部長:減俸5%1ケ月
(2)運営部長:減給
 なお、弊クラブ代表は1ケ月間、報酬5%を自主返上致します。
また、強化本部長に対して、チーム運営にあたってフェアプレーの遵守に努めるよう弊クラブ代表から改めて指導しました。

3.対応策および処分について
 Jリーグ第13節、ガンバ大阪戦<5月17日(土)埼玉スタジアム>で、試合開始前と試合中、ビジターゴール裏スタンドからペットボトル、水風船など多くのモノが隣接する浦和レッズ側のゴール裏スタンドに投げ込まれました。熱狂的なサポーターが、家族連れなど一般ファンに向かって、計画的にかつ無差別にモノを投げ込むという暴行行為は、敵味方を問わずサッカーを愛する者として決して許されない行為です。
試合開始前より試合終了時点まで約2時間にわたり、断続的に一般ファンが無差別の暴行行為を受ける危険な状態にさらされておりました。この間、ファン・サポーターの皆様は、お互いに声を掛け合い冷静な対応に最大限努めていました。にもかかわらず、その間事態の沈静化を図れず、またガンバ大阪のファンの方々が試合後、長時間の待機を強いられる等の混乱を招いたことは、主管者である弊クラブの警備体制の根幹が問われる深刻な問題です。
 Jリーグが掲げ弊クラブも実践してきた安全で快適なスタジアムづくりにという理念を裏切ることになりました。早期に十分な措置を講じていれば、キックオフ前からの一般のファン・サポーターに向けられた悪意ある暴行行為を試合後の大きなトラブルに発展させることはなく、警備体制と警備実施の不手際を重大に受け止めております。中でも浦和レッズガンバ大阪を問わず、ご来場いただいた善良な一般のファンの方々に多大なご迷惑をお掛けしましたことを改めて心からお詫び申し上げます。
 浦和レッズファンの皆様の中には、試合前や試合中にモノを投げつけられた方々がいらっしゃいました。両チームのファンには警備員が暴行行為を阻止するだろうと期待しながら観戦された方も多くいらっしゃいました。不安な状況での観戦を強いてしまい、深くお詫び申し上げます。
 ガンバ大阪ファン2000名のうち約800名の皆様については、弊クラブが埼玉県警察とご相談し安全確保を第一に、いったんスタジアムで待機していただく形を取らざるを得なくなりました。試合終了から3時間半後までに専用バス等で全員が会場を出発されましたが、警備不備により多大なるご心配、ご迷惑をおかけいたしました。待機の間、状況説明はなく、不測の事態に遭う不安の中、予定通りご帰宅できず、予定変更を余儀なくされた方もいらっしゃいました。そのような環境を強いてしまい改めて深くお詫び申し上げます。
 このような経緯から、再発防止に向け対応策を進めるとともに、弊クラブの関係者に対して、処分・ペナルティを課すことに致しました。

4.試合後の混乱について
 試合後、スタンド外では、ガンバ大阪側ゴール裏入口周辺に、浦和レッズのサポーター数十名が集まりました。混乱に乗じてガンバ大阪サポーターが所有する器物(横断幕、太鼓等)を損壊する事件が発生しました。新聞記者の1人はシャツを破られました。待機の後、ご帰宅されるガンバ大阪ファンへの威嚇行為もありました。トラブルとは別の場所で観戦していたファンが中身入りペットボトルを投げつけられ、けがを負う事故もありました。弊クラブの責任は重大ですが、混乱に乗じて違法行為を行うことも決して許されることではありません。許されぬ行為の実行者については、特定に努め、弊クラブとして厳正に対処致します。

5.選手の言動について
 青少年に夢や希望を与えるプロサッカー選手の言動は影響力も強く、強い自覚が必要です。また、勝って喜び、負けて悔しがるのはスポーツとして当然の姿です。今回不適切ととらえられかねない言動がトラブル拡大に影響した面も否めず、サッカーを愛するファン・サポーターの皆様に不快感を与えましたことを深くお詫び申し上げます。選手たちには、21日、強化本部長がピッチ内外で冷静な対応をするよう注意喚起しました。今後もスポーツマンシップを促すため、選手への指導を推進して参ります。   以上