「ちりとてちん」第130話は泣き所満載

 つくづく脚本の藤本有紀さんは上手いと思う。物語を福井の小浜市・和田家と大阪市の草若師匠宅を基本に、主役の徒然亭若狭(和田喜代美)を柱にするものの、週代わりでサブキャラクターがまるでスピン映画のように主役に躍り出て活躍する。そこに至るまでに行く筋もの伏線をはりめぐらし、あ〜あのときのことはここにつながるのかと感心しきりです。
 第130話は、正平君です。喜代美の弟の正平君は、姉と違って良く気のつく子で、頭脳明晰、手先が器用と申し分ないが、優しすぎて人生のど真ん中を歩めずにいる。「恐竜博士」になりたくても留学の費用が和田家では工面できず断念。かといって伝統若狭塗り箸職人にもなりたくない。
 そんな正平の気持ちを知っていたのに、母の糸子は「子どもに甘えてしもうた」と涙を流す。義母の小梅さんは、息子の正典さんと結婚してから