革命戦士 ゲバラ

  毎日新聞 2007年10月9日 10時32分

キューバ革命の英雄、チェ・ゲバラの没後40年式典が8日、同国中部サンタクララで開かれた。病気療養中のフィデル・カストロ国家評議会議長(81)は出席せず、「40年前に倒れた傑出した戦士に私は頭を下げる」との議長の追悼文が読み上げられた。

 ゲバラはゲリラ戦を展開していたボリビアで67年10月8日、同国政府軍に捕まり、翌日処刑された。遺骨は97年に発見され、ゲバラゆかりの地サンタクララに安置されている。

 追悼文でカストロ議長は、ゲバラは世界に良心の種をまいたとし、「あなたが成し遂げようとしたことに感謝する。私たちとともに、私たちのために戦った」とたたえた。式典には、ゲバラの妻アレイダさんや子供、孫ら遺族を含め約1万人が参加した。最高指導者を代行する議長の実弟ラウル第1副議長も出席し、ゲバラの巨大なブロンズ像の前に献花したが、演説はしなかった。

 アルゼンチン出身ゲバラは、メキシコで亡命中だったカストロ兄弟に誘われ、キューバ革命に参加。ゲバラが率いた部隊がサンタクララキューバ政府軍を撃破し、59年1月のキューバ革命を決定付けた。ゲバラ国立銀行総裁や工業相を務めたが、再びアフリカのコンゴボリビアでの革命闘争に身を投じた。

 一方、ゲバラが処刑されたボリビアでも、ゲバラを崇拝する左派のモラレス大統領が出席し、式典が行われた。

 チェ・ゲバラの遥かな旅 (集英社文庫)