ドラゴンが墜ちた 

 得点力不足が心配される中で、久保を選ばなかった選択はどうでしょうか。最後のスコットランド戦で確かに久保は本調子ではなかった。しかし、ペナルティエリアを9人で守るようなガチガチの守備に対して、国内組のMFが久保にいいパスを手渡せなかったことも一因だと思う。ワールドカップは絶対に先取点を取ったチームが有利になる。これまでのような「奇跡」頼りなら、02年のトルコ戦のような敗北が待っているでしょう。

この日、久保は体をケアするため山形にいた。落選の一報は移動中の新幹線の中。佳奈子夫人(29)からの電話で知った。一昨年10月から椎間板(ついかんばん)ヘルニアの治療に専念し、全国を回って治療を重ねる努力を見てきた夫人は「居ても立ってもいられなくて…」と長女と二女と一緒に迎えに来た。大好きな父親が落選したことを知った長女は「ジーコ嫌い」とショックを受けていたという。

 サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会に出場する日本代表23選手が5月15日、東京の日本サッカー協会ジーコ監督から発表された。 毎日新聞 2006年5月15日

 同協会の手嶋秀人広報部長が司会を務めた会場は熱気に包まれ、日本国中が注目する選手リストを持つジーコ監督は、川淵三郎キャプテンとともに会見場に現れた。

 メンバー発表前に、ジーコ監督は「選んだのはW杯を戦い抜けると確信した選手。今までの経験をすべて生かして選出した。これ以上のものはない。最終的な決定まで、すべての選手について悩んだ。23人の選手を選んだのはプロとしての決断、選ばれなかった選手も高いレベルを持っている。今後も強い気持ちで臨んで欲しい」とコメントし、GKの土肥洋一(FC東京)からDF、MF、FWの順に、日本代表メンバーを読み上げた。

 引き締まった表情で、名前が読み上げられる中、報道陣から大きなどよめきが起きたのは、FWの発表時だった。柳沢敦(鹿島)から読み上げられた5人のFWの中に「ドイツへ連れて行く場合は、日本の主力として戦ってもらう」と話していた久保竜彦(横浜)が入っていなかった。「久保は素晴らしい選手だが、腰・ヒザ・足首に不安がありフィジカルが完ぺきでない。では柳沢は? と疑問に思われるかもしれないが、自分の経験から骨折をしてもリハビリが良くフィジカルが整えば戦えると判断した」とコメントした。

 会見冒頭で「最終的な代表発表を、国民のみんなと共有したかったので、まだリストを見ていない」と話していた川淵キャプテンは23人発表を受け「驚いた。あとで自分の表情をVTRで見たい。巻誠一郎(千葉)が選ばれたことは、最後まで諦めないことは尊いことなのだと思った。頑張り抜いた姿勢を評価されたことをうれしく思う」と感想を話した。

 日本代表は17日から福島で合宿、26日にドイツへ出発する。30日にドイツ代表と、6月4日にマルタ代表とテストマッチを行い、6月12日にW杯初戦のオーストラリア戦を迎える。【デジタルメディア局】

 出場が決まった23選手は以下の通り。(年齢はW杯開幕時)

 【GK】土肥洋一(32)F東京▽川口能活(30)磐田▽楢崎正剛(30)名古屋

 【DF】田中誠(30)磐田▽宮本恒靖(29)ガ大阪▽三都主アレサンドロ(28)浦和▽中沢佑二(28)横浜マ▽中田浩二(26)バーゼル坪井慶介(26)浦和▽加地亮(26)ガ大阪▽駒野友一(24)広島

 【MF】福西崇史(29)磐田▽中田英寿(29)ボルトン中村俊輔(27)セルティック小笠原満男(27)鹿島▽稲本潤一(26)ウエストブロミッジ▽小野伸二(26)浦和▽遠藤保仁(26)ガ大阪

 【FW】柳沢敦(29)鹿島▽高原直泰(27)ハンブルガーSV=フランクフルトに移籍予定▽玉田圭司(26)名古屋▽大黒将志(26)グルノーブル巻誠一郎(25)千葉

 

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