永田議員の「おぼっちゃま体質」が問題だ。

 日経新聞社説より引用

社説1 あまりにもお粗末な永田議員と民主党(3/1)
 民主党永田寿康衆院議員が「送金メール問題」で記者会見し、「情報の信ぴょう性を立証できない」と認めて謝罪した。議員としての進退は「鳩山幹事長に一任する」と述べるにとどまった。根拠のない情報を国会質問で取り上げ、武部自民党幹事長らを「カネで魂を売った」とまで中傷し、国会を大混乱に陥れた責任は重大であり、単なる謝罪で済むような話ではない。

 永田議員の記者会見は極めて歯切れの悪い内容であった。「送金メール」を真正と判断した理由について(1)仲介者はフリーの元記者で全幅の信頼を置いていた(2)仲介者によれば情報提供者は送金にもかかわっていた(3)銀行口座の情報も提供された――などと述べた。

 この程度の理由で「メールが真正」と判断したとしたら、永田議員の情報分析能力や調査能力は極めてお粗末と言うほかない。永田議員は情報提供者とは直接会っていないことを認めた。仲介者に送金メールの電磁記録の提示を求めたが、提示はなかったという。あいまいな情報と不十分な調査で断定的な国会質問をした永田氏は国会議員としての資質や適格性が厳しく問われている。

 永田議員は「メールの信ぴょう性は立証できないが、まだ真実が含まれている可能性はある」と主張した。だとすれば一刻も早く「真実」を国民の前に明らかにすべきだ。そのことを理由に議員辞職を回避するような態度をとるべきではない。

 今回のような情報が寄せられた場合、普通の政党なら調査チームをつくり情報の裏付けを行った上で、国会質問をするのが通例である。永田議員の話を鵜呑(うの)みにして国会質問にゴーサインを出した野田国対委員長の責任も重大であり、国対委員長辞任は当然である。

 不正の追及は国会における野党の大事な役割である。そのためには十分な裏付け調査が必要であり、もし、十分な裏付けがとれない場合は質問にも慎重さが必要である。あいまいな情報で大げさな疑惑追及をすれば、国会は不毛なスキャンダル暴露合戦の場になって国民の信頼を失ってしまう。戦前の政党政治がそうしたプロセスを経て崩壊した教訓を与野党とも忘れてはなるまい。

 民主党は党声明で「メールは堀江容疑者が発信したものではなく、本物ではない」と認め、前原代表は謝罪したが、党首討論で「確証がある」と言い切ったのはあまりにも軽率だった。民主党の立て直しは容易でない。その出発点は永田議員が明確な責任をとることである。

 民主党は「ライブドア」に似ている。政党としての基礎力がないのに、これまで「風」で当選してきた人物が多い。ところが、小泉旋風の前に、右肩上がりが挫折し、党の弱点がもろに出てきている。永田氏は一昔前なら自民党から出る政治家だろう。それが民主党を愛しているとのたまう。どこに政治信念があって今日のような甘ったれた事件を引き起こすのか
はなはだ疑問である。お坊ちゃまはだまされているのがとうに分かっている「同志」をいまだ庇っている。もうどうしようもない甘ちゃんである。民主党の議員が嫌う社会党には岡田春夫さんなど7人衆といわれる切れ者が巨大与党に切り込んで、国を揺るがすような国会審議をしていた。爪のあかでも飲むべし。