映画 NANA ぶっちぎり

夕刊フジより引用しました。

 公開中の映画「NANA」(大谷健太郎監督)が“社会現象”を巻き起こしたセカチュー、「世界の中心で、愛をさけぶ」を超える勢いだ。主演の中島美嘉(22)が歌う主題歌「GLAMOROUS SKY」もオリコン初登場1位になるなど、漫画、映画、歌−三位一体の大ヒット街道を進む。

 「NANA」は、今月3日の公開初日の観客動員数がセカチューの2割増し。11日までの興行収入は約15億円、110万人を動員。日本映画のヒットの物差しである10億円を軽くクリア。配給の東宝は語呂合わせから「興収77億円を目指す」と鼻息も荒い。

 原作「NANA」(矢沢あい)は、2000年に女性月刊誌「Cookie」(集英社)で連載をスタート。既刊13巻のコミック売り上げは2500万部を突破。これだけで巨額の印税が作者に転がり込んだことになる。

 映画は、恋を追いかける小松奈々(宮崎あおい=19)と歌手の夢を持つ大崎ナナ(中島)という性格も生い立ちも対照的な2人が織りなす友情物語。女性に絶大な人気がある矢沢作品だが、そのストーリー性から熱心な男性読者も多い。映画でも原作の特徴である、細かな心理描写を忠実に再現している。

 映画と同時にヒット中の主題歌だが、「音楽関係者にも原作は有名で、あの役は中島にピッタリ。音楽も原作のイメージに合い、中島見たさに映画館に足を運んだ人も多いはず。歌姫の力はすごい」(CD制作関係者)とヒットに中島の力も大きく働いたよう。

 さて、原作者の矢沢氏は、高校在学中の85年にデビュー。大阪の服飾専門学校入学後も、「りぼん」(集英社)で短編作品を発表。現在の20代女性は同誌で91年に連載開始の「天使なんかじゃない」を小学生当時に読んで“矢沢信者”になった人が多い。

 矢沢氏は、登場人物の服装に最新の流行を取り入れ、女性ファンを増やし、女性ファッション誌に作品を掲載するなど、多方面で活躍。過去にアニメになった作品もあるが、実写は今回初めて。

 映画は既に台湾などアジア7カ国・地域での公開も決まっている。“破竹の勢い”の矢沢氏が描く少女たちの世界観、最近の若い女性の“今”が映画に反映されているだけに、男性も要チェック!