ダブルスタンダード(二重基準)

◎資本主義と共産主義をその場その場で使い分けをするが、矛盾や歪みが大きくなって「マグマ」として噴出したのが民主化運動であった。しかし、この運動も共産党内部の権力闘争に利用され、1989年6月4日の「天安門広場」で悲劇は起こった。中国共産党の内包するその独善性と権力保持にかける保守性は、民衆にとって「悪」そのものである。それだからこそ、世界の人々が周知の事柄(たとえばこの天安門事件)でも自国民がまったく知らないらしい。そういう隠蔽工作を平然と行う機関が中国共産党なのです。

サンケイ・ウェブより引用

 天安門事件で17歳の息子を亡くした母親で中国人民大学助教授の丁子霖さんは6月2日、産経新聞に対し、中国政府が過去の歴史問題で日本を批判する一方で、天安門事件を反省しないのは「二重基準」であり、「人民への裏切りだ」と述べた。発言要旨は以下の通り。
                  ◇
 政府の「二重基準」を三点について指摘する。まず「対日関係」だ。
 現在、中国政府は侵略の歴史に関し日本に謝罪と賠償を(暗に)求めているようだが、日本がきちんと対処して謝罪すべきであるのと同様に、反日デモでの大使館などへの破壊行為や留学生への暴行は、文化大革命時代の紅衛兵のような非文明的行為であり、中国政府はきちんと謝罪すべきだ。
 過去、毛沢東氏が日本に賠償を求めなかったのは独裁者の手法で、人民を裏切る犯罪行為だ。当時日本に賠償させていれば、中国の反日デモなどは起きなかったろう。
 中国政府は日本の侵略の歴史は追及する一方で天安門事件の真相を隠し見直そうとしていない。日本の教科書が南京大虐殺の歴史を歪曲するのは間違っているが、中国共産党も十六年前の虐殺の歴史を歪曲している。
 次に「台湾の国民党との和解」だ。政府は半世紀の対立を超えて国民党と握手したが、(天安門事件遺族の)われわれには握手どころか圧力を加え続けている。私たちは命をもって償えとは言っていない。法に基づく解決だけを求めている。
 最後に胡錦濤政権が掲げる和諧(調和の取れた)社会建設」だ。胡政権の政策はすべてが左傾化毛沢東化している。真に「和諧社会」を建設するなら事件再評価は避けられない。事件に絡む政治犯も釈放すべきだ。
 息子の墓もまだないが、趙紫陽元総書記と私たちは運命共同体だ。私が生きていたら、いつの日か趙氏の慰霊祭に民衆とともに参加したい。(野口東秀)

六四天安門事件 出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

 六四天安門事件(ろくよんてんあんもんじけん)とは、1989年6月4日に中国北京市において、天安門広場に集結、デモ隊が人民解放軍により鎮圧された事件、あるいは、この鎮圧に先立ってなされた学生や知識人らの民主化を求めるデモ活動を包括していう。運動の指導者は、ウイグル族出身の学生運動ウーアルカイシ。1976年4月5日の周恩来死去に際し発生した第一次天安門事件と区別して、第二次天安門事件とも呼ばれる。

□参考エントリー 天漢日乗さんの「我愛北京天安門(わたしのすきなてんあんもん 文革時の流行歌謡) 中国当局、民主化運動関係者を拘束、再燃を警戒

天安門文書

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天安門の犠牲者を訪ねて―息子たちはこうして虐殺された

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