重大事故の検証18(JR福知山線)

 今後も犯人探しではなく事実を積み重ねて(自分なりの)検証を続けていきたい。
◎情報を生かしきれていないことと隠蔽しようとする体質はJR西日本ばかりではないと思う。
□読売5月20日 非常時の詳細、駅の一斉放送で伝達へ…JR西日本 

JR福知山線脱線事故発生当日、JR西日本の新大阪総合指令所が社員向けに駅などに流す「旅客一斉放送」で、死者の有無など事故の重大性に関する情報を伝えなかった問題で、指令員らに「乗客に知られたくない」という思いがあったことが20日、同社の社内調査でわかった。

◎浅井久仁臣グラフィティさんの事故究明にかける努力に拍手を送ります。運賃値上げを国交省に完全に抑えられています。しかし、ここがすごい矛盾なのですが会社自体が赤字でないと運賃が上がらない。しかし、鉄道会社としては大手私鉄は上場していることから営業利益を上げ株主に対して配当を出さなければならない。再びしかし、特に関西地方では10年以上も旅客数の減少傾向に歯止めがかからず、鉄道収入は横ばいどころか右肩下がりが現実です。それに反して、高速化・快適車両・バリアフリーなどの対策、踏み切りをなくし高架化もしなければならないが応分に負担する地方自治体もいま財政は厳しい。つまるところ鉄道会社はどこで利益を確保するかといえば人件費のカットしか選択肢はのこされておらず。新入社員はここ10年極端に採用せず、JR西日本に劣らずいびつな人員構造になっています。つまり30才代よりしたの20才代の運転士がおらないという状況です。ただ、わが社は「日勤教育」=非人格的なイジメ=なものはないし、「安全運行」は公共交通に携わる鉄道事業者として守らなければならないものとの認識は高いです。しかし、JRは新しい(つまり民営化)ことと古い(旧国鉄時代の残りかす)ことが混在し、かつ国労分裂(作為的ですが)以来、労働組合が分裂・再編を繰り返すという、それに会社が乗じるというすごく変則な労使構造になっています。だからといってJRの事故は自らのものとして戒めなければなりません。

□「浅井久仁臣グラフィティさん」の 日勤教育は他社にも存在 尼崎事故の元凶はヤードスティック法?

JR西日本脱線事故も、その後起きた幾つかの事件に押されていつの間にかマスコミに登場する機会を失いつつある。このまま恐らく、余程の事がない限り問題の核心に触れぬまま幕引きになっていくのだろう。そして、後世に伝えられるのは、「最初、運転士を袋叩きにしたが、その後JR西日本の体制に問題がある事が分かり、会社に批判が集中した」といったおぼろげな記憶だけだろう。 そこで私なりの調査をしてみることにした。現在、松葉杖生活であるから「足を使った」取材はしていないが、電話とインターネットを駆使した。