重大事故の検証の13(JR福知山線)

 今後も犯人探しではなく事実を積み重ねて(自分なりの)検証を続けていきたい。

◎マスコミの役目とは事故の本質を遠ざけるごとく、くだらない「不祥事」探しをすることでしょうか?もはやテレビは単なる「ネタ」と思っている傾向がありありと見えている。「停車した特急電車」や「壊れた電柱」を現場で見逃し、JR内の労組対立には何故だか無視の構え、また旧国鉄から引きずる「マル生問題」やJRに至る過酷なイジメなど、事故の背景や遠因などを分析・解明し、今回の事故問題の本質をさぐる取材をしてください。あんなJR西日本糾弾会見場所で待機してるだけが記者の役目じゃないはずと感じる。(それにしても最近社会時事でスクープなんかみたことないな)
◎今後は マスコミが不祥事をおこしたら ずっとボウリング場やゴルフ場や居酒屋を看視して 遊んでいる人がいないか国会議員との懇親会をしてないか、僕には無関係の北新地や銀座あたりも 監視しましょう。
JR西日本の担当者は栄転させて、首相官邸記者にしましょう。

□若隠居の徒然日記さんの=なんぢら人をさばくな

□竹林さんの=安全と危険と失敗と

□メディア探求さんの=このままじゃマスゴミは本当に断頭台行きだよ

□Katolaさんのマーケティング言論さんの=JR西日本、悪玉論を排す

マスコミからも↓こうした記事が出できている。
発信箱:尻馬に乗るな 山田孝男 毎日新聞 2005年5月9日

 仮に私がJR西日本の社員だったとして、事故を知りつつボウリング大会に行くことはなかったと思う。その程度の分別はある。しかし、事故列車の後部に乗り合わせていたとして、最前線へ突進し、的確な救助活動ができたかといえば自信がない。JR西日本のたるみを疑う余地はないが、津波のようなJRたたきをいぶかり、「汝(なんじ)らのうち罪なき者、石を擲(なげう)て」という新約聖書の一節を思う人もいるだろう。

 たまたま見たテレビのニュースショーで、キャスターが「JR西がお見舞いに紅白の祝儀袋を使ったそうです」と声を潜め、居並ぶコメンテーターが口々に非常識をとがめたところ、視聴者から「お見舞いに紅白の結び切りはおかしくない」という電話が入り、キャスターがフォローに苦労していたのは何とも気の毒だった。

 報道陣の監視の下でJR社長が土下座し、不祥事が暴かれ、幹部が謝罪を繰り返す。遺族の悲嘆を軽く見るつもりはないが、「劇場化」する事故報道の中で感情を押し殺し、サンドバッグ状態に耐えるJR幹部の映像を見て「これがウチの会社だったら……」と身震いした管理職も多いのではないか。

 国鉄改革とは一体何だったのかと思わせるJR西日本の退廃を厳しく問うのは当然だ。しかし、糾弾調も過ぎればJRを萎縮(いしゅく)させ、例の「日勤教育」同様、効果が疑わしい、とならないか。全国でレールの置き石が相次いでいるという無責任で浮ついた世相だ。JR西日本の運転士をけったり、駅員をなぐった者もいるという。尻馬に乗るなと言いたい。(編集局)

事故は所要時間最も短く設定の「最速列車」 毎日新聞 2005年5月9日

 兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、脱線した快速電車が現場二つ前の停車駅、川西池田駅を出発する際に35秒の遅れが生じていたことが8日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調査で分かった。この電車が同線の快速電車のなかでも所要時間が最も短く設定された「最速列車」だったことも判明。県警尼崎東署捜査本部は、こうした状況から高見隆二郎運転士(23)=事故で死亡=が遅れを取り戻そうと無理に速度を上げたことが事故の直接原因になったとみて、捜査を進めている。

 調べでは、この電車は事故当日の午前9時10分ごろに川西池田駅に到着したが、通学、通勤客らの乗降に手間取り、駅を定刻より約35秒遅れで出発した。次の伊丹駅には約30秒遅れて到着し、オーバーランした。車掌は当初、運転指令にオーバーランの距離を約8メートルと報告。虚偽報告だったことが分かり、JR西日本は会見で距離を約40メートルと訂正したが、その後の捜査本部の調べで、実際には車両3両分にあたる約60メートルだったことも分かった。

 高見運転士はいったんホームに戻って客を乗降させたため、同駅出発時に遅れは約1分30秒に拡大した。現場手前の塚口駅通過時は、1分以上の遅れだった。そのため、高見運転士は次の尼崎駅で遅れを回復しようと直線区間でスピードを上げすぎ、制限速度を少なくとも30キロ上回る100キロ以上でカーブに進入したとみられる。

 一方、快速電車はダイヤ上、駅の停車時間などに差があり、始発から終着駅までの所要時間に違いがある。この電車は始発の宝塚駅を午前9時3分45秒に出発、尼崎駅には同9時20分10秒到着予定。所要時間は16分25秒で同区間を走る快速電車の中では最短で、直前の快速と比べても1分25秒短く、JR西日本の社内では「最速列車」と呼ばれていた。

 オーバーランした伊丹駅の停車時間はわずか15秒で乗降に時間がかかれば常に遅れが出る恐れがあり、こうしたことも事故の背景になった可能性があるという。

(5/9)JR西日本、不通の尼崎−宝塚で新型ATS設置工事 日経
 JR西日本は9日、兵庫県尼崎市の電車脱線事故現場のある尼崎―宝塚間で新型自動列車停止装置(ATS―P)の設置工事を始めた。

 同社は事故に伴い、6月末の完了を目指していた福知山線の工事を中断。しかし、不通となっている尼崎―宝塚間の運転再開について、北側一雄国土交通相が「全線での導入が前提」との見解を示したため、同社は今月3日から未設置区間の工事を順次進めている。

 尼崎―宝塚間のうち捜査のためレールや枕木の撤去された事故現場の工事のメドは立っていない。「6月末までに全線の工事が完了するかどうかは微妙」としており、運転再開が7月になる可能性も示唆している。